風水学講座:目次

決定版・三合法秘伝



いろんな本や風水サイトで、「お金が貯まる三合金局」だの「愛情に恵まれる三合水局」だのが幅をきかしているようで、関心のある方も多いと思いますので、この三合法というものをご紹介します。
ただし、最初にクギを刺しておきますが、人間そんなに安易に運が開けたら、誰も苦労しません。それをいかにも簡単そうに、例えば「ここと、ここと、ここに○色のグッズを置けばお金が入る」とか、「こっちと、こっちと、こっちに旅行に行けば恋人ができる」と書いてあるのは、少々無責任な気がします。何も良いことがなければ、それで済むでしょうが、無闇に動くことで、かえって悪くなる場合も多いものです。
吉方が毎月のようにある訳ではありませんし、効果のある方法がそんなに簡単に出来るものではありません。
あまりに安易な説がこれ以上幅をきかしても困りますので、少し世間の誤解を解く意味もあります。他のサイトでも本でも、きちんとした資料を根拠にしているところは、それほど安易なことは書いてないようです。



三合法とは何か

まず、方位そのものの概念を復習しましょう。
次の定位盤を見てください。一番内側が東西南北、その外側は「乾・兌・離・震・巽・坎・坤・艮」の八つの宮です。
東西南北は各30度で、その間は60度づつです。これは一番外側にあるお馴染みの八方位と同じ区分ですね。
外側から二番目は、十二支別の方位になっています。これは全て30度づつですね。
東西南北はそのままとして、例えば「巽宮(そんきゅう)」の「巽」は「たつみ」とも読みます。「たつみ=辰巳」です。同様に「艮=うしとら=丑寅」「乾=いぬい=戌亥」「坤=ひつじさる=未申」です。ちょっと長くて当て字のようですが、実際そう読みます。
つまり、「たつみ」の方位は、「たつ」と「み」に分かれます。なぜ、こういう区分をしたかというと、正確には知りませんが、たぶん、東西南北(四正の方位)はその中間の方位よりも、働きが強いからではないかと思います。十二方位30度づつに分けて、どれもその作用の強さが同じというわけにはいかないのでしょう。

しかし、八方位の区分のもとに十二方位があり、少しづつその性質は違います。
その性質によって、お互い引き合ったり反発しあったり、食い合ったり助けあったりする組合せがあります。このうちプラスの働きをする組合せを利用するのが、三合法です。
本当は、三合だけでなく、支合といって二つの方位が引き合う組合せもあります。しかし三合が一番強いので、三合のうち二つ揃うだけでも、かなり力があります。
これは例えば、その人の本命星によって、ある要素、ある方位がどうしても吉方にならない場合にこの三合法を使えば、その要素が利用できることになります。例えば、本命五黄土星の人は「水性、及び一白水星」は相性が悪く、吉方として使うことができませんが、三合法のうち、「申子辰の三合水局」を吉方で使えば、水性の良い効果を受けられます。


三合法の二つの考え方と世間の誤解

三合法の使用のしかたには、二種類あります。
ひとつは旅行、移転などによって、自分がその方位に開運旅行、移転などをして動くことにより、その効果を出す方法です。
もう一つは、自分の住居、宅地の特定の方位を、三合法に基いて強める方法です。

巷間流行っているのは後の方法が多いようですが、ほとんど何か物を置くとか、ある色のインテリアを使うという方法のようです。これは一見簡単そうに見えるからでしょう。いちいち方位と時期を見て旅行に行ったり、ましてや引越をするというのは、大変そうに思えるのでしょう。

旅行や引越では費用がかかるので、部屋のどこそこにぬいぐるみや赤い花を置けば良い、という方を信じたくなる気持ちはわかりますが、安易な方法では運は開けない、と最初に申し上げたのはここです。
この方法で、じっさい効果を上げた経験を、何人の方がお持ちでしょうか。気休めだからそれでいい、という方は別に構わないのですが、風水というものの本当の効果を知らないまま、無駄な努力を続けても仕方がないでしょう。
そこで申し上げるのは、じつは現代の住宅事情では、宅地や建物を利用して三合法を行うのは、相当立派な住宅をお持ちで、それを簡単に改造するだけの資金力がないと難しいのです。これが実行できるようになるまで待つとすると、吉方に引越したほうがよっぽど早いでしょう。

例えば、関東近辺で多い50坪以下の建売住宅では、三合法に基いて張り出しを作るのは非常に難しいことです。
それは第一に、三合法を使う以前に、家相上の欠点がないことが絶対条件だからです。張り出しというのは、どこかが張り出しになれば別の個所が欠け込みになりやすいのです。それでも、注文住宅で敷地の条件が整えば可能でしょうが、建売とかある程度決まったオプションの中から選ぶのでは、かなり難しいでしょう。

また、宅地のどこかに池を作る場合は、千坪以上の敷地であることが条件です。それ以下の小さな敷地では、池はどこにあろうと凶相になります。
「池があっても良い」方位というのはありますが、「池があると、よりいっそう吉相である」という例はほとんどありません。よほど渓谷の清流を引けるという好条件ででもない限り、池は運命と健康にとって良い影響は及ぼしません。普通の家で作れる程度の池は単なる溜め水であって、溜め水はすぐに汚れます。

