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賃貸契約をスムーズに


賃貸契約とは 審査落ち事例 入居審査のコツ 連帯保証人


契約トラブルになる前に

さていよいよ、なんとか妥協できそうな物件を見つけたとします。
その物件の賃貸契約を結ぶことになりますが、ここに思わぬ落とし穴が待っている場合があります。
いろいろとリサーチして、不動産屋さんにも親切に対応してもらい、沢山間取りや賃料を見比べて、あなたがこの物件にしようと決めても、相手が貸してくれない、という場合があるのです。借りる前に、「入居審査」という壁があります。

自分は社会的地位も高くしっかりした仕事に就いているので、自分にはこの章は関係ない、と思われる場合もあるでしょう。しかしそれは、人間として余りにも淋しい考え方ではないでしょうか。
あなたが自分に自信があり、将来、より高い地位に上るべき人物ならば、なおさらのこと、弱者の視点で物を見ることも学ぶべきだとは思いませんか?

世の中にはいろんな人があります。自分だけ安心できれば良い、というのではなく、より幅広い視野を持とうとする努力も大切です。また、今まで難なく賃貸契約が出来ていても、今後、状況が変化するにつれ、場合によってはひっかかる場合が出てくるかもしれません。

筆者の経験上感じたこと、不動産屋さんの話などを元に、賃貸契約の中でも特に入居審査に関する注意点を述べてみます。


◆部屋の賃貸契約の特殊性

基本的に、部屋の賃貸契約については、お金を払えば使えるものだ、とは思わないことです。また、入居審査の基準は、非常に主観的です。
ほとんどの貸主(大家)が、「この部屋は汚されたら困るから、子供のいない若夫婦に」とか「家賃を踏み倒されたり、騒いで近所に迷惑をかけられたり、事件を起こされると困るので、出来れば支払いも身元も確実な、公務員か一部上場企業の社員に」と思っています。でも安い部屋やあまり人気のない地域、条件の悪い物件では、その基準を緩くしているのが現状です。

これは、賃貸用に建築したアパートでは比較的ゆるやかなことが多いようですが、投資用の物件や一時的な留守宅を、大手不動産チェーンのリロケーションシステムで運営している物件は、非常に厳しいようです。
入居者の条件から契約時の必要書類まで、これでもか、というほどきっちり決まっています。

芸能人などの入居する、都心の月額○百万という賃貸高級マンションではまた入居審査の内容も少し違うかもしれませんが、家賃の額を問題にしなければならない庶民は、以下の入居審査という壁を前提に考えなければなりません。

入居審査をする人は、家主か、又は管理業者か、その両方です。
大家さんの考え方で、自分で面接や審査をし、業者には手続きだけを依頼している場合もあれば、全く顔を出さずに管理会社に一任している場合もあります。

ですが基本的に、賃貸物件を貸すか貸さないかは、大家側がきめることです。断る場合でも、その理由を明確にする義務はなく、違法ではありません。
極端な話、「顔が嫌い」という場合もあります。たぶん顔を見ただけで、うるさいことを言ったりトラブルを起こしそうな人間だと思われたのかもしれません。

マンションによって、「一部上場企業」「公務員」など、又は、年収○00万円以上、など、内容がきっちりと決められているものもありますので、あてはまらない場合はもちろんジタバタしても無駄です。

間に入る業者によって通ったり通らなかったりするのは、管理会社の形態によることが多いようです。家主が、昔から地域に密着して営業している街の不動産屋さんに頼む場合は「細かいことはお任せしますから、良い入居者を入れて下さい」という依頼のしかたが多いので、業者の裁量で、書類がきっちりしていなくても融通をきかせてくれる場合もあります。

しかし、大手不動産チェーンでは、審査項目、必要書類、記入のしかたなどがキッチリ決まっていて、マニュアルから外れると本社で通らないことが多くなります。担当者がいくら親切な人でも、個人的裁量の余地は、ほとんど残されていないと言っていいでしょう。


