ビギナーの風水学講座:目次


少し突っ込んだ話


サイト訪問者も、いろんな段階の方があると思いますので、暦などの基礎的なことだけでなく、もう少し詳しい話に触れておきます。


祐気取りとは何か?

祐気取り、方位取り、その他いろんな名称で、吉方位に動いて運気をアップするという方法が取り沙汰されています。しかし、運勢をよくしたいという目的で、祐気取りに血道を上げるのは、あまり感心したことではない、というのが、このサイトの立場です。
もし、たまの旅行を楽しみたいので、同じ行くならば吉方で行ったほうが気分が良い、というほどのことでしたら、気楽に方位を見て、安心して大いにお楽しみいただきたいものです。

また、7歳以下の子供さんを連れての旅行の場合には、小児殺という凶方位もありますので、健康状態の急変しやすい子供さんの為に、大事を取って方位を見たほうが良いでしょう。

しかし、運気を上げる為に、借金しても祐気取り、という例がたまに見受けられるのは、どこか取り違えた部分があるような気がします。
前述した内容とも関係して来るのですが、方位だけで運命の吉凶が決まるわけではありませんので、あまり祐気取りに精出すよりも、少し他のことも勉強してみたほうが有益なのではないだろうか、というのが実感です。

というのは、幾ら吉方位を多量に回数多く採ったところで、その人の力量、実力は変わりません。吉方位を採って良いことがあるというのは、その人の持っている良いものが発現するわけで、それじたいはとても喜ばしいことです。しかし、余りに祐気取りの好きな人に限って、肝心の実力をつけることを忘れていることが多いような気がするからです。
蒔かない種が芽を出すことはありません。月に何回も祐気取りをなさっているような方は、もう少し別の角度から、「運気」とか「命」(めい)ということを考え直してみるほうが、有益な気がします。


お水取り、土取りの効果は?

最近ではさほど流行らなくなったような気がしますが、祐気取りの一つの技法として、吉方位に行き、その土地の水や土を持って帰る、という方法があります。
これは、期待するほどの効果はない、と思ったほうが良いでしょう。水や土を持ち帰ることじたいは、鮮度に注意すれば別に悪いことではないと思いますが、水は持ち帰っても、効果を期待できそうなのはせいぜい一日ぐらいのものです。
また土取りは海辺の砂を持ち帰るのが良いとされていますが、もし効果を期待するのでしたら、トラック何台分かを運んで敷地や庭一面を埋めるぐらいでないと、土取りにはなりません。そうなると、行政の許可なども必要になるでしょうし、第一、そこまでできる家であれば、家相を見直したほうがよほど効果が高いだろうと思います。

また、病人の為に、誰かが代理で水取りに行く場合、行く人が凶方位であっても良いのか?というご質問がよくありますが、水取りが最初からあまり意味のないことである以上、これもあまり意味がないでしょう。

水取りよりも、ご病人の気持ちの良いように、家の中をお掃除したりお布団を干したり、病状にあった美味しいお料理を工夫してあげたほうが、よほど直接的効果があるだろうと思います。
どうしてもそれだけで物足りないということであれば、読経や写経をしたり、ご縁の深い神社仏閣で病気平癒祈願をしていただくほうが、ずっと有益ではないでしょうか。

気学の方位の良し悪しが一番関係するのは、引越しの時です。それも探す時から吉方位で探し始めるのが大切です。何故かと言いますと、東洋運命学というのは初動の因縁を大切にするからで、吉方位で探せば吉相の物件が出やすく、凶方位で探せば一見よさそうに見えても、どこかに隠れた欠陥がある場合が多いものです。
何事もスムーズにいく時はずっとスムーズなものですが、最初からケチがついているものは、ずっとトラブル続きです。新築や引越しという大事な場面でのトラブルを少なくする為に、良い時期、良い方位を選んで家を建てたり引越ししたりするのです。家相の影響の大きさを考えると、日常の行動で細かいことを気にするよりも、ここぞという肝心な時に方位を守ることが、最も大切ではないでしょうか。

日の選び方(重ねの日は大吉か?)

気学もだいぶ知られてきたせいか、いわゆる祐気取りには、年月日重ねで同じ九星の重なる日を選ぶ方が多いようです。
そうすれば、目的の方位に、年月日とも全部同じ相生の九星が回るので、より効果が大きいだろう、ということでしょう。

しかしこれは、当サイトではあえてお勧めしてはいません。
というのは、同じ九星を重ねて使うと、方位の性質によってはかなり大きなリスクがあるからです。例えば、過去に使用した凶方位の影響が出てしまうこともありますし、もともと「トラブル」という性質を持つ星の場合など、思わぬ事態になる場合があります。
方位というのは、吉凶というよりも、その方位や星の性質が出るという面が大きいので、まだそこまで学んでいない方が無闇に重ねの日を選ぶのは、影響があるだけにそれだけリスクも高いということです。