よく、池を作って錦鯉を泳がせたいという方がありますが、二つの意味で誤解があります。鯉は本来沼の魚ですので、きれいな水には棲みません。底の見えないような緑色の水でないと、錦鯉は育ちません。またこういう池を宅地内に作るということは、どの方位であっても、住む人にとっては健康と運命に多大な損失を招きます。


三合神棚の行末は

また、もっとマニアックな方もあります。本を読んで、三合法にもとづいて家の三方位に神棚を設けると効果があると書いてあったので、これを実行したい、という方があります。
この方に申し上げたいのは、あなたはそんなに欲張って神様をお招きして、失礼にならないだけの対処ができますか?ということです。ごく一般的な二階建て、三階建ての家にお住まいの方が、三箇所に神棚を設けてしまったら、人間の生活する場所がなくなってしまうでしょう。
朝晩全ての神棚に水、酒、供物を上げ、身を清めて祝詞言上しますか?子孫代々、永久に。
系列の違う神様を三方位にお迎えするには、それだけの知識も必要ですし、日常的に足を向けて生活してはいけないことになっています。
またこれは稲荷信仰の家に多いのですが、先祖が祭った社を子供が勝手に片付けてしまったため、子孫代々崇りを受けている例が数限りなくあります。飽きたら捨てる、というわけのものではありません。神様というのは、ただ神棚を作ってお札を置けば利益がある、というものではないのです。お迎えするからにはそれだけのことをしなければなりません。認識が甘いゾ。

苦言ばかり呈するようですが、じっさいこれを実行している方も大勢あります。古今東西、財をなした成功者というのは、マスコミに出るときは実業家のようななりをしていても、家に帰ると半僧半俗のような生活をしている方が多く、家の中には一番良い場所に仏間があったり、屋敷の中は神社かお寺のような方が多いのです。
家の中に神社やお寺があるというとひどく立派な家のようですが、神仏を先に立てるから自分自身も立つ、という認識の方が正しいでしょう。ただ私は、立派な形を作っているから信心深いとはいえないと思っていますが、この話題は別の機会に譲ります。

とにかく、自分が動く方法と家に張り出しを作る方法と二種類のうち、比較的住宅のスペースに余裕があれば、後の方法を試みられるのも良いでしょう。しかしこの場合は、家相の欠点を補うような三合法を取られることです。

余裕のない方は、旅行による三合法が良いでしょう。ただこれは、長期計画を立てることが必要です。三合法というのは、長期的に見て大きく効果を出すのに向いた方法ですので、10年計画ぐらいで、今年はこっち、再来年はそっち、8年後にあっちに引っ越してキマリ、というぐらいの積もりでいなければなりません。
風水暦や通信鑑定の三年間の運勢を見て、本当の吉方というのはなかなかないということは、いくらか分かっていただけたでしょうか。


三合法の種類

次の図は、それぞれ引き合う三方位の関係を記した図です。

三合金局(巳酉丑)……金運を呼ぶと言われる、代表的三合法です。丑の方位が入っていて鬼門をカバーしているので、家相の欠点を補う場合にもよく使われます。巳の方位というのは、世間的な広がりを意味し、取引、営業を盛んにする方位です。酉の方位は現金収入を意味します。丑の方位は物を貯める意味があります。営業力がついて現金が入ったところで丑の方位に蓄えるという寸法です。

三合火局(午寅戌)……名誉運とされています。午の方位はものごとが最も成熟した状態を表し、世間に認められる意味があります。寅の方位は鬼門の半分ですが、丑の象意は植物の芽が閉じ込めれた状態を表すのに対し、それを打ち破って猛烈な勢いで芽が外に伸び出る状態を表します。そのため、鬼門の方位は一陽来復、一進一退、下克上というような、微妙な意味あいを持っています。戌の方位は果実を取り入れて貯蔵する時期を表します。すぐ隣の酉の方位が秋の果実を取り入れて味わい楽しむ団欒の時であるのに対し、戌の方位は次のチャンスに備えます。戌でチャンスを殻の中に蓄え、寅で打ち破って外に現れ、午で結果が現れることになります。

三合水局(申子辰)……これも有名な三合法です。水というのは人間にとって、なくてはならないものですが、水の性質というのは、学識、愛情、金銭の流れなど、非常に大切な意味を含んでいます。この三方位の中でも、子の方位はものごとの始まりです。子で蒔かれた種が辰でぐんぐん成長し、申で取り入れの時となります。

三合木局(卯亥未)……発展運の出る三合です。亥は植物の種が地中で来るべき春を待つ姿です。卯はそれがやっと芽を出し、双葉が出来て植物らしい姿になります。それが未の時となって生育が止まり、実を結ぶための準備を始める状態となります。この三合木局は、これらの段階、プロセスが主となっていますので、金銭、人物などの具体的な象意は持っていませんが、ものごとの停滞を打ち破るのには効果があります。鬼門も停滞を破るのに効果がありますが、どう転ぶか分からない危険性も秘めていますので、発展性を求める時にはこの三合が良いでしょう。

三合の考え方は、人間関係にもあてはまります。部下を雇ったり、チームを組んで何かする場合に、三合法に基いて組合せを作ると、長期的に見て良い結果が期待できます。空亡や破の関係になると、どうもしっくりせず、計画倒れになったり、竜頭蛇尾になりがちです。どうしても空亡の人と組む時に、もう一人入れて三合になるようにすると、悪影響が少なくなります。

次の章では、三合法の実際例を述べます。

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