◆入居審査落ちの事例

家族構成


収入と職業


書類と届


人間性に関わることやその他のケース


◆入居審査のコツ

それでは、現在のままで、少しでもスムーズに入居審査に通りやすくなる方法を考えてみましょう。その基本は、自分を客観的に値踏みしてみることです。

いったん断られた場合は「どうしてもこの物件に入りたい」と言っても無駄です。断られてしまってからでは、その物件に関してはもう遅いので、あっさりと諦めましょう。

「値踏み」とはちょっと嫌な言葉ですが、このくらいの心構えでいないと、一人で部屋を借りてきちんとやっていくことはできません。すべての人が、頼りになる親兄弟があって、しっかりした仕事と安定した収入のある方ばかりではないでしょう。
このサイトをご覧の方の中には、親と喧嘩別れして家を出ようという方もあれば、リストラされて高い家賃が払えなくなったので、引越しを考えている方もあるでしょう。

いざ賃貸契約で困る人に一番多いケースは、大学に入る時に親に借りてもらったアパートから引越ししようという時です。
その時点で、ちゃんと大手企業にでも勤めていればいいのですが、フリーのアルバイターで親とも気まずくなっていたりした場合、新築のオートロックの小綺麗なマンションに入居しようというのは、かなり難しくなります。

不動産の入居審査は、入社試験みたいなものだと思って下さい。
それも、「これから面接です」という時ばかりではなく、不動産屋に一歩足を踏み入れた時から既に、入居審査は始まっていると言っても過言ではないでしょう。普段どんな服装をし、どんな行動を取り、人とどんな接し方をするのか、最初から見られているということです。
あなたがもし家主や不動産業者だったら、くわえ煙草で無造作に入って来て、「いい部屋ある?安くしといてよ」という人に、条件の良い部屋を紹介すると思いますか?今、あなたが見せている態度が、そのまま入居したアパートの隣人に対する態度だと、普通は考えます。不動産業者に無礼な態度を取れば、入居してからも隣人と諍いを起こす危険性が高いと判断されるでしょう。
家主からすれば、自分の大事な財産を人に貸すわけですし、いったん入居したら借家人の全人格と全財産が自分の持ち物件に侵入してくるわけですから、警戒するのもある意味で当たり前のことです。

服装も、別にリクルートルックで行く必要はないでしょうが、あまりに奇抜なもの、軽く見られるような服装は避けて下さい。服装は職性を表すことが多いのですから、「来店して人に会う」のに、あまりにラフな服装だと、社会的マナーが欠けていると判断されかねません。
そして仕事とか家族のことを聞かれた時に、「そんなこと、関係ないだろ。ちゃんと家賃さえ払えば」という態度を取ってはいけません。はっきり、自分はこういう者だと具体的に答えることです。

また、できるだけ要領よく事を運べるように、事前に賃貸し物件にかかわる自分の側の条件を整理しておきます。これも大事なことです。行ってから余りに迷うのでは、ちゃんと一人で社会生活を営んでいけるのだろうか?と疑問を持たれてしまいます。以下の情報を整理しておきます。

希望家賃、部屋の広さ、構造など……かかるお金の総額は、関東近県ですと、家賃のだいたい5、6倍必要なケースが多いようです。関西だと保証金がかなり高いようですので、他地域の人は下調べが必要です。
あなた自身(契約者)の情報……勤務先、役職、年齢、家族構成、年収など、その場で聞かれてすぐに答えられるようにしておきます。住民票に記載された内容と違っていないことです。
連帯保証人の情報……契約者との関係、年収、勤務先、役職、家族構成。

ただし、物件に関する希望、契約面などは、あまりにうるさく細かく言うと、何となく敬遠されてしまうことにもなりかねません。別の章で述べますが、敷金の返還問題などの微妙なことは、余りに自分のほうの要求ばかりを出すと、向こうも人間ですからかえって態度を硬化させてしまうことさえあります。
誰しも、うるさい相手は嫌いなものです。聞くべきことはきちんと聞いておくべきですが、気持に余裕を持って対処できるようにしましょう。

※友達一緒は有利?…「友達についてきて貰うなんて、一人で出来ないみたい」又は「友達居ないのは暗〜い…」などと考えがちですが、二種類に分かれます。不動産業者や家主の立場で考えてみれば分かるでしょう。業者や家主から見て、友達が居るのが歓迎かどうかは、いちがいには言えません。一言でいうと、「こんな友達がいるのか」という判断材料になります。
学生の場合などは、友達が多すぎると出入りも多くてうるさくて無用心ですし、何かあるたびに友達が大勢集まって騒ぐのかと、警戒します。学生専用アパートなどは、そういう点も踏まえて一定のきまりがあるのかも知れませんが、集合住宅で生活する上でのルールは結局は同じだと思います。
一般の集合住宅で、学生気分で騒がれては迷惑なのは当たり前で、学生的なノリでついて来るのでしたら、はっきりとマイナスです。

