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内装のポイント、カーペット選び・後

     
 ラグA  ラグB  ラグC

如何でしたか?よくあるデザインなので、お家で似たものをお使いの方があるかもしれません。

知り合いの作家は、ちょうどCのラグとよく似た色柄のものを、書斎に使っていました。
たぶん絹の段通織かなんかの、高級品でしょう。もの凄く手の混んだ作りで、高そうでした。

もちろん、どれが趣味がいいとか高級そうだとか、吉か凶かではないのですが、書斎にはどれが良いのでしょう。
ちなみに、この問題には、ひっかけはありません。純粋に、書斎にはどの色柄が良いのか?という話です。


Aはそんなに悪くはありません。ナチュラルな色柄で、飽きのこないオーソドックスな感じで、強い色彩が目に付き刺さるようなこともありません。やっぱりベージュ系統は、安心できるし飽きませんね。

Bはシンプルですが、グラデーションが綺麗で意外と凝っています。でも冬には寒々しいかな?ちゃんと暖房してれば大丈夫?

Cも素敵ですね。この柄の敷物は材質もいろいろだし、価格もピンキリです。暖かそうだし見とれてしまいそう。

うーん、やっぱり少しひっかけが入ってしまったか…(笑)


書斎に敷くラグ、カーペットとして、一番ダメなのはCです。
一番良いのはB。これといった柄のないグラデーション。

何故かというと、人間の視線と脳の関係です。
人間は、物の沢山ある部屋では、何となく時間がどんどん過ぎてしまいます。視線に沢山の情報が入ってくるので、細かい仕事に集中しづらくなり、大したこともしていないのに、いつの間にか時間が経ってしまいます。

逆に、何もない殺風景な部屋では、時間が長く感じます。
そのせいかどうか知りませんが、IT関連とかクリエイターの部屋って、モノトーンとか超シンプルな部屋で仕事している人が居ますね。ガラス張りとかステンレス素材が多いと、また別の問題があるのですが、あの超シンプルは、意識してかどうかは分からないものの、自分の仕事がしやすいようにしつらえたものでしょう。

一方、自分の周りに、あれもこれもとジャングルのように物を並べる人がいますね。
あれはあれで、自分の必要なもの、自分の内部の引き出しから、いろんなアイディアを引き出しやすいように、多くのモノと向き合って仕事をしているのでしょう。
IT系には前者のシンプル派が多く、作家には後のタイプが多い気がします。

   
 シンプルな仕事部屋 物の沢山ある仕事部屋 


勝手な決めつけかもしれませんが、うちなんかもそうです。
息子は前者でシンプル派、私は多重引き出し派で資料がけっこう多いです。
なぜ、親子でこうも違うのか…と思いますが、息子は勝手に私の本棚から資料を引き出して使うし、私のデジタルグッズもよく持って行くので、似たようなものか(笑)。

ただ、作家は紙の本を手放せない人が多いようですが、私は電子書籍派で、自分の蔵書もほとんどデジタル化してしまったので、最近は割とスッキリです。

そう言えば…Cのラグと似た絨毯を使っている例の作家は、仕事がはかどらない、遅筆で仕事が辛くて、だいぶ出版社に迷惑をかけて困っているそうです。

Aのベージュのラグも、色は大人しいのですが、やはり柄が細かすぎて視線が揺らぎます。
筆者なんか、パソコンをいじっていて細かいネジを落としでもしたら、まず見つからないなあ、などと考えてしまいます。

Bは別にグラデーションでなくてもいいし、ごく控え目な柄とか無地でも構いません。要するに、視線が無駄に揺らがなければいいので、それはせっかくのラグですから、深い色合いや素材の風合いなど、楽しみたいですよね。
Bにブルーを選んだのは、ブルー=知性に関係が深いからです。書斎であんまり興奮する色とか、やたらに食欲の湧く色柄なんて困ります。

ブルーでなくてグリーンでもいいと思いますが、お勧めはブルーグリーン、ティールグリーン、蒼翠(あおみどり)などです。
「あお」「みどり」にも文字がいろいろあるということは、色合いにも様々な表情があるというのでしょう。
とにかく、色は自分の飽きない、落ち着く色であればいいのですが、書斎には柄の複雑でない、単調なもののほうが仕事がはかどる、ということです。


健康面から見た、カーペット

さて、三つ目の要素である、健康面です。
健康面というと少し結論を急ぎすぎで、本当は「素材」の話なのです。
ラグやカーペットというのは、どうしても色柄が先に目についてしまい、素材は後から付けたし、という方が多いかもしれません。
しかし、敷物で一番重要なのは素材です。その次が色柄です。
最初に述べた方位の問題なんて、ごくごく、ちっぽけなことです。
特に日本では、屋内で靴を履かない生活なので、西欧諸国よりも素材の影響度が大きいのです。


なぜ、素材がそんなに重要なのか?

