観相術入門:目次

額について


今回は人相学のキモの一つでもある、額に関する話です。
額は目上を表す部分で、目上とは神仏の守護にもつながりますので、ある意味で運命を決定する部分でもあります。また、頭の良し悪しが分かる部分でもあり、いろんな面で非常に大切な部位です。
人間にはそれぞれ癖がありますので、長所も欠点もありますが、額の良し悪しでかなりの部分が決まってしまうと言っても、過言ではありません。
額は小手先のことではごまかしの利かない部分でもあり、変えるといってもせいぜい前髪で隠すぐらいしかできません。また、その時々の運勢が現れる部位でもあります。

一、額は貴人および目上の人との関係を司る。また運の吉凶を見ることができる。

一、額が狭くて肉づきの薄い者は、目上と意見が合わず運も悪く苦労が多い。ただし狭くても肉が厚い場合は相応の福運に恵まれる。一、額が広くて豊かな者は目上からの引き立てがあって運が強い。一、額が広くて肉が厚くても、凹凸があって角ばって見える者は、目上と合わない。

一、額に庇があったり凸凹している者は、目上と意見が合わない。武士は主人や上役と合わないため浪人となることがある。天の恵みもおのずと薄い。

一、額が四角に見える者は出世が遅い。生涯に一度大きな苦労に見舞われるであろう。学聞を身につけることがあるかもしれないが目上に逆うことがあり運はよくない。

一、額が狭いのは弟である。長男に生れた者の多くは額が広い。

一、額が狭くても官禄のところの肉づきがよい者は、弟であっても惣領の位について身内の上に立つことになる

一、額が広くても官禄のところの肉づきが薄い者は、長男であっても親の家を継ぐことなく、いずれ弟の位となる。何事も運悪く苦労の多い相である。

一、額の皮が厚い者は、貧相があっても必らず貧しいとは限らない。分相応の福運があり、運が強いのである。

一、額が出ている者は目上と意見が合わない。また家を乱し苦労が多い相である。



上の記述は全部重要ですが、一番分かりやすいのは、額の形、額が出ているか引っ込んでいるか、額が美しく見えるか汚く見えるか、この3点だと思います。
肉付きが豊かかどうかは分かりづらいですが、程よく肉が乗っていれば、ゴツゴツした感じではなく適度に張りがあって輝いて見えるので、何となくふっくらして、張りがあって美しいかどうかで判断できると思います。

額が出ているというのは、「秀でている」のとは違い、出っ張っているという風に解釈して下さい。性格でも、積極的で前向きなのと、出しゃばりで一言多くて余計なことばかりするのでは全然違うので、単に形状の話でないという区別はつくと思います。

ただ、美しく立派であれば良いかというとそうではなく、女性の場合は男性とは少し違います。立派過ぎる額は女性の三権面の一つなので、世間の幸福という価値観の範囲では凶相になってしまうようです。仕事で生きるとなるとまた違うかもしれませんが。

男性も女性も共通のこととして、額に傷があったりデコボコしていると、目上に対して素直でないので、縦社会で生きてゆくのは難しいようです。縦社会に属さずに一匹狼で生きてゆける能力があれば良いかもしれませんが、その能力も正当に評価されづらいので、苦労する傾向があるようです。


問「額が貴人および目上を司るというのは何故ですか。」
答「額はガグともいう。ガクは天帝の額である。故に貴人および目上を司るという。」

問「額の広い者は長男であるというのは何故でしょう。」
答「額は天に応じている。天は豊かであるのを常とする。長男として生れた者は、父母の血筋を最初に受け継いだものであり、父母の祖先に連るものである。それ故、貴践ともに長男の誕生を悦ぶこと大である。したがって長男として生れた者は、生れた時から父母の心を満足させているわけで、天がおのずから豊かになるであろう。額も当然広く豊かになるのである。」

問「額が四角の者は出世が遅いというのは何故でしょうか。」
答「額は天に応じている。天はまろやかで豊かであるのを常とする。額が角ばっているのは天の形に背いている。したがってこの者天を得ずという。天を得ることなければ運はめぐってこない。故に出世が遅いという。額は目上の人との関係をあらわす。広くてまろやかであるのを目上の官なるまた天を得たるともいう。額が円いのは天の形に応じ、角ばっているのは地の形に応じている。したがって額が四角いのは天に地の形があることになる。これは天地陰陽を面上に戴くという意味を持ち学才があるという。学聞をすれば出世が早まるであろう。」

一、額が狭くて肉づきの薄い者は、天がまろやかでないということで運が悪い。天の恵みを受けないのと同様こういう人は目上に恵まれない。
一、額が広くて肉づきも豊かな者は、天まろやかにして豊かなのと同様で運が自然にめぐってくる。天の恵みを得るようなものである。

問「額に庇のある武士は浪人となるというのは何故でしょうか。」
答「額に疵があるということは、目上の全体を傷つけているようなものである。放に武士は浪人になることがあるという。また額がゆがんでいるのは目上を司るところがまろやかでない、すなわち天が豊かでないのと同じで運がめぐってこない。したがって目上からの恵みもおのずと少ない。」

問「額が狭くても官禄の宮に肉がついている場合、弟でも惣領の位につくというのは何故ですか。」
答「我身が栄えた場合でもそれは自分の功績ではない。身体髪膚はすべて父母から受けたものであるからこれは父母のお蔭である。官禄の宮に肉がついているのは父母の官禄を身につけているようなもので、したがって弟でも惣領の位について親の官禄を保つという。」

問「額に筋が多い者は苦労が多いというのは何故でしょうか。」
答「額には三紋といって三本の筋がある。これは天の三星をあらわしているが、額に筋が多いということはこの三星が乱れているようなもので、苦労が多いという。なおこの三紋の上下を父母とし中の紋を自己とする。また上の紋を目上とし下の紋を目下とする。故にこの三紋が乱れて不揃いである時は、身内が揃っていないということである。」


額というものが重要なのはよく分かりましたが、長男と次男の話はなかなか面白いと思います。長子は両親の期待も大きく、特別な存在なのはよくある話ですが、差別と言えば差別…。
ただ、長子はいろんなものを受け継いで生まれてくるぶん、体が弱かったりいろんな苦労も背負う場合が多いようです。近年では長男長女のほうが、後で生まれた子供よりもアトピーの子が多いという統計が、全世界的な傾向として報告されています。

これは、始めての子供は手間をかけて清潔な環境で育てる為、過敏になってしまうということになっているようですが、因縁というか、人相にも違いが認められるというのは、なかなか興味深いことです。
一人っ子が多くなれば、当然ながらアトピーの子の割合も高くなるわけで、いろんな要因があるとは思いますが、ごきょうだいのある方は、いろいろ見比べてみてみると面白いでしょう。

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