観相術入門:目次


手の五行と五徳

親指=木・仁

Q:親指をさして「仁」とするのは何故でしょうか。
A:親指は、他の四指によく運んだり養ったりすることができる。その故に仁とする。
Q:親指を「東・木」とするのは、何故ですか。
A:太陽は東から登って万物を恵み養う。また木は自然に生え育ち、人間を助けることに専念する。従って、東木は仁に等しいのである。


人指=義・金

Q:人指を「義」とするのは何故ですか。
A:眼前にあって確実なものを指すのに、人指を用いる。その正しさが義に値する。
Q:人指を「西・金」とするのは何故ですか。
A:金は正しく純なるものであり、当然義に相当する。


中指ー礼・火

Q:中指を「礼」とするのは何故でしょうか?
A:中指は五指の中央に位置し、他の四指の交わりに対して、正しく己を後に侍して礼儀を心得ているからである。
Q:中指を「南・火」とするのは何故ですか。
A:南は君子の面する方位であり、火に等しい。その徳は日々に応じて広がるので、貴賤共に一日といえど礼を欠かさず、これに応えるのである。


無名指=智・水

Q:無名指を「智」とするのは何故ですか。
A:手で何かする時、また手中に物を把握する時、みな無名指が中心的な働きをする。当然、智の働きに等しいといえよう。
Q:無名指を「北・水」とするのは何故でしょうか。
A:北方の水は陰であって夜に対応する。また陰は静寂であってその中からよく物を生ずるから智に等しい。これまさに自然の妙であり、智が無から生ずるのも陰が智を司るからである。他のこともこの理に従って考えるとよい。


小指=信・土

Q:小指を「信」とするのは何故ですか。
A:俗に、誓いごとをする時小指を切るが、これは小指が信を示すからである。
Q:小指を「中央・土」とするのは何故ですか。
A:土は万物の母である。おのずから万物を恵み、誠心誠意を尽くすのも当然である。従って土を信とするのである。


信と仁

Q:親指と小指は、何故仁信となるのでしょうか。
A:親指と小指は五指の両端に位置して、陰と陽をあらわす。これは一家の父母に等しいのであって、父母の仁信に優るものはないことを考えるとよい。また人指、、中指、無名指の三指は父母の間にあって三陰三陽の子に相当する。それぞれ三段の順で長子、中子、末子である。従って、子は父母に対して礼儀を守り、また父母の為に智を働かすのであるが、これは子たるものの当然の道であろう。



人間の手のひらを小宇宙と考え、陰陽五行の理論からその働きを考察したものですね。手の指は五本、と普通は決まっているけれど、そこに陰陽五行が当てはまるのは初めて気づきました。
また、儒教まできちんとてのひらに該当するのには、感心するやらおのれの不勉強さに気づくやら…

これは、若い人には少し解説が必要かもしれません。最近はゲームにまでスピリチュアルな要素が出てくるので、たぶんご存知かもしれませんが、「仁義礼智信」(じん・ぎ・れい・ち・しん)は儒教の根本思想で、人間の最も大切な「五つの徳」のことです。
南総里見八犬伝」は少し日本風にアレンジして「仁義礼智忠信孝悌」(じん・ぎ・れい・ち・ちゅう・しん・こう・てい)になっています。

手相の勉強するにも、生命線がどうたら、結婚線がなんとやら…ばかりでなく、おテテを眺めて、「あら、少し中指が曲がってるので、礼儀が足らないのかしら…そう言えば私、ちょっとルーズだし…」とかオノレを振り返ってみるのも、立派な人相学の一環だということですね。

うーん、奥が深い…中指の話が出たついでに、一言アドバイス。
中指は、いわば手のひらの背骨です。背骨をおのれ自身、礼、君子の位とするならば、いわば中指は人生への取り組み方、その姿勢をあらわすものだとも言えます。
体の背骨、曲がってませんか?
背中の丸まってる人は、出世しません。男性ならば背筋の伸び方、姿勢は、イコール社会的地位です。女性ならば、背筋の伸び方で良家に嫁ぐことができるかどうかが、分かります。姿勢が悪いと、位の高い立派なハズバンドに縁が出来ませんよ。

今日は、手のひらが暗示する、その人の小宇宙、五常の徳のお話でした。

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