しかし、借家人本人よりも社会経験が豊富そうなしっかりした、目上っぽい感じの友人で、当人を助けてくれそうな人ならば、「こういうしっかりした友人がいるのなら、いろいろ教えてくれるので無茶なことはしないだろう」と、誰しも考えます。
不動産の契約面でも、手落ちのないように後ろから優しく助けてくれるようなタイプの人でしたら、大いに歓迎です。友人が一緒の場合は、関係をサラリと一言告げておくと、不動産屋さんもとてもスッキリするでしょう。陰の黒幕みたいな、やたらに自分の意見の強い人がくっついてきたら???ですが、「○○を習っているのですが、その先輩で親しくしています」「今まで住んでいたアパートの隣の人です。こういう事情で引越したいので、いろいろ教えてもらってます」などサラッと紹介すると、好感が持てますね。


◆連帯保証人の問題

次にひっかかりがちなのが、連帯保証人の問題です。不動産屋によっては、まず最初に「保証人はどなたが立たれますか」と聞いてきます。それによって、紹介できる物件が異なってくるからです。
こういう場合、保証人のランクは次の通りになります。

1:親族でしっかりした仕事と年収のある人
2:社会的な肩書はともかく、親族である人
3:他人で社会的地位と収入のある人

連帯保証人に出してもらう書類は、業者によって少し違いがあり、ここできっちりと何が必要かを提示するのは不適当なので割愛します。
署名捺印と続柄はもちろんで、印鑑証明も普通として、収入にかかわるもの…すなわち給与明細、源泉徴収書や納税証明、確定申告書までを取るとなると、かなりハードルが高くなって難しい事態になることがあります。保証人確約書も要ります。大企業勤めの方はなかなか感覚が分からないと思いますが、会社で出す証明書類に縁のない仕事は多いのです。自営業で普段仕事で手一杯で、確定申告をクリアするのがやっとだと、収入証明を出すのもすべて自分なので、計算や事務手続きの苦手な人にとってはかなりの重荷です。
電話したら保証人を断られる場合があるというのも、このへんの事情によるものでしょう。これらの条件が年々厳しくなってきているのは、事実です。

親を保証人に立てる場合は、もうリタイアしていて年金暮らしの時が微妙で、スンナリ通る場合と通らない場合があります。収入証明が必要かどうかの違いで、だいたい分かると思います。

他人が保証人に立つ場合には、親族の場合よりも、印鑑証明、源泉徴収票、住民登録票、保険証の写しだの、保証人確約書だの、いろんな書類が必要になります。
親兄弟、親族が居らずどうしても連帯保証人になってくれる人が居ない場合は、保障会社にそれなりの対価を支払って依頼する方法もあるようですが、残念ながら筆者はこの実態は知りません。

たとえたいした年収がなくとも(本当に無職と書いたらちょっと困ると思いますが)住宅の場合の保証人は、親族の方が強いのです。
これがもう少し年齢が上がったり、家賃の高い高級マンションになると、社会的なステータスが関係してくる場合がありますが、若い人の連帯保証人は、北海道と九州などに離れていても、血のつながった人の方が有利です。

これは何故か、と不動産屋さんに直接尋ねました。
そしたら、住居というのは、もし万一何かあった場合、・・・病気や事故で動けなくなるとか失踪するとか……金銭的な保証は誰であろうと保証人に立った以上、全く同じように取ることには変わりありません。しかし、残った荷物を捨てていいのか引き取るのか、警察の届けはどうするのか、親族でなければ決められないことが多いからだそうです。小さな子供でも残された場合は、他人ではその場をどうするか、とっさに決定することはできないでしょう。

ですから、保証人は偉い人でなくとも、お金持ちでなくとも構いませんから、親兄弟、叔父叔母、従兄弟、目下でも構いませんから、いれば親族に頼むに越したことはないでしょう。
もしどうしてもそれが出来なくて他人を保証人に立てる場合は、あらかじめ不動産屋に頼んで審査の緩い物件を紹介してもらうしかないでしょう。

