風水学講座:目次

厄年の恐怖…!?



いくらハイテクだ、IT時代だ、と言っても、すべて計算どおり、予定どおりにいかないのが人間というもの。
その証拠に、IT推進の立役者みたいな顔をして、覚束無い手つきでマウスを握っていたかつての森首相からして、コンピュータとは無縁であろう「神の国」発言で顰蹙をかったりと、予定通りにいかないから、面白くて不思議なのが、人間というものです。

それじゃあ、コンピュータなら万事予定どおりで間違いないかというと、先端技術の粋を結集した筈の、サッカーWカップのネット販売だって、受付開始早々、何度もストップしては関係者を慌てさせている。

所詮は、コンピュータを扱うのはもともと人間なんだから、どっかバグがあって当たり前、と考えるしか、仕方がないのではないでしょうか。予定どおり買えなかったからと言って、責めてはいけません。ここは、サーバに厄除札を貼るのを忘れた責任者の認識が甘かった…ということにしておきましょう。

いろいろ、予定外の障害に見舞われると、「なんでか?オレ、今年は厄年なのかな……」なんて、原因を他に探したくなるのが、人間の弱さか、はたまた可愛さなのかは知りません。完璧な人はいないのですから、そんな時は「まあまあ、今日は厄日と思って焦るなよ」と、慰めてあげましょう。
ちなみに筆者は英語の褒め言葉「カンペキ!」は大嫌いです。だってそんなこと、あり得ませんから。君にとってカンペキでも、他の人にとってもカンペキか?そのカンペキさは未来永劫続くのか?という、相変わらずのひねくれた茶々入れるのは止めにして、ひとつ、厄年というものを考えてみましょう。


33、42の大厄とは

一般的には、厄年=中でも大厄というのは、女性が33歳、男性が42歳とされています。(すべて数え年です)
さらに、この前後の年も前厄、後厄などといって「マダ、アンシンシテハ、イカンゾウ〜」という、アリガタ迷惑なものがくっついています。

昔はこの厄に関する恐怖はもっともっと強烈で、親の厄年に生まれた子供は育ちが悪くて他にも迷惑を及ぼすというので、タライに入れて川に流して桃太郎になったり、竹ヤブに捨ててかぐや姫になったりと、いろんな話があるようです
興味のある方は文献を紐解いてみられれば、いろんな実態が明らかになるでしょうが、厄年には大きく分類して、二つの考え方ができます。

その一つは「語呂合わせ」から来るものです。
これは42が「しに」33が「さんざん」という、他愛のない語源をルーツとするものが一つ。
もう一つは、「厄=役」であり、昔、公的に一定の役割を果たす立場になると、災いが降りかかり易いとい、割とシビアな理由によるものです。これなどは、昔の日本社会の構造からして、誰かの不始末は村役が責任を負わねばならなかった歴史を考えると、単なる語呂合わせとばかりは言えない側面がありますね。

もう一つの考え方は、年運の波からして、厄年というものがあるのではないか?ということです。風水サイトとしては、重点的にこの部分に、ツッコミを入れてみましょう。

年運というのは、あくまでも個人個人で違いますので、一般論として吉凶を言うのはかなり乱暴なのですが、本命星の九星別に見ても、おおまかな傾向というものはあります。


本命星の位置と厄年の関係

もともと、本命星というのは、自分の生まれた年に、年盤で遁甲盤の真ん中に来ている星が本命星になるのでしたね。
ちょうど分かりやすいので、2001生まれを例に取ります。2001年は、八白土星が中宮しているので、2001年の1年間に生まれた人は、本命星は全員が八白土星です。(もちろん、立春から節分までが一年です)
2001年は1歳で、次にまた八白土星が中宮する2010年には、10歳となります。
次に本命が中宮するのは、19歳、28歳です。下の遁甲盤を見て下さい。

もし現在、28歳で中宮に位置するとなると、29歳では乾宮、30歳は兌宮、31歳艮宮、32歳離宮、33歳坎宮となります。女性の大厄33歳というのは、自分の本命星は坎宮(北)に位置しているのですね。

2001年=中宮 2001年=戌亥(乾宮) 2003年=酉(兌宮)
2004年=丑寅(艮宮) 2005年=午(離宮) 2006=子(坎宮)


次に男性の大厄42歳を見てみましょう。
同じように、2001年生まれの人を例に取ると、本命星が中宮するのは、28歳、37歳です。
上の表で2001年に37歳とすると、38歳は乾宮、39歳兌宮、40歳艮宮、41歳離宮、42歳坎宮に入ります。

