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色づかいの基本は


各部屋の解説では、それぞれの部屋の役割や性格を述べています。ただ、いくら理想を言っても、どの程度、自由に部屋の使い方を決められるかは、結局はスペースの問題であり、つまるところは金銭問題に帰結してしまうという面があります。

そこで今回は、限られた空間内でも、比較的に自分の考えで決めることのできる、インテリアや色彩の面に重点を置いて、考えてみましょう。


高貴な色?の背景は

この際、何の色が高貴だとか可愛いとかセクシーだとか言うのは、あまり考えないほうが良いでしょう。そういった部類の色の性格は、社会的な背景や歴史による部分が多く、染料の希少性や価格などの地域的な条件によって決まってきた面が強く、普遍的なことではないからです。

例えば、日本では紫が高貴な色とされてきましたが、それは染料となる紫草が高価で、染めるにも手間がかかったからです。
アジアでは黄色が高貴な色とされる地域が多かったようですが、この原因にも諸説あって一定しません。
ただ、世界的には、紫が位の高い色とされる地域が多いような気がします。
紫は、赤と青を混ぜて出来る、暖色と寒色の中間ですし、色抜けしやすいので、万全な状態で維持するのが難しい色です。
色というのは、可視光線の波長によっていろんな違った色に見えるので、合成染料で染めたとしても、同じ条件ではないのです。


暖色と寒色

色の普遍的な性格としては、暖色と寒色に大別されます。白と黒は無彩色で、彩度を持たないもののそれなりの性質はありますが、インテリアにおいてはまた別の役割をします。

まず暖色の代表である赤、オレンジ、ピンクなどの色は、エネルギーを増進させる働きがあります。ここから、情熱とか興奮とか注目などの性質が出てきます。

一方、寒色の代表的な存在である青、水色などには、暖色とは反対に鎮静作用があります。これが知性、冷静、誠実などの性質につながります。

色の性格を社会生活に応用したものに、信号機があります。
東洋と西洋では何でも反対になるものが多いのですが、この信号機の色ばっかりは世界共通のようです。
赤は最も彩度の高い色なので、無意識に人をハッとさせる作用があります。その為、「注意、注目、止まれ」と注意喚起させる場面で使われます。

反対に、青は頭を冷やして冷静になることを促すので、信号機では「安全を確認して進め」となります。
日本では信号機は実際は緑なのに、緑信号とは言わずに青信号と言いますね。実際、外国では青を使っている場所もあるので、このあたりは厳密には区別されていないようです。

青と緑は実際には性質が違いますが、緑は寒色の中でも比較的に温かみのある色です。ただ、緑にはいろんな色味があり、それぞれ性質が違います。深い深い森の緑から、ハッと目に飛び込んでくるライムグリーン、海と山の色が混じったターコイズグリーン、渋いモスグリーンまでさまざまです。

           


無彩色の白と黒は、基本的に他の色を引き立てる役割をするので、固有の性格というのは無いのですが、白だけ、黒だけに傾くのは、やはりそれなりの傾向はあります。
無彩色ばかりだと、シンプルで無駄のない感じがする反面、神経質な鋭い感じになってしまいがちのようです。

現在は映画は全てカラーの時代ですが、そんな中でわざわざ白黒で撮られる映画もあります。これはそういう手法なのですが、カラー映画よりも白黒映画のほうが、緊張感が強いような気がします。
個人的には、風水で生活に潤いを持たせたいという方は、白黒のモノトーンだけのインテリアは、避けたほうが無難ではないかと思います。

また色によるリラックス効果ということもしばしば言われますが、これは暖色が良いか寒色が良いか、一概には言えません。その人の体質や、季節や状況によるのではないでしょうか。
何かでイライラして怒っている時に、真っ赤な服を着て真っ赤なソファに座ったら、人と喧嘩になってしまうかもしれません。
反対に、虚弱体質の人が青一色で服装やインテリアをまとめたら、ますます沈んだ気持ちになってしまうでしょう。

健康面では多くの病気は冷えから来ることが多いので、あんまりインテリアを青系統でまとめるのは考え物です。しかし例えば、真夏の酷暑には青いインテリアをうまく利用すれば、少しは体温を下げられるかもしれません。

単純な話が、赤=火、青=水なので、それに準じて考えればいいわけですが、色というのはなかなか微妙です。そこで、同じ暖色とか寒色と言っても、赤や青の原色の持つ性質を基本に、自分の落ち着くインテリアの色使いを決めることになります。

