風水巷談:目次

バミューダ・トライアングルの謎


怪奇ミステリー好きにとって、定番中の定番が幾つかある。その一つが、この「魔の三角海域」と呼ばれるバミューダ・トライアングル
既に陳腐な感もある話題なのだが、筆者も昔から強い関心があり、いろいろと文献を漁っていた。しかし、何を見ても「船舶が跡形もなく忽然と消えた」「航空機が消息を絶った」という謎ばかりで、ほとんど答えらしい答えに出くわした験しがない。

ところが、しばらく前に、地磁気偏角のことを調べていて、フッと気になる話を耳にしたので、ずっと気にかけてソースを調べていたが、なかなか見つからなかった。
今回、地図ライブラリのバージョンアップに伴い、地図や海図とだいぶ長いことにらめっこしていて、またぞろ気になりだしたので、資料はないものかと調べていたら、ナショナルジオグラフィック・チャンネルで作ったものが見つかった。見てみたらなかなかうまくまとまっていたので、それを中心に、筆者なりのやりかたでまとめてみたい。

主なソースは「サイエンス・ワールド バミューダ・トライアングルの謎」(DVD)

ただし、この番組が作られた後かもしれないが、くだんの機体の残骸が発見されたとのことだ。きちんとしたソースではないので、筆者には何とも判断がつかないのだが、未放送のぶんもDVDシリーズで発売されているとのことなので、ひょっとしたらこのバミューダ・トライアングルのぶんも、そのせいで未放送という可能性もある。
風水学講座ではなく風水巷談のほうで紹介していることでもあり、興味深い事実を含めたファンタジー、として捉えてもらいたい。


魔の三角海域とは

バミューダ・トライアングル

バミューダ・トライアングルとは、アメリカ合衆国のフロリダ半島の先端と、プエルトリコ、バミューダ諸島を結ぶ三角形の海域だ。昔から、この地域を航行する航空機や船舶が謎の失踪を遂げ、どう捜索しても、影も形もない事件が続いたことで知られる。

これらの事件は、多くのフィクションにも取り上げられ、Xファイルでは、主人公がこの海域を航海中にタイムスリップして、事件に巻き込まれる話になっている。

ほとんどの事件が、悪天候や人為的ミスに由来するもので、甚だしい誇張が多く、謎が一人歩きしている傾向があるのも周知の事実だが、それでもなお、全てが解決しているわけではない。

バミューダの謎を一躍有名たらしめた、1945年のアメリカ海軍の雷撃機5機、乗員14名の失踪は、近年、潜水夫が海底で5機全部の残骸を発見したとのことで、事故であったことが証明された形。(Wiki以外のソース未確認)
ブラックホール説、宇宙人誘拐説などを期待していた向きにはガッカリだったかもしれない。しかし、この事件の謎を追う過程は、なかなか興味深いものだった。

1945年から60年後のある日、この軍用機失踪の謎を追うべく、撮影機同行で再現フライトの試みが始まる。

その前に、バミューダ海峡とはどういう場所かということを確認しておきたい。位置は図の通りなのだが、今回問題になっているバミューダ・トライアングルは、その広さ約17万平方キロメートル。変わりやすく、また非常に激しい気象で知られ、多くのハリケーンを産みだす場所でもある。
バミューダで発生するハリケーンは原爆1万個以上のパワーに及ぶと言われ、海が荒れた時には波の高さは15メートル、6階建てのビルと同じ高さ。
風速は80メートルで、日本の「猛烈な台風」の風速が50メートル余りなので、どれだけ荒い気象かが、漠然と数値を見ただけでも想像される。

嵐の起こる条件は、湿気と高気温だが、この海域はそれらの条件に恵まれた(?)せいで、局地的な天候の変化が激しい。わずか50Mの範囲だけ嵐になり、ほんの少し離れた場所では、全く天候が違ったりする。竜巻や雷雲もよく発生し、落雷も多い。


再現フライト

さて、再現フライトには、当時の機体と同じ飛行機を使用し、計器も全く同じという条件。1945年当時は、現在のようにGPSがないので、コンパスと目測のみによるフライトだ。
他の条件…天候や離陸時間なども、なるべく当時に忠実に近づける。
飛行記録と交信記録が残っているので、それと見合わせつつ、再現フライトを試みようという計画だ。

テイラー隊の航路

1945年当時の指揮官はテイラー。
一方、再現フライトのパイロットはテイラーと同世代のオブライエン。もう老齢の元軍人だ。当時の無線技師も参加し、記憶を呼び覚ましつつフライトを開始する。
ピッタリ、当時と同じ午後2:10分に離陸。天候は快晴。

