般若湯のなぞ

「般若湯」という言葉を知っていますか?これ、実はなかなか含蓄のある言葉です。
「般若」とは怖いお面のことではなく、仏教用語で「智恵」のことです。「般若心経」とは智恵のお経の意味で、正式には「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」と言い、「摩訶」は「大いな、偉大な」の意味です。
ところが、下世話には「般若」に「湯」をつけて、お酒の別名として使います。これは仏教界での五つの戒律の中に「不飲酒戒」(ふおんじゅかい)が入っていたため、お坊さんがこっそりお酒を飲む時に、隠語として使われてきた歴史があります。

風水学では、お酒は火と水の合わさった不思議な物体。火と水という正反対のモノの争いから智恵が生まれる、というのが、般若湯の意味です。
石油なども燃える液体で、私たちの生活に様々な智恵と恩恵を与えてくれる般若湯の一種といえるでしょう。石油で沸かしたお風呂に入ってお酒を一杯、というのも、不思議な智恵が湧いてくるひとつの方法かもしれませんね。(2008/12)

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