「身内で保障人になれる人がいなくてこれこれこういう人に頼むが、それで契約できるところを探してくれ」と伝えてください。
それでフリーのアルバイターだったりしたら、業者によっては掌を返したように相手にしなくなるところもありますので、その時は潔く諦めて他の業者を探しましょう。
駅ビルの中で近代的なテナントを構えている大手のチェーンではなく、「街の不動産屋のオジサン、オバサン」を頼れば希望はあります。
同じ路線でも、一駅違えば不動産屋のカラーはかなり異なる場合があり、いかにもホワイトカラー然とした地域を避ければ大丈夫です。
それでも、あなた自身が誠実な態度で「私は肩書のない者で、たぶん信用されないと思いますが、本当はきちんとした人間ですから迷惑はかけません」という印象を与えることが大切です。

「こちらは契約の時に、どんな書類が必要ですか。私は収入は安定していますが、アルバイト(自営)なので、源泉徴収票や保険証など証明する資料が少ないのです。保証人はコレコレこうです」と最初に率直に言うことです。
そうすれば、「あんたなんかに貸せる物件はないね」という態度になるのか、「そういう条件では難しいですね。でもいちおう探してみましょうか」というか、「ああ、別に大丈夫だよ。家賃さえきちんと払って人に迷惑かけなければいいんだからね」という気楽なオッサン(オバサン)なのか分かります。


いかがでしょうか。ひょっとしたら最初に考えていたことと、問題の重要性の順番がまるっきり違っていた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
本当に、国民総背番号制も間近ではないかと思うくらい、何でも証明書、契約書の社会構造になってきました。筆者なぞは、こういう風潮をいちばんもろに被る立場なので、筆者のいうことを聞いておいて損はありません。
もうだいぶ前になりますが、十五年住んだアパートが手狭になったので、ファミリータイプのマンションに引越ししようとしたら、「母子家庭だから」という理由で断られました。
自分は小さな株式会社で勤続10年の取締役、息子は23才で誰が聞いても知っている大手のゲーム会社の正社員でした。
この時は、扱った不動産屋さんもあまりのことに驚いて、「息子さんが立派な社会人なんだから、母子家庭というのはおかしいじゃないか」と怒っていましたが、私自身は慣れっこなので「ああ、またか」という程度です。

以上、この項目はあまり関係のない方は関係なかったかも知れませんが、不動産契約では途方に暮れる若い方があまりに多く、それは知識不足から来ることが多いので、先にある程度の覚悟をしておくことです。
何も極端に神経質になることはありませんし、長いものには巻かれなさいと言っているのではなく、一人暮らしの第一歩を踏み出すにあたって、避けて通れない社会構造は知っておくべきだと言っているのです。

あなた自身は、豊かな才能と感受性に溢れた、将来のある人間に違いないでしょう。
しかし、不動産の賃貸契約に関しては、肩書、証明できる収入、役所の書類に記載されたことがらだけが、関係してくる世界なのです。もう少し皮肉な言い方をすれば、人間的なことはどうでもいいから、安全で無難な人が歓迎され、あまりに個性的で変わったことをしそうな人は敬遠されます。才能に溢れたクリエイテイブな人より、公務員やテレビでコマーシャルをやっている企業のサラリーマンが安全なのです。これは仕方のないことでしょう。クレジットカードと同じことです。
不動産契約以外にも、社会のいろんなシーンで、信じられないようなことが数多くあります。

しかしもし、肩書きや証明書に頼れない立場なのでしたら、この章で書いたことを意識して、味方になってくれそうな不動産屋さんを見つけて下さい。駅が一つ違うだけでも、物件や不動産業者のスタイルはまるで違い、ホワイトカラーの証明書社会からガラッと変わって、ごく庶民的で親しみやすい地域になる場合が沢山あります。
当人がしっかり働いて社会的マナーを守る気さえあれば、人に与える印象、物件の希望の出し方、交渉のしかたなどを工夫することで、ちゃんと有利な賃貸契約をして、しっかりした部屋に住むことはできます。門前払いを食って嫌な思いをしたことのある方も、スタート地点に居る方も、ぜひ頑張ってください。

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