風水学講座:目次

五行で考える歌声の質・その2


歌手の声質には特徴がある?

人の声質の中でも、一番気になるのが歌手だろう。アナウンサーなんかは少し方向性が違って「良い声だなあ」と聴き惚れてしまうというのは、ある意味で自己主張になってしまうので、原稿を正確に読む、という目的からは外れると思う。
声の個性で勝負するのはやはりシンガー。音楽を聴いていると、ずいぶんいろんな声があるものだと思う。

特徴のある「声」というと、私が真っ先に思い出すのはボブ・ディラン。と言っても悪いほうに思いだす稀有な例だ。
ボブ・ディランの曲は好きなのだが、何度聴いても、彼の歌を一曲通して聴く根気がない。余りの悪声耐え難く、いつも途中でCDのストップスイッチを押してしまう。

しかしボブ・ディランという逸材を発掘したのは、彼の声と正反対の澄みきった声が身上のジョーン・バエズで、これも面白いことだ。
末尾でまとめて分類して聴いてもらうことにするが、歌手の声に関する考え方は、前章の五行の分類とは少し違う気がする。

「火性の声」などは、焦げ付いたような声でパッと余韻なく消えてしまうような声だということだ。しかしそんな発声では到底歌手にはなれないので、どんな性質の声であっても、それなりにしっかりと声が出ることが大切で、悪声のように聞こえても、それはそのシンガーなりの味付けだと思う。
私が特にロックやブルースばっかり聴いているので思うのだが、あんまり澄み切った美しい声やソフトで静かなシルキータッチの声ではロックできないのではないか?叫ぶように突き抜ける声や、少しハスキーな枯れた雰囲気の声、時にはジャリジャリした荒削りな感じの声がかなり多いと思う。

今述べたボブ・ディランにしても、どうもわざと悪声を発しているらしい話がある。聞くところによると、昔は普通の声で歌っていたが、今ひとつパッとしなかった。そこで工夫だかなんだか知らないが、誰も出さないような奇妙な悪声で歌ったところ人気が出た、という話も伝わっているのだ。

ボブ・ディランは特別かもしれないが、どうもロック歌手はわざと悪声を採用していることが多いと思う。良い声なロック歌手も多いのだが、ミック・ジャガーなんかも、わざとあのゴツゴツした歌い方とザラザラした声にしている節がある。

映画の世界でも、ハートフルな暖かい感動作だけが良い映画ではなく、ホラー好き、スプラッタ好きもいれば、ハラハラさせっぱなしのサスペンス、バッドエンドの傑作もある。同じように、音楽の世界でも耳に心地よい綺麗な澄んだ音ばかりが肯定されるわけではないと思う。
上の五行の分類で言うと、金性や水性の心地よい声が、正統派の良い声。そこにわざとザラザラした火性混じりな音をぶつけていくことで、「不良っぽさ」とか「反体制」が売り物のロック音楽が成り立つのではないか、という仮説を考えてみた。もちろん、他の音楽ジャンルでもそういうことはあるかもしれないが、私が知らないので例を挙げられない。

ここで言う火性の声というのは、前記のようなパッと消えてしまうような響きのない声のことではなく、いわば音の中のスパイスであり、劇薬めいた役割の、ピリリと辛い胡椒のようなものではないかと思う。

自分で発声練習をしてみると、けっこう分かることがある。どうも体調が思わしくなく、声がジャリジャリして全然澄んだ声が出ない時、どうしてもアナウンスの役割などを仰せつかってしまい、無理して発声練習をする時がある。
最初はなかなかうまく声が出ないが、時間が経つと、そのジャリジャリがこなれてくる。
大き目の粗いジャリジャリから、声がこなれてくると、細かく挽いたようなシャリシャリに変わってくる。そうなると、澄んだ声が出ている時よりも、味わいのある良い声になる。あくまでも好みかもしれないが、録音して自分で聴いてみるとよく分かる。


声の五行を活用する

歌声じたいは後でたっぷり聴いてもらうとして、今回の目的は、音声を五行に分類して考えてみて、それを生活の中に生かしていくことだ。
つまり、その人の体質や弱い部分によって、「良い音」というのは違ってくるのではないか、という前提で、それを探ってみようという試みだ。音の好みは千差万別で、甲高い音が好きな人も居れば、腹の底に響く低音の好きな人も居る。それを少し系統立てて考えてみようというわけだ。

いわゆるヒーリング音楽というものが存在するが、何も静かな心地よい音だけがヒーリング音楽というわけでもないだろうし、人によって、またその時その時によっても違うだろう。
筆者はテレビのつけっぱなしが苦手で、その為、目覚ましにはテレビのスイッチオンが確実なのだが、イライラして起きてしまうのであまりやらない。しかしハードなロック音楽でも、なぜかこれを聴いていると決まって眠ってしまう、という曲もある。
たぶん、テレビはいろんな人の声が混じって不協和音に聞こえる時があるが、ロックはどんなにハードでも、調和の取れた音楽であるせいではないか、なんて思う。