できれば、年月の盤は、相性の良い違う九星を組み合わせて使用するほうが、方位の性質もソフトになり、安心して使用できます。
本命に対して、後天定位+年盤+月盤と日盤=これが適度に違い、更にその組み合わせが全部相生である、といううのがお勧めです。
そうなると、五黄中宮の年は後天定位と年盤が同じになるので、引越しや祐気取りには向かないのか?ということになりますが、その通りです。


本命星による人間同士の相性

人と人との相性に、九星の相生、相克をそのまま適用している方がありますが、九星では人間同士の相性は見ません。
人間同士の相性はもっと複雑なもので、特に男女の相性などは先祖関係や様々な要因がありますので、たった9種類しかない九星気学で、そこまでインスタントな見方をしてしまうのは早計です。

ただ、家族で九星が同じだったり本命が相性だったほうが、引越しや旅行の時に一緒に方位を使いやすくなるので、楽なのは確かです。
どうしても相性を見たい場合は、常識的に考えていただいたほうが、かえって早いでしょう。
相性というのは「陰陽の法則」が基本です。活発な人と大人しい人、激しい人と穏やかな人が相性が良い、という見方をしたほうが確実です。
陰陽でない場合、大人しくてあまり自己主張しない同士は割りにうまくやってゆけますが、どちらも毒舌で自己主張が強ければぶつかりやすいでしょう。当たり前と言えば当たり前の話ですが風水学というのはもともと、普段は気づかない根本的な常識、と言っても過言ではありません。人生経験の豊富な方は、学ばずともそういうことを体感的に経験的にご存知なのですが、社会経験の浅い方を応援する為に、風水学だの運命学だので体系化して分かりやすくしているわけです。
決して風水学が先にありきなのではなく、忘れていた大事なこと、普段気づかなかった真実に目を開く為に、風水学があるのです。

本命星による相性を研究してみると、むしろ相生の組み合わせは意外と少ないような気がします。人間は自分にないものに惹かれるので、対冲の星とか、意外と相克の関係が多いような気がします。先天定位なども加味して考えてみると面白いでしょう。



実家との方位関係

実家への里帰りの場合、方位を見る必要はない、とする意見があります。
これも半分は正しいのですが、実家にもいろいろあり、個人によって状況が全く違うことを考える必要があります。

実家が先祖代々、その土地に根を下ろして棲みついた旧家で、今もその実家を誰かが跡を継いで維持しており、敷地も建物も、育った家がそっくり健在である、というような実家の場合、簡単には実家とは縁が切れないでしょう。
若い方がこういう実家から一時的に進学の為に他に移り、休暇で実家に帰省するたびに方位が良いとか悪いとか気にするのは、おかしな話です。
まだ独立しているわけでもなく、実家に下りた太極はそう簡単には消滅しないので、実家への里帰りは方位を見る必要はない、というのはもっともなことです。

しかし実家といっても、転勤族で団地暮らし、成人するまでに何度も住まいを移転しているような実家の場合、就職して独立して暮らしている人が、先祖代々の実家と同じように考えると、全く事情が異なります。こういう場合は、実家よりもむしろ、現在の自分の住まいのほうに主体があるので、実家へ行くのは旅行とさして変わりがありません。
旅行の方位をどの程度気にするかしないかは別問題として、実家への方位を見るか見ないか、一律に皆同じように考えるわけにはいきません。

ちなみに、実家の家相がほとんどその人の一生涯を決める、とする意見もありますが、これもやはり、実家との繋がりが濃いか薄いか、或いは自分でどの程度運命を切り開いて自分で住環境を整えているか、そういうことも考えあわせてみると良いでしょう。



ここで紹介した内容はほんの一部ですが、運命学で大切なことは、くれぐれも近視眼的にならないことです。これは、親が子供を見守ることにも似ています。
目の前の現象に右往左往して、今すぐそれを解決するべく取り繕うのが、決して良いわけではありません。変わった現象があれば、その原因や根っ子がある筈です。長い目で見て何がその子にとって一番良いことなのか…時には手を出さずに見守ることのほうが、遥かに大きな愛情です。またすぐに手を出すよりも、そちらのほうがずっと辛く、根気と努力が必要です。

一番いけないのは、自分の都合や体面を優先する余り、すぐさまその場を収めてしまおうとすることです。
子育てと同じように、運命学に大切なのは、こういう一歩引いた、客観的で謙虚に真理を見極めようとする姿勢ではないでしょうか。自分の運命を見守り育ててゆくのは、あなた自身です。何を信じ、何を取捨選択するか決めるのも、あなた自身です。
当サイトのコンテンツが、真に皆様のお役に立てますよう、今後とも尽力してゆきたいと思っています。

「1〜8:2010年11月記述、2014年5月加筆訂正」

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