テイラー隊のフライトは、もともと次の通りに予定されていた。
簡単に図示すると、番号の通りになる。1~2~3~4の順で飛行してから、1の基地に戻る。1~2の途中で爆撃演習を行う予定だった。5機に計14人の乗員だ。

まず、1の国際空港FORT LAUDERDALEから2のBIMINI ISLADへ向かう。約90キロ。それから東進して3のGREAT HARBOUR CAYまで108キロ。次に大きく左へ旋回して4のGRAND BAHAMA ISLANDまで117キロ。その後、また西へ旋回して、FORT LAUDERDALE基地へ帰還する予定だ。
このうち、3までは確実に何の問題もなく飛んだと考えられる。しかし、最後の一辺、FORT LAUDERDALEまでの飛行記録が、残っていない。4のGRAND BAHAMAの前後に何かが起こったのではないか、と考えられる。

1945年のフライトの時、異常を知らせたのは、指揮官のテイラーだった。
「計器が壊れた。帰路を見つけられない」と、慌てた様子が交信記録からも伺える。その時、管制室のレーダーからは機影が消えていた。これが3:50分ごろのこと。
実際には、機体は予定の場所よりも320キロ北東に居たのだ。

テイラーをはじめとする5機は位置を見失い、管制室との口論が始まる。西へ行くように指示する無線担当と、なぜか東へ向かおうとするテイラー隊。
その後、5機はついに燃料不足に陥ったまま、夕闇が迫る中を東へと飛び続け、そのまま消息を絶つ。最後の交信は、「残りの燃料はあと20分ぶんだ」と告げるものだった。

不思議なことに、再現フライトの機体も、同じ時間に同じような状況に陥った。事故機と同じような計器の異常が起こっていたのだ。何とか、管制の支持どおりに飛び続け無事帰還するが、オブライエンと撮影機は「ゾッとする体験だった」と語る。

消息を絶ったテイラー隊に関しては、夜明けを待って空と海から大掛かりな捜索が開始されるが、機体の破片も見つからなかった。

このテイラー隊の失踪が大きく注目を浴びたのは、終戦直後という時代背景もある。せっかく平和な時代が訪れたばかりで、若い兵士も家族との再開の喜びを分かちあえる、という矢先に、演習で謎の失踪を遂げたのでは、当人や家族の無念さははかり知ることができず、大きく世間の注目を浴びたのだ。

バミューダ・トライアングルでは、この後も多くの船舶や航空機が消息を絶ったが、現地に詳しい専門家はこう語る。

バミューダでは非常に天候の変化が激しく、おまけに海の照り返しが強い。こんな中で旧型の計器しかない状況では、空と海の区別がつかなくなることもよくある。もやの出ている日には、地平線もはっきりせず、そのまま海に突っ込んでしまってもおかしくない。

つまり、人為的ミスというわけだ。
しかし、再現フライトで明らかになったように、同じ時間帯に同じような計器の異常が起こり、それが事故につながった可能性を考えると、完全な人為的ミスとばかりは言い切れないのではないだろうか。
現在ではGPSが発達しているので、事故は少なくなっているが、それでも事故が後を絶たず、沿岸警備隊はかなり忙しいそうだ。このように特殊な自然条件を備えた地域では、いつどんなことが起こってもおかしくない。


もう一つの飛行体験

飛行中の異常に関しては、もう一つ興味深い話がある。
マイアミ在住の男性が、バハマからマイアミに向けて、グレート・バハマバンク上空を飛行中のことだ。彼はレンズ雲が出ているのに気づく。トンネル状になったレンズ雲の向こうに青空が見えた。そのままトンネルの中に入ると、まぶしい光が見える。
まるで、雲全体が帯電して光っているようだ。トンネル内は不思議な筋が何本も見え、それがゆっくりと回転している。
トンネルは長さ15キロほどで、トンネルから抜けるのに3分ほどかかった筈が、実際は20秒ほどだった。彼は電子雲だと思ったが、数秒すると雲は消失しており、気がつくと既にマイアミ上空だった。
通常は1時間以上かかる筈のところ、時計を見ると33分しか経っていなかった

物理学を無視した話なのだが、この電子のもやは、あるアマチュア科学者が、自分もこの電子のもやを見たと主張している。カナダのバンクーバーに住む、ジョン・ハチソン氏で、有名なところでは有名。
物体の空中浮遊に成功したということで、この空中浮遊はハチソン効果という名称で知られている。実験中にふとしたことから30キロの鉄球がフワッと浮き上がり、金属がグニャグニャに曲がるという現象を作り出したそうだ。

