立秋って本当はいつ?

猛暑の後に急に訪れた秋の気配…
秋っていっつも、急に来ては急に去りますよね。四季の中で、一番短い季節かもしれません。
でも二十四節気で観ると、今年は8月7日が立秋で9月23日が秋分、11月7日はもう立冬です。
8、9、10月が秋なので、10月はもう晩秋です。
だから9月の月見を、中秋の名月と言うんですね、なるほど。

と、イージーに感心してもらっては困ります。
8月7日に秋の気配を感じられましたか?幾ら今年が猛暑だったとは言え、毎年8月の上旬に秋の気配を感じたことなんて、無いと思うのですが。
それなのに、世間では「暦の上では…もう○○」なんて言ってるし、二十四節気は季節の移り変わりを表したもので…などと信じ込んでいる方も…たぶんいらっしゃるのでは。。。

それでは、旧暦で見るんだから、二十四節気の見方も一ヶ月遅らせばいいんでしょ?と思っちゃう人が居るかもしれませんが、これもブッブー!
二重に間違っています。
・二十四節気は旧暦ではなく、新暦(太陽暦)で作られています。
・旧暦は一ヶ月遅れではありません。

旧暦とは太陽太陰暦で、新暦(グレゴリオ暦)は太陽暦です。周期が違うのだから、新暦を一ヶ月遅らせても旧暦にはなりません。旧暦と新暦の話は、調べればすぐ分かると思いますが、問題は二十四節気です。

二十四節気には農業用語が沢山使われているので、自然暦であり旧暦に近いのだろうと思いがちですが、実は二十四節気というのは、成り立ちが複雑ではっきりしないのです。また、体感する季節とその用語は、かなりずれています。

はっきりしていることは、現在使われている二十四節気は、春分点と秋分点を基準にして、国立天文台が毎年、厳密な天体観測によって割り出しているので、天体と地球の運行を見る時間の基準としては、非常に厳密なものだということです。
しかし、二十四節気の用語は、いわば気象用語で使用する「記号」のようなもので、実際の季節とは切り離して考えたほうが現実的です。
それでもまあ、1〜2ヶ月ほどの体感とのずれを我慢すれば、春だから虫が這い出してくる啓蟄だな、ぐらいの認識は出来ますが、8月7日の暑い盛りを「秋立ちぬ」と感じることが出来ないのは当然です。

無理に一ヶ月後にずらして旧暦に結びつければ少しは体感と近づきますが、もともと旧暦とは成り立ちの異なるものです。更に、二十四節気の決め方も、大別して二種類あるので、二十四節気は天体観測用語と割り切ってしまったほうが、スッキリするような気がします。
しかし、二十四節気は観測法が厳密なだけあって、節入り時刻は本当にきっちりしており、時間の区切りとしては凄いものだと感じます。

で、本題の「本当の立秋は?」
実は…たぶんそんなものは、無いのではないでしょうか。だって、春分点、秋分点、夏至点、冬至点の四つはきっちりと観測して発表されますが、その間は決まった方法で区切るだけですから。立秋や立冬は、単に二十四節気という、時間の区切りとして発表するだけですよね。

もっと詳しく知りたい方は、本命・月命確認コーナーの中のコラム「占術の暦の話」をご一読下さい。

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