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地球儀を使った方位判断
(方位判断の範囲)


揺籃型地球儀は方位地図!

今回は、方位の見方で地図以外の方法をご紹介します。地球儀を使う方法です。
地球儀にもいろいろあり、一番多く見かける卓上型では、今回の目的に添いません。地球儀と言っても気易いものではなく、世界最大の地球儀メーカーであるリプルーグル社のディブロマット型などは直径81p、高さ121p、重量68kgもあり、お値段のほうもそれなりで、ホワイトハウスの執務室に必ず置かれているという逸品です。

地球儀で方位を見る
リオデジャネイロ付近を中心にしてみる

筆者も地球儀が大好きで、地球儀内部に照明のついているものなどは、インテリアとしても雰囲気がいいので、たまたま安く買える機会に入手してみました。

今回入手したのは卓上型ではなく、揺籃型といわれるものです。なかなか優美な架台の中に、大型の地球儀が収められています。デザインはクラシックですが、地図のほうは山岳隆起もついた、最新の世界地図。ジェームズ・ウィルソン型です。

このタイプ(揺籃型)の地球儀の特徴は、ぐるぐる回して自分の好きな場所を上にして見れることです。縦にも横にも回転させることができるので、南半球を上にして見ることもできます。

交わった場所のアップ

これをぐるぐる回して遊んでいるうちに、フッと気づきました。縦ワクは金属製で緯度が刻まれています。
…横ワクは天然木製ですが、タテを南北の軸、ヨコを東西の線として考えてみます。地球儀じたいはどっちにでもグルグル回せますが、縦ワクと横ワクはいつも直角に交わっていますので、東西南北に見立てることができます。

この、交わっているところに、自分が中心にして見たい場所、今回は東京を持ってきてみます。そうすると…この地球儀は方位地図になるではありませんか!

タテにもヨコにも、どうにでも回せるのですから、どんな場所でも中心にできます。
ソフトで面倒な思いをして地図を投影させなくとも、架台の中の地球儀を回転させるだけで、世界中どこでも中心にして、そのままで方位地図を見ることができます。

地球儀は立体感を出す為に「異種外射図法」という投影法で製作されているそうです。
普通、方位地図の多くはランベルト正積方位図法です。方位図法では周囲に行くほど面積が不自然に大きく引き伸ばされてしまうため、ランベルト正積方位図法がいちばん方位と面積のバランスが良い為です。

日本からハワイ
ロンドン付近を中心にして見る


この地球儀を使って方位を見る方法では、即座に地球の裏側がどこかも分かりますし、極や赤道を越えた場所のイメージも、非常に掴みやすくなります。また、地球の裏側の地域の面積や形状も、一枚の方位図に投影させた時のように大きく変わることがありません。
これはいいことに気づいた…と思いましたが、今回、これを機会に前からの課題を考えてみました。


方位と風水と地理

それは、どこまで風水学上の方位の判断をするか、という問題です。どういう方法で決めたのか、例えばブラジル〜日本間の方位を決めて吉だ凶だと言っている人がありますが、これはちょっと乱暴ではないでしょうか。

純粋な地理学上の方位は正確に出せますが、これは航空機や船舶運行の場合の話です。
気候風土を問題にしている風水学で、条件の違う場所に勝手に吉凶を決めることはできません。
例えば、日本から見た南米大陸の多くは、方位図法ではほとんどが北から北東になります。ほんの一部が東から南東に入る程度です。
気候が暑くても北の象意を持っているのだ、と考えれば考えることはできますが、証拠もないのに断言するのは、少し無理ではないでしょうか。

風水学では、北は子の方位で冬の象意です。これは、北半球では地理学上の北と子の方位の性質が一致するからです。これが、南半球では南に子の方位の性質があれば、南が子の方位となる筈です。(ただし、単純に南北が反対になるだけではなく、四季が違いますし、当然、個人の命式も違いますので、素人判断は危険ですが)

こういうことをいろいろ考えていると、筆者は風水学上の方位を決めることができるのは、地理学上の性質と一致する範囲に留めるべきだと思います。


方位判断の限界線は

そこで今回、方位の判断のできるのは、南北回帰線及び極まで、と決めることにしました。

南北回帰線とは、南北23.4度の緯度線に沿った部分です。北回帰線というのは、北半球において夏至の南中時の太陽が真上で輝く場所です。同様に南回帰線上は冬至の太陽が真上で輝く場所です。
また、この南北回帰線にはさまれた部分が熱帯地域で、砂漠のほとんどが日差しが強くて雨の少ない回帰線上に添って分布しています

方位の効果を出すには赤道まで、という意見は前からありますが、極を越えるとどうなるのかは、あまり述べられていないようです。
このサイトでは、風水学や気学で方位の判断をして良いのは、地球の半径=地球儀の正面から見える部分としていましたが、今回、いちおうの数値的な目安として、次のように決めたいと思います。地理学上の方位プラス気候上の特徴を基準にした方法です。


定義としては次の通りになります。


この方法で、方位の判断のできる地域を方位図法で設定してみました。
この方法では、アメリカ合衆国やヨーロッパの全域まではカバーされないことになりますが、同じ国家で大きく宗教性や気候風土、生活習慣の違わない地域であれば、この線を多少は延長されて差し支えないでしょう。

★赤丸で囲った部分が、この定義で方位の判断のできる範囲です。

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