インテリアで一番多く使用されるのは、茶やベージュ系統の色だと思います。これは大地や自然の中に一番多く見られる色でもあり、押えた感じの暖色なので、一番人間に馴染みやすい色だからです。
インテリアというのは、長い時間、大量に視野に入ってくるものです。そして全身をその色で包みます。あまり個性的な目立つ色を使うのは、かなりの冒険です。
よく自分の本命星にはどんな色があいますか、という質問がありますが、ここでは本命星は二の次で結構です。
一番、人間に馴染みやすい色合いを基調にして、自分の一番しっくりくる色を多目に使うと良いでしょう。もし、大胆な色をポイントに使うような場合は、馴染まなかったり飽きてきたら、簡単に交換できるようにしておいたほうが良いでしょう。

インテリアに使われる色合いは、各メーカーでだいたい決まっていて、ほとんどのメーカーで、あまり極端な原色は使われていないようです。
筆者は、WEBページを作成するのに、日本製のソフトと外国製のソフトを使い比べていますが、どうも日本製のソフトが好きになれなくて困っています。
もちろん、純粋な日本風の建築には日本製のソフトでないとサイズその他、うまくはまらないのですが、日本製のインテリアソフトで洋風建築パースを作ろうとすると、無理にシンプルモダンの方向に誘導されているようで、違和感が残ります。

この原稿を書いている2015年現在、2020年東京五輪の為の国立競技場の建築プランが白紙撤回になったり、ロゴの著作権問題で揉めたりしていますが、このあたりにも異文化融合(?)がうまくいっていない、付け焼刃的西洋化の弊害が出てきているのではないか、という気がします。
何せ、建築界の大御所のモットーが「施主の意見や住み心地を無視すること」と公言され、「闘う住宅」をコンセプトにしているのですから、現代的で斬新な住宅デザインと、安全安心住みやすい住宅とは対極に位置しているであろうことは、想像に難くありません。
何となく、建築デザインソフトを見ても、このあたりの違いが如実に現れているのではないか、という気がして仕方がありません。

例えば、服飾のファッションデザインの場合には、パリコレでマヌカンが身にまとった服(服に見立てた奇抜な意匠の布?)を、そのまま「これ下さい」と買い求めて街着にする人は、あんまり居ないと思います。
映画「フィフス・エレメンツ」でジャン・ポール・ゴルチエのデザインを見るのは楽しいですが、あれは日常着用すると、あんまり着心地は良くないと思います。せいぜい、「いとこのビニー」でマリサ・トメイが披露したファッションぐらいならいいと思いますが。

しかし、何故か建築業界では、パリコレをそのまま疑いもせずに、実用分野にそのままやってしまってるケースが少なくない気がします。美術館ならまだいいかも知れませんが、そんなアート建築という名の無駄な箱物は、そう沢山は要りません。
日用の便に供する建物は、使いやすい合理性と人に優しい構造を美しく感じるものであって、SF映画に出てくる未来宇宙船のようなデザインを望む人は少ないと思います。改築後の渋谷駅なんてのも、建築家の一方的な押し付けの為に、えらい被害を受けてるのではないかと思いますが…。建築家は他人の予算ですからいくらでも自己主張したがるのかもしれませんが、一番問題なのは権威を鵜呑みにして現実的でない絵を採用しまう業界の構造ではないでしょうか。

というわけで、そこまでひどくはないですが、少し筆者なりに無責任に遊んでみた建築パースを披露しますので、しばしお楽しみ下さい。申し上げておきますが、わざわざこういう風に作ったわけではなく、ほとんどデフォです。

中庭からの外観 玄関からリビング ダイニングキッチン 寝室A

リビングとキッチン ダイニングキッチン 暖炉のあるリビング 寝室B

上の段は、梁や建材の凹凸をそのまま使ったデザインです。敷地が非常に狭い都心の一戸建てなどにしばしば見られる設計で、どうしても多色づかいだとゴチャゴチャして見える為、色数はかなり少なくなっています。
下段は、余裕のある面積を生かして、自由に設計され、多色使いを恐れずに遊びがあります。どちらがいいということはありませんし、予算と立地と好みの問題ですが、皆さんはどちらがお好みでしょうか。図が小さいので、パッと見にはよく分からないかもしれませんが、床面積は上と下では1:3ぐらいの開きがあります。

これを見比べてすぐに、スペースと家族構成と生活ぶりが何となく察せられるようになってくれば、不動産業者の間取り図を見てすぐに、物件の持つ特徴を把握できるようになります。


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