私自身はもともとは水性から金性の声なのだが、好きな歌手に土声、火性、木性の声が多いので、歌いやすい曲と歌いたい曲が全く違ってしまい、歌うのが億劫であまり歌わない。ジョーン・バエズの真似はしやすいのに、好きなのがジョニー・キャッシュやジャニス・ジョップリンなのでは、話にならない。近年は声がだいぶハスキーになってきたので、かえって喜んでいるところだ。

音というのは「波動」だ。波動を体の中に入れるので、けっこう浸透力がある。どんな波動を入れるのか、ナミナミなのかトゲトゲなのかドスン!なのかで違ってくる。
パソコンでオーディオ編集ソフトを扱ったことのある方は、音がいかに厄介なものか、ご承知のことと思う。一度でも録音した音から雑音を取り除こうとしてみた経験があると、よく分かると思う。
画像よりも音の波型を扱うのは、かなりテクが必要で大変なのだ。その証拠に、画像編集ソフトはフリーで幾らでもあるが、音声の波型編集ソフトはめったに見かけない。

そんな厄介な「音」というものとうまく付き合っていく為に、音の性質と自分の体質を考え合わせてみるのも一興ではないだろうか。
あくまでも仮説だが、上記の声の五行を元に相生・相剋で考えてみると、それぞれの体質にあった声は以下の通りになる。

以上の分類は、そういう特徴を持った歌手の歌を聴くのがあっているし、自分でもそういう声の出し方を心がけると良い、ということだ。特に持病のある方は、音の波動が心身に強く影響を与えるので、間違った発声法をしないように、じゅうぶん注意したほうが良いだろう。

もしどうしても、この分類が自分に合わないと感じたら、それは自分の命式を読み間違えている可能性がある。自分の本命星や日干で見るのではなく、持病や既往症があったらそちらが優先になる。
本命と持病・既往症が一致していれば判断は簡単だが、そうでない場合は、とにかく質の良い音を生活に取り入れていくことが大切だろう。



歌手の声・五行分類

さて、少し乱暴かもしれないが、実際にどのくらい声質が違うか、その積りになって聴いてみていただきたい。改めて聴くと、なるほど…と思うことがあるかもしれない。
大変恐縮だが、例として取り上げるのは、筆者の得意なジャンルの音楽に限られる。すなわち、ロック、ブルース、カントリー&ウエスタン、R&B、ソウル、ポップ、少し足を伸ばしてもジャズとかラテン、フォークぐらいである。
日本の歌手だと、誰でも知ってる超有名歌手はさすがに知っている(と思う)が、ニューミュージック系、和製フォーク系、Jポップ系、演歌系などは、こういうジャンル別でよかったっけ?と思うぐらいに知らない。たぶん、声質も欧米人ほどは違わないのではないか、という気もするが、何せ知らないので判断しようがない。

なるべく当たり障りのなさそうな曲を選ぶが、誰でも知っている有名曲のほうが、いろんな人がカバーしているのを探しやすいので好都合だろう。
五行の分類で注意して欲しいのは、こちらで分類している五行は、他の歌手に比べてややその五行の傾向があるということで、純粋にその五行だけの要素で出来ているわけではないということだ。
音というのは、金性木性が土台になっている。火性だけでは音にはならない。土性だけだとくぐもってしまって聞こえない。水性自身も音はあまり伝わらないので、単独で音としては成り立たない。

例えば楽器を考えてもらうと分かるが、トランペット、トロンボーンなどの金管楽器は金属の振動で音を産み出している。音の元が金性なら、産み出した音に広がりを持たせるのは、木性(この場合は空気=風)である。
木管楽器は材質も全部木で出来ている。ギターなどの弦楽器は金属の弦を弾いて発した音を、木製の筺体で増幅している。ピアノなどの鍵盤楽器も、実は弦楽器と同じ構造である。土を乾燥させて作るオカリナなどは材料は土のようだが、土から水分を追い出して乾燥させ、土の中のセラミック要素(金性)を空気に伝えて(木性)音を出している。
打楽器も振動だけを使った楽器だし、楽器の基本は全て、金性と木性で成立していると言っても過言ではないだろう。水分は音の広がりを伝えるのに加減が必要で、木性楽器の保存に湿度の調整が不可欠なのはそのせいだ。
木性と金性が基本だから、家相を見る場合にも、兌宮や震宮が楽器を置くのに適した位置だとされるのも道理である。
人間の咽喉と口蓋はもっと複雑なので、人間の体を一つの楽器として考えてみると面白い。

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以上、思いつくままに挙げてみたが、もし上のアドレスの動画が削除されていたら、アーティストとタイトル名で改めて検索してみて欲しい。
今回は自分の趣味に偏った記事で、合わない方には迷惑だったかもしれない。古い曲ばかりでスイマセンが、HIP HOPなどはあんまり声を響かせないので、声質の特徴を生かしきることが少ないように思う。
音楽を聴くのにこんな理屈は要らないかもしれないが、体質との相性という点で考えると、自分の好みにも理由があるような気がして面白い。


2009年11月記述

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