写経の実践〜題目を書こう〜


そこで、以上のことを踏まえた上で、題目写経の実際に入ります。
と言っても、用具や作法の実際上のことは同じなので、違うのは字数だけです。

しかし、他の寿量品や普門品の写経が沢山字を書くのに対し、題目写経はシンプルなので、かえって難しい面もあります。注意点として以下のようなことが挙げられます。

1、一字一字をしっかりと大き目に書く。
2、全体のバランスを考えて七文字を配分よく書く。
3、留め、払い、流すなどの文字の基本をしっかりさせる為、筆順を間違いなく覚える。

筆順はクリックすると大きくなります
ヒゲ題目は参考です

この中で、意外に問題なのは、3の筆順です。今までけっこういろんな人と一緒に題目を書いてきましたが、ほとんどの人が筆順をきちんとご存じありませんでした。特に「華」の字の筆順は全滅でした。

漢字と言うのは、筆順をしっかりしないと、きちんとした形にならないようになってるので、この際、皆さん覚え直して下さい。たった七文字ですので、確認の為に1から覚え直してみましょう。

また、写経は字を上手に書くことが目的ではなく、心身ともに禅定力(ぜんじょうりき)を養う修行です。お習字とは根本的に異なります。ですから、お習字のように、書いた形が悪いと添削したりはしません。自分なりにきちんと書けばよいのです。

一定の力と安定度を保ちながら、精神と肉体を浄化して底力をつける修行です。なので、人と出来不出来を見比べたり、字が下手だからと悲観するのは本末転倒です。普段よりも、集中して丁寧に力強く書けば良いのです。

また、毛筆の苦手な人も、使い慣れない筆で書くことにより、集中もできますし、いろんな意味で力がつきます。
沢山の字を書く写経では、ちまちまと器用に書いてしまう人をよく見かけますが、難しい文字を器用に書いてしまう人は、意外に、修行という意味では向上しづらいような気がします。形や体裁を整えることに気を回すのは、すでに横道に逸れかかっているので、純な気持に返るように努力してみましょう。

修行の世界では、小器用さはかえって邪魔です。体裁や失敗を気にせず、居ずまいを正し、集中してしっかりと題目を書いてみましょう。そうすれば、おのずと体裁も整うものです。だからといって体裁を優先して考えると、形だけで中身のないものになってしまいます。

上に筆順をまとめておきましたので、プリントアウトしてご利用下さい。題目は一枚の半紙に、縦に2〜3回書いても良いですし、横にして5〜7回ほど書いても良いでしょう。

下の写真のぶんは、書初めなので一枚に一行だけ書いていますが、字の大きさや行数には決まりはありませんので、好きなように書いて下さい。試してみて、自分にあった字の大きさや行数を工夫し、決まったらその形式で続けて下さい。

文責:タオ<コピー・無断引用禁止>

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