みんなの風水:目次

交渉を有利に導く位置



出入り口、窓に注目

これはご存じの方も多いでしょうが、ある部屋の中に何人かの人が場所を占める場合、良い位置と悪い位置があります。
この「良い悪い」というのは、風水とは関係のない、ごく一般的な意味です。普通、お客さんはここ、一家の主はここ、となんとなく役割によって決まる位置のことですが、これを風水的に分析してみると、もっといろんなことが分かります。

第一章でも述べたように、人間には体の構造から来る、警戒本能とか被暗示性というものがあって、位置関係というのも、自然とそこから導き出されてくるものです。

この中で、一番大きな要因となるのは、家相と同じように、やはり出入り口です。
出入り口というのは、人間にとって非常に危険なものです。いつ外敵がやってくるかわからない場所ですから、落ち着いてものを考え、決定するためには、なるべく出入り口から離れて座り、かつ一目で出入り口を監視できなければなりません。そして、やはり、心臓とは反対側にあったほうが安心です。

まず、非常に単純化した図で見ていただきます。第一図の中で一番有利なのは誰でしょうか。
普通、出入り口に顔を向けていると落ち着かないので不利、と思う方が多いようですが、実は背面を向けるのが一番落ち着かないので、この中で一番有利なのは、B氏で、反対に一番不利なのはD氏ということになります。
D氏は出入り口に背を向けている上に、心臓側に出入り口があるので、一番不利なのです。

これは、窓に対しても言える事です。窓に近い所、窓を背にして座っている人ほど不利になります。
第二図では窓と出入り口の双方を加味して判断すると、C氏が一番有利で、次がB氏、その次はD氏、次がA氏、一番不利なのはE氏、という事になります。

交渉に当たっては、最初に座る位置を決める時に、なるべく入口から遠ざかる、常に入り口には背を向けない、窓に対しても同様の注意を払う、ということが大切です。


こんな災難も

私の身近な例でも、スナックでドアを背にして飲んでいたら、後から入って来た人にいきなり殴られた、という男性があります。
これは完全に人違いだったそうですが、予想もしていない時に突然、背後からボカボカッとやられたのでは、堪ったものではありませんね。おまけに酔っ払っているので、とっさの反応も鈍くなっていたことでしょう。
それから後、この方は絶対に他人に背を向けないように、心掛けているそうです。

心理的に見ても、、出入り口、窓というものに対しては人間の警戒本能がなんとなく落ち着きを失なわせ、その結果、出入り口に背を向けている状況では、活発に意見を述べたり、実力を十分に発揮することはできにくくなります。
その結果、いつの間にか不本意な取り決めをしてしまったり、なんとなく相手の意向に押されてしまうという事態を招き易いのです。


条件づくり

ここで一歩論を進めて、自分が不利な状況を避けるだけでなく、この位置的条件をうまく使って、あるいは逆手に取って、交渉を有利に進める工夫をしてみてはどうでしょうか。

交渉の場を、自分のホームグラウンドに持ってこられれば有利なことは、いうまでもありません。自分の好きなようにセッティング出来るからです。
しかし、風水その他さまざまな条件を頭に入れておかなければ、せっかくのチャンスも生かすことはできません。
外部に交渉の場を置く場合でも、なるべく現地を見ておき、早めに行って有利な位置取りをすることです。

第一に、相手に窓や出入り口を背にさせるという、一番不利な位置に座らせる方法があります。
しかし部屋の造りによっては、目に見えて失礼にあたる場合もありますので、そこは工夫です。テーブルと椅子をまず、相手に不利に、自分に有利に配置し、その明らかな非礼を、生花や他のインテリアを置くことによってカムフラージュしてしまう方法があります。
一見、相手に非礼に当たらないようにしつらえながらも、風水的には自分に有利なようにセッティングしてしまうのです。


こんな部屋はいかが

ここで、取引、交渉に有利な間取りというものが、もしあるとしたらどんなものか、ひとつ考えてみましょう。
和室というのは、「床の間・掛軸」という便利なものがあります。床の間を背にするのが上座と決まっていますから、これを逆手に取ってしまうのです。
設計段階から計算して、床の間の向かって右側に出入り口を造ってしまいましょう。
おまけに床の間の両側に、小さな明かり取りの洒落た飾り窓でも造れば、申し分ないでしょう。
相手は豪華な客人気分を味わいながらも、いつのまにか不利な立場に追い込まれる、ということになります。

方位は、相手側が東に近い南東に北西を向いて座り、こちらは北西の中心近くに、やや相手と右側にずれた位置で座るのが理想的です。
こうすると、相手は西向きですからあまり発展的な結果は得られず、こちらはしっかり主の立場を守りながらも、相手を「良いお客さん」にすることができます。
相手の座る南東の部分がほんの少し張り出しになって、さらに湧き水でも引いて日本庭園風のインテリアに応用できれば、もっと理想的です。

しかし注意点を述べておくと、北西というのはもともと上司、主人の位置ですから、最初からあまりに無愛想な人が交渉にあたると、ますます態度がでかくなってしまいがちなことです。これは気をつけませんと、かえって相手を怒らせたりしては、元も子もなくなります。
この風水応対術というのは、戦時の交渉から出ていますので、「あくまでも牙城を死守する」、という前提に立っているのです。
こういう場合は自分が少し西寄りに座ると、愛嬌が出て話もうまくできます。時間も午後の方が良いでしょう。理由は宮元武蔵の巌流島の決闘を思い出していただければお分かりと思います。午前中だと、太陽の光で自分が眼が眩んでしまいますから。(失礼。真面目です)

この場合、あくまでもカムフラージュですから、インテリアには気を配ってください。
相手側はなるべく豪奢なインテリアにしつらえ、しかし背後と左側に空気の流通が多く、一方こちらは、簡素ながらもしっかりと北西の壁を背にして守りを固める、という態勢にすることが重要です。

これはあくまでも交渉用の部屋ですから、誰でも彼でも入れていいというわけではありませんが、いざ肝心な交渉という時には、この部屋が思わぬ力を発揮してくれるでしょう。
ただし、この部屋が外部にある場合は、使用する人と、この部屋のある場所の方位が吉にならねばなりません。

実際にこんな和室は存在しないでしょうし、ちょっとルール違反かもしれませんが、最近は和洋折衷のインテリアが多いので、設計段階、または改装の余地があれば十分可能だと思います。

和室でなくとも、この原則を守れば、洋間であっても同じことです。ただし床の間がありませんので、南東の位置を、相手が嫌といえないぐらい、いかにも客人用としてしつらえてしまうことです。
これらの原則をよく頭に入れて位置取りに気をつければ、思わぬ効果を得られることでしょう。

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