カーペットに多いのはポリプロピレン。これは一番摩擦に強いので、靴で踏む場所にはよく使用されています。しかしこれは、日本人の生活にはあいません。使える場所は玄関の土間部分ぐらいのものです。

よく冬などに、ドアノブを触っただけでパチッと火花が飛ぶ人があります。
当人が怖がっているのに、更に脅かすのは申し訳ないのですが、体に帯電しやすいと、病気になりやすい、という話があります。統計を取ったわけではないので、真偽のほどは分かりませんが、決して良い感じはありませんよね。
パソコンを組み替える時に、素手で触るとCPUを殺してしまいそうなほど帯電していて、よく手を洗わなければパソコンを触れない人があります。
水で洗うのが、放電する一番簡単な方法ですが、体に帯電しやすい人は、畑いじりをすると良いそうです。そう言えばアース(地球)ですから、畑いじりをすると、直接アースを引いてるのと同じことなわけです。

さて、なぜカーペットの材質と静電気に、関係があるのか?
急に科学的な話になりますが、次の表を見て下さい。

 


繊維や衣服・敷物に使われる素材を、重点的に取り上げましたが、この表の右側にいくほどマイナスに帯電しやすく、左にいくほどプラスに帯電しやすいのです。あくまでも順序の話なので、正確な帯電量ではありませんが、この素材の順番は、離れた組み合わせほど、静電気が発生しやすくなります。

そして、プラスとマイナスが近づくと、「バチッ!!!」と火花が飛ぶわけです。危ないですね〜。
万が一、ガス漏れでもしてたら、点火しなくても、帯電しやすい人が歩いただけで引火してしまいます。だって、歩くと服が擦れて、小さな静電気は発生していますから。
どこだったか、世界ではガス爆発で町ごとふっとんだ事故が何件もありましたし、日本でもけっこう事故が起きています。

もちろん、引火の要因だけ見てもしょうがないので、ガス漏れの元を絶たないと意味がないのですが、今のところは体に溜まる静電気の話です。



 

ここで、普段私たちが着る、衣服の素材を考えてみましょう。
よくある素材で、コットン70%+ポリエステル30%、けっこう離れています。
冬物に多い、羊毛とアクリルの混紡…かなり離れています。
ナイロンと羊毛の混紡、隣同士なので割に安全ですね。

下着に、あったかいアクリルのインナーと、滑りが良いように、とナイロンのスリップ着たら、脱ぐ時に、いや歩いているうちにバリバリ言います。

思い出しませんか?小学校の時に、でセルロイドの下敷きで頭をこすって、髪の毛をくっつけて遊んだの。あれを全身でやっているのと同じことなのです。
長靴を履いて冬支度をした坊や、もうバチバチです。下着に木綿を着ている前提なのがまだ救いですが、あまり考えていないと、嫌でもプラスとマイナスで帯電しやすい服装になってしまいますね。

ここで、愛犬や愛猫が、ポリプロピレンのカーペットの上に寝そべっている様を思い浮かべて下さい。バチッと言いませんか?
でも、実は人間も同じなのです。
夏はまだ湿度が高く、静電気は発生しづらいので、冬の素材を重点的に考えます。
こう見てくると、なるべく表左側の、人の皮膚からレーヨンまで、少し広げてもナイロンと羊毛まで、という素材でまとめたくなりませんか。それなら静電気は起きにくくなり、人やペットにも馴染みやすいです。

アクリルとポリエステルが、かなりの悪者になってしまいました。
この両者は非常によく使われる素材ですし、特にポリエステルは加工のしやすい素材なので、かなり高品質の、機能性繊維の素材にもなっています。
事実、防火服、プリマロフトなどの防寒服などにもよく使われており、着用していても静電気などは感じませんので、そんなに全面的に神経質になる必要はありません。一番注意しなければならないのは、起毛された素材です。摩擦が大きいほど、どんなに静電防止加工をしていても、静電気は発生しやすくなります。

体に静電気の溜まりやすい体質の人は、下着にアクリルやマイクロファイバーなどを使用しないように気をつけ、上着にはポリエステルの起毛素材など、擦れる素材を使わないように気をつけると、だいぶ違ってくるでしょう。
寒かったら、綿100%の起毛ガーゼも暖かいですし、絹の下着などがだいぶ入手しやすくなっていますので、この際チャレンジしてみるのも良いでしょう。

自分の服の素材が何だかよく分からない、という場合、静電気が起きやすいのはすぐわかると思いますが、ホコリがひとつの目安です。ホコリをよく吸い寄せる場合は、プラス電荷とマイナス電荷との、距離の離れた素材の混紡である可能性が高いです。
繊維関係の人は、素材が分からない場合は燃焼実験で調べます。
この繊維を燃やした時の話は、本当は動画でお見せすると愕然とするのですが、準備がないのでまた今度。

身近に使う繊維の中で、カーペットというのは、否応なしに日常的に接触しますから、直接ねそべることの多い場所には、ポリプロピレンのカーペットは、極力避けたほうが良いです。ヒートセット加工とか帯電防止加工してあるといっても、基本的な素材の性質はなかなか消えません。
店舗など、人が多く踏む場所なら、固いポリプロピレンは丈夫でいいかもしれません。

家庭で使うカーペットやラグには、レーヨン100%か、レーヨンと木綿の混紡がおススメです。
もちろん絹100%とか絹と木綿の混紡も良いですが、これらは高価なので、無理をする必要はありません。

レーヨンというのは化学繊維ではありますが、実は天然素材で、再生繊維です。紙と同じパルプなどのセルロースを溶かして、再生したものであり、ビスコースとも言います。
衣服の素材としては、シワになりやすい、引っ張りや擦れに弱い、洗うと縮むなど、デメリットのほうが多いので、正直、お勧めしません。
でもラグ、カーペットには最適の素材で、絹に似たスベスベの柔らかい肌触りが特徴です。

今回の話題は、まだまだ、燃焼実験などを収録したかったのですが、とりあえずラグ・カーペットの素材から、ひいては衣服全般の素材の話まで手を広げてしまいました。
風水と関係があるのかないのか、よく分かりませんが、何かにお役立ていただければ、と思います。


「2019年4月記」


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