風水学講座:目次

異説・世界の風水戦争


いつも世界中のどこかで戦争が続き、あるいは旱魃の地域があり、また大洪水で押し流される場所がある。
それが人間世界では人間の宗教戦争によって起こり、天変地異の類いは神霊世界の宗教戦争であることは、あちこちで口を酸っぱくして述べてきた。
しかし、これを風水学的に見た場合はどうなるのだろうか?そこに傾向のようなものが見られるのだろうか?というのがこの章の命題である。

まず、ここは風水らしく、私たちの身近にある建築物に目を向けてみよう。
ご存じの通り、風水も九星も、「木火土金水」という五行から成り立っている。
この五行が陰陽に分かれて十干となり、季節の移り変わりを表す十二支と組合わさって、そのさまざまのバリエーションで、いろいろな判断ができる。これが、風水や九星や易をはじめとする陰陽五行学である。

風水(狭い意味の)に限って言えば、周りの山脈や地形、川の流れ、方向、気の溜まる場所とされる龍穴、風の流れ、天体と山の位置関係、その他さまざまの地形、条件から「風」と「水」の働きを見るのが風水の本来の意味である。
家の中でどこにどんな色のアクセサリーを置こうが、周囲の風にも水にも地形にもちっとも影響は及ぼさないので、あまり何にでも風水と名付けるのはいかがなものかと思うのだが、ここは好き好きだから放っておくことにしよう。

まあ、ベランダの窓を塞いだり高い塀を立てるぐらいのことをすれば、隣の家が風通しが悪くなったり、陽当たりが悪くなったりして、少しは違うかも知れない。
その結果、隣の家同士で大ゲンカになって殺人事件に発展し、社長が不慮の死を遂げたので経営する会社が倒産し、工場に勤務していた社員は職を失って一家離散になり、周囲にあった社宅は誰も棲まなくなり、全く手入れしなくなったのでシロアリに食われて崩壊し、その結果、辺り一帯の風の向きが変わり、川の流れも激しくなり、どんどん地形が変わっってしまう……と、あれ?影響ありましたね。

なんだか冗談のような、「風が吹けば桶屋が儲かる」式ではないけれど、似たようなことが世界各地で起こっている・・・?・・・かもしれない。


五行の形状

さて風水の五行である。木火土金水(もっかどごんすい)のおはなし。



形を知ってもらいたかっただけだから非常に簡単だが、以上のような感じか。
この五行の形に沿って、世界中の建築物を見てみると、代表的な建築物はどの五行にあてはまるだろうか。


国会議事堂

神社仏閣などはこのさい少し別問題としておいて、日本のクラシックな建物はわりあい丸っこい穏やかな感じのものが多い。東京駅の赤レンガビルは代表的なものだし、国会議事堂(左写真)も丸っこくて金性の建築である。

近代建築としてよく引き合いに出される新宿の東京都庁は、荒俣宏の意見ではまっすぐの形の木性が二つ連なったダブル木性の形。さる霊能者の意見では鬼の顔に見えるそうだ。
この建物は複合した形なので、誰が見ても判断が難しいらしく、どうもこれといった有力な見方はないが、筆者にはどちかというとギザギザに見える。荒俣説だと新宿はもともと淀橋浄水で持っていたのに、それを埋め立てて建設した都庁は、新宿のエネルギーを一緒に吸い上げ、都庁だけが栄えて新宿の街は衰退する可能性があるということだ。
ギザギザ説を取るとすると、気の流れはうねうねするので、水性になる。あまりいいことは言われない都庁舎だが、水性説だと、水の跡地に水性の建物を建てたわけだから、まあまあというところか。

東京都庁舎



筆者が紹介した横浜パシフィコは、半円……?
と思いたいが、どう見てもやっぱりトンガリにしか見えない。よって、火性に決定。
広大な海という水に向かって、文化と争いの象徴である火性の建築が突っ立っているのだから、水と火の対比で作用も激しいけれど、案外面白い展開になるかも知れない。いちがいに水火殺とばかり恐れる必要もないだろう。人間の造った建築物は、どうしても文化の象徴である火性のものが多くなる傾向があるようだ。
富士山のように空高く聳える山も火性である。うねうねと続く山脈は水性だが、その中でひときわツン!とそそり立つ山があれば、その部分だけが火性になる。

エジプトのピラミッドは全部火性である。平べったい土地のあちこちに、火がチョロチョロ燃えていることになる。ノートルダム寺院は、建物じたいは丸っこいが、高く聳え立つ塔を備えているので、やっぱり火性。エッフェル塔などは完全に火性。


このように見て行くと、全体の傾向として、自然に存在するものはウネウネと曲がった形が多いので水性が多く、文化的な遺産や近代建築やらは、火性のものが多くなってしまうようだ。東京ドームのような丸っこいものは金性で、金からは水を生じ、金は火に鍛えられるという関係上、金性には水と火の仲立ちをする役割もある。


洋の東西は・・・

これを今度は、東洋と西洋に分けてみよう。日本はご承知の通り、水の文化圏である。空からも海からも川からも、十分な水の恵みがある。「湯水のように」ふんだんに使い放題である。国民性も水の特質と同じように、柔軟で穏やかに、アルカイックスマイルを浮かべて、できるだけ争いを避けようとする。

一方、アラブ諸国は完全に火の支配地である。豊富な石油資源があるのは良いが、まるで燃料の上で暮らしているかの如く、一触即発、石油はあっても心の安らぎのない生活である。いや、これは一方的な断定かもしれない。よその国の人が心の安らぎがあるとかないとか言うべきではないのだろうが、少なくとも筆者がアラブ諸国へ行ったら、いっときも心の休まる暇がないだろうと思う。

その為か、イスラム教は厳しく酒を禁じている。そりゃそうでしょう。石油の上にアルコールを注いで火をつけたら……。呑ん平の筆者などはとっくに処刑されているでしょうね。火を生み出す燃料たる石油はふんだんにあるが、火を鎮める為の水は、石油よりも高価。争いが絶えないのも道理と思う。
いっそのこと、アメリカはアフガンに沢山爆弾を落として地形を変えてしまって、その結果山脈ができたら、気流が複雑になって雲が湧いて、しょっちゅう雨が降るようになって、その結果火の性質が弱まって、争いが少なくなるかも……やっぱりこの提案はちょっと無理かしらん。風水にはいいと思うんだけど。

半分冗談で半分本気の風桶風水はこのあたりにして、モスクじたいはいろんな形があるが全体にモスクは丸っこい建築が多い。丸型は金性だから火とはほどよく鍛えあって、いっそう増える傾向があるだろう。

欧米諸国はやはり火の性質が強いような気がする。ヨーロッパはいろんな国があるので「欧米」と一くくりにするのはいけないだろうけれど、水の多いスイスとかデンマーク、フィンランド、オランダなどは、あまり戦争は起こさないよね。

しかし、火の文明と水の文明、西洋と東洋の対比、はたまた血で血を洗う…でなく火に油を注ぐ戦争の行方、あなたはどう見ていますか?今回は何だか強引な結末だったようだけど、またしばらくしたら始まっちゃうんじゃないかなぁ・・・。
キリスト教の洗礼では聖水に浸しますよね。争いを起こしてばっかりいるクリスチャンもやっぱり何となく、油に浸しちゃいけないってことを、経験的に知ってたんでしょうか…。

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