女性の大厄33歳、男性の大厄42歳はどちらも、自分の本命星が坎宮に入る時期なのですね。

坎宮というのは、どういう意味があるのでしょうか?坎宮というのは、定位盤の北です。北というのは水の性質に支配されています。水、北、坎というのは、陰陽五行学では「貧病争」の意味あいがあり、位置としては最も引っ込んだ場所で、暗く光の当たらない場所です。
易で未来余地をする時には、上の卦も下の卦も「水」が出ますと、「坎為水」(かんいすい)と言い、凶の二つ重ねで目的は叶わず、相手には冷淡にされ、無理すればのっぴきならない羽目に陥って、どうしようもない艱難辛苦が訪れる卦とされます。

一方、水というのは人間にとっては不可欠のものです。水というのは定形のないもので、常に流れることを身上とします。その為、坎の卦のうちでも、形のないもの→知・心・志・思想などには坎は善しとされています。
これから推測するに、坎宮に回る時期というのは、現実的な艱難辛苦の中で自らの志を固め、誠意を失わず、知識を蓄え思想を練るという、形はないが将来に備えることが要求される時期といってもよいでしょう。
その証拠に、「」には現在は苦労があるがゆっくりと末広がりに良くなる、という意味があります。

こんな時期に、積極的な行動、派手なこと、目立つことを始めると、思いどおりにいかないのは仕方のないことでしょう。人生○十年の中で、ずっと思いどおりに事が進んで願いが叶う、良いことばかりはないのですから、ある意味では、運勢の低調な時期にどう過ごすかで、差がついてくるのではないでしょうか。

厄年の身の処し方

自分の本命星が坎宮に回っている時期は、ちょうど一般的にいう「厄年」に当たるのです。自分の本命星が何であっても、暗黒、坎、水、一白の性質に支配されているのです。

それではどうすればよいのか。答えは流れに逆らわないことです。「水は低きに流れる」という性質の通り、流れに逆らわず「低きにつく」気持ちでいれば、水をはねかしたり、沈んで溺れることもありません。
重たい嵩張るものは身につけないに越したことはないでしょう。身軽にして、黙って流れに身を任せる気持ちでいれば、その凶暗示も小さくなります。流れに逆らわず、しかしその段階でできることをコツコツとしつつ、来るべき春の息吹に備える…これが賢い人のすることですね。

そういうことが楽に出来るか出来ないか、その辺りで、本命星との相性の善し悪しはあるかもしれません。女性、男性とも、近く大厄が回って来る人は、この事を覚えておかれれば、思うように行かないからといって、ジタバタして無駄な労力を費やして失敗することも少なくなるでしょう。
前厄、後厄などは、学年でも早生まれ、遅生まれ、満年齢、数え年齢などさまざまなずれが生じますし、運命学上は、さまざまな象意は少し時間をおいて出る場合も多いので、注意するに越したことはないでしょう。
ですがあくまでも、運命学上の厄年というのは、自分の本命星が坎宮に位置する時期ですので、覚えておいて下さい。

人間が生まれてから最初に坎宮に回る時期は、数えで6歳です。この時期は、まだ親の庇護下にありますので、当人の運勢がどうのこうのという段階ではありません。気学でも、7歳以下は本命星ではなく月命星で見ます。まだ自分自身が出来上がっていないので、本命星の影響は出てこないのです。従って、本命星による厄年もありません。
ただ、

次の15歳はというと、これはおおむね中学2年生です。子供を育てた経験のある方はご承知かと思いますが、中学2年生というのは微妙な時期で、一番子供が問題を起こし易い時期です。
思春期にさしかかり、進学や家庭の問題で、一番揺れ動く時期です。中学でも高校でも、子供が一番非行に走りやすいピークは、2年生の夏休みのようですが、これは運命学の原則からいっても理由のあることです。
学校や家庭環境からいうと、時期的には夏休みが多いかと思いますが、筆者はむしろ、15歳の空亡の月が一番要注意と思います。
空亡というのは、「反転の星」ですので、凶という意味ではないのですが、これまで安定していた人はプッツンが多くなる時期です。プッツンと反転によって、これまで最低だった運勢が起死回生、一挙挽回する人も稀にはありますが、そう数は多くはないと思います。

中学二年というと、皆さんの中にも、たぶん、心当たりのある方が大勢いらっしゃると思います。(うちも心当たりあります…)
ですが、全員が同じ影響を受ける訳ではなく、坎宮=一白水星と相性の悪い人は、より厄年の影響を受け易く、相性の良い人は比較的軽く済むことが多いでしょう。
筆者なども、相性の良いタイプなのか、坎宮に回った時期には、家に閉じこもって落ち着いて読書ばかりして、割りに無事に済んでいるような気がします。

厄年といっても、訳も分からずに心配したり、妙な神社仏閣でお祓いを受けたりするのでなく、よく意味を知った上で、慎重にしたいものですね。

(2001年頃記述)

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