この発見は、実験の模様を撮影したビデオテープによって伝えられたが、まともな科学団体は全く相手にしなかった。このテープの真偽も、確認する方法はない。トリックかと様々な角度から検証されているが、どうしてもトリックが見破れない。かと言って、本物だという証拠もない。そもそも、この現象がたまたま起こったという要素が強いので、ハチソン氏自身も再現性が低く、まだまだ道は遠いようだ。

彼自身は14歳までしか学校に行かず、全てを独自の研究に捧げているそうで、ビデオでじっくりとお顔を拝見したが、なかなかカリスマ的な独特の雰囲気を持つ人物だった。特にその眼光の強さは、パイオニアだとしても詐欺師だとしても、かなりのものだと感じた。
こういう、学歴や肩書きと関係ない場所で独自の道を歩いている人物というのは、なかなか独特の魅力を備えているものだ。
自宅の実験室の凄さたるや、SF映画そこのけで、アパートのベランダから、まるで要塞のような大掛かりな機器類が突き出しているさまは、見ものだった。その後、自宅の実験設備を誰かに壊されるなど、少し残念な展開を辿っているようで、惜しい気もする。

更に…彼は強力な電磁波と電気の組み合わせで、「零点エネルギー」というものを作り出す研究をしているそうだ。もしこれが完成すれば、30センチの立方体で全世界が必要なエネルギーを100年分供給できるそうだ。

零点エネルギーというのは、現時点では物理学の理論でしかないそうだが、ハチソン氏はこの零点エネルギーがバミューダ・トライアングルに存在すると述べている。


地磁気説の信憑性と影響は

バミューダの謎に迫るもう一つの強力な説は、地磁気説
地磁気
偏角は、このサイトの読者ならよくご存知だと思うが、実は世界じゅうでほんの一部だけ、地磁気の北と地軸の北が完全に一致する…つまり偏角ゼロの土地が二箇所あり、その一つがこのバミューダなのだそうだ。

物理学的に正しいかどうかは分からないのだが、偏角ゼロということは、地磁気がそのまま強力に作用する、ということにはならないだろうか?
また、風水に関心があり、方位磁石を使ったことのある方なら、電車の沿線や高圧線の傍では、磁石が使い物にならないということはよくご存知のはず。
となると、バミューダの特殊な自然条件の元では、テイラー機のコンパスが使い物にならなくなり、フライトの方向を誤って、西のフロリダ半島へ向かわず、反対の東へ向かい、そのまま大西洋の藻屑となってしまったという仮説は納得がいく。

実は、バミューダは地磁気の変化が激しいことでもよく知られている。もともと、地磁気はかなり変化の激しいもので、日変化と永年変化があるが、バミューダでは特に変化が激しいことは、エルステッド衛星の観測結果からも明らかである。

計測値からすると、バミューダでは、この20年間に6%も地磁気エネルギーが減少したということだ。
偏角が人間に何かの影響を及ぼすかどうかは、ほとんど知られていない。しかし、風水学から見ると、地磁気の影響という観点から、バミューダの謎はなかなか興味深い話題ではないだろうか。

それに、少し気になるのだが、20年で6%の減少ということは、人体にとってもかなり大きな変化ではないだろうか。もし地球全体の磁力が6%も減少したら、人体にかかる負荷が減り、そのぶん骨が軟弱になると思うのだが。宇宙飛行士は長いこと無重力状態で居るため、例外なく骨が弱くなり骨折しやすくなる。地磁気の変化は、昨今の子供の体力のなさとも関係があるのではないか?と考えたくなる。

また、バミューダの謎は、日本とは無関係ではない。
偏角ゼロのもう一つの地域というのは、日本なのだ。それが太平洋の、いわゆるドラゴン・ドライアングルと言われる場所なのか、それとも、もともと日本海というのは事故の多い場所なので、何となくそういう話になってしまったのか、定かではない。

しかし、地磁気エネルギー電子のもや時空の歪み、重力の消失、零点エネルギー、マッドサイエンティスト(?)などなど…、追求すればするほど、なかなか楽しいではないですか。

地磁気についてもっと追求したい方は、「World Data Center for Geomagnetism」で検索すれば学会レベルの資料が沢山出てきます。当サイトは世間的にはあくまでもアウトサイダーであり、むしろハチソン氏のシンパになりたいタイプなので、リンクは遠慮しておきますが(笑)。

「2009年5月記」

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