風水学講座:目次

九星版親子関係白書

九星による相性とは

気学で人の根本的な相性は見ませんが、やはり大まかな傾向はあります。考えてみると、相性というのは漠然とした言葉で、相性が良いとか悪いというのが実際はどういうことなのか、かなり微妙な点があります。

一般的には「気があう」「好感が持てる」というぐらいの感じで「相性」という言葉を使うと思います。しかし、運命学的には、気があうというのはほんの一面で、気が合わなくて喧嘩ばかりしていても、良い相性の場合もあります。

例えば、大恋愛でお互いに唯一無二の最愛の人と思いあって結ばれても、病魔に侵されたり家庭の事情で離れ離れになることがあります。当人達が相性がいいと思っていても、運命的には相性の悪い例です。こういうのはよく、文学や映画の素材になります。
反対に、親子喧嘩ばかりしていて、意見があわないので子供はサッサと家を出て行ってしまい、早く独り立ちしてけっこうそれなりにやっていることは多いものです。そして結婚して子供が出来たりすると、かえって親の有難さが分かってきたりすることがあります。これは一見、人間的には相性が良くないように見えても、運命的には親子の相性が良い、という例です。

家庭環境や親の愛情というのは、子供にとっては人格の基礎を作る上で、とても大切なものですが、単に仲が良いのが相性が良いわけではありません。あまりに育った家が居心地が良いと、そこから出るのが億劫になってしまいます。
結婚しても、若い夫や妻は、両親ほどには世慣れておらず、無条件に可愛がってくれるわけではなく、結婚生活には何らかの義務が伴います。当然、親と暮らしていたほうが楽です。その為、余りに親子がベッタリで縁遠くなり、なかなか独り立ちできない、というケースは多いものです。
しかし何と言っても、親子関係というのは人間関係の基本なので、親子の間柄がうまくいかない人が、他人とうまく付き合ってゆくことは更に難しいでしょう。どんな親子であっても、たとえ水と油の親子でも、何とか折り合いをつけてうまく付き合ってゆくことが、幸福な結婚、幸福な家庭を築く第一歩です。

しかし、九星による相性というのは、どちらかというと物質的な側面が強いので、本当に相性が良いかどうかとは別物です。その証拠に、本命星がお互いに相剋しているカップルは多いものです。ただし、九星気学を「移動」という面で考えると、本命星が相生のほうが、共通の方位を使いやすいので、引っ越しや旅行がスムーズにいきやすい、ということも言えるでしょう。
言ってみれば所詮はそれだけのことなので、相性という面では、あまり九星は気にする必要はありません。

それでは九星で何が分かるかというと、物質世界の「ある種の傾向」です。その傾向には、良い面も悪い面もあります。吉方であろうとなかろうと、九星からは良い面と悪い面の両方の影響を受けます。それはやはり、人間に完全な人が居ないのと同様に、物事には必ず両面がある、ということです。
この章では、九星の性格を、親子関係という面に絞って分析してみました。そして、九星ごとにどのような長所があり、また欠点があるか、それを意識してみると、無益な衝突や争いを避ける一助となるかもしれません。


九紫火星 八白土星 七赤金星 六白金星 五黄土星
四緑木星 三碧木星 二黒土星 一白水星


九紫火星の父

愛情深く優しさを備えているが、支配欲も強く指導者的な素質を持っているという星周りなので、家庭にもこの性質が強く影響してきます。頭が良く知識も多いのですが、時としてそれが目から鼻に抜けるようなあざとさを感じさせる場合もあり、人間関係でも好き嫌いが出てきてしまいます。また、見栄っ張りで外見や体裁を人一倍気にするところがあるので、子供にとってはそれが余計なプレッシャーになってしまう面があります。結果として、外見ばかりで中身がないという評価ともなりかねません。自分に都合の良いメンバーの中だけでお山の大将になっている、ということのないよう、子供から見ても納得のいくように、常により高い知性を磨き、客観性と正義感を養うことが大切でしょう。


九紫火星の母

生来、センスが良くて知的な雰囲気を持っており、大勢の中でも目立つ華やかな立場を好むタイプです。正義感が強く、正直ではっきりとモノを言うので、自然と人望を集めていくでしょう。ただし、気位が高く、ちょっとしたことでライバル意識を燃やしがちなので、味方も多いかわりに敵も作りがちです。ホームパーティが好きで社交的な家庭を作るのは得意ですが、子供との相性によっては、そういう家庭のありかたが合わない場合もあります。何よりも、外見や体裁を気にせず、また自分本位のモノの考え方は白紙に戻して、子供に混じり気のない愛情を注ぐことを肝に銘じる必要があります。もし、異性にはモテても、同性から敬遠されてしまう傾向があるならば、子供との関係も考え直す必要があるでしょう。

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八白土星の父

質実剛健で几帳面なタイプですが、意外に冒険的な一面を持ち合わせています。この人がいったんこうと決めたら、どんなに反対しても、結局は自分の意思を通してしまうでしょう。家庭人としては包容力と誠意に富んでいますが、意外に感情の起伏が激しく、気難しい面があります。合理精神に貫かれているのも特徴で、それが裏目に出てしまい、いろいろと計算して迷っているうちにチャンスを逃がしてしまうという場面も少なくありません。身内意識が強いのも特徴で、一家で団結しなければならない時には非常に強い味方であり、かつリーダーにもなれますが、その度が過ぎると、時として自分本位に見える場合も出てきます。内柔外剛なので、根には弱さが潜んでいることを、子供の側からも理解してあげねばなりません。


八白土星の母

性格も明るくて適度に如才なく、芯は真面目で堅実なので、家庭人としては重宝がられるタイプです。しかし、自分自身はそれだけではなかなか満足できず、優れた美的センスや知的なものへの憧れを内に秘めています。感覚的にもデリケートで、あまり表面に出さないがらも感情の起伏が激しく、内面では激しく反抗している場合があります。その為、意外にストレスを溜めてしまうことが多いのに、あまりそのことを夫や家族にも話そうとしません。それが災いして健康を害する場合もあるので、性格の強情な面をそのままにせず、自分を表現するすべや融通のきくソフトな生き方も、学んでゆくと良いでしょう。子供も、この母親の一見温厚な態度に甘えてばかりいずに、お互いに気楽で自由な時間が持てるように努力すると良いでしょう。

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七赤金星の父

明るくフランクな雰囲気をかもし出せるタイプです。この星周りの特徴として、あまり人に左右されず、自分の好みと興味で動く傾向が強いのですが、その行動基準は、良くも悪くも家庭内にも持ち込まれてしまうでしょう。趣味があえば付き合っていて楽しい父親ですが、いったん関心がないとなると、義務感から付き合うことは少なく、お天気屋でもあるので、父親らしい行動は当てにできなくなります。そのかわりに、子供を決まった基準で束縛することも少なく、自分の自由人的な価値観で見るので、楽と言えば楽ですが、明確な父親らしさを求める子供にとっては、不満が絶えないかもしれません。意外と内面に苦労を抱えており、目標達成力が今一つ不足しているので、悩みを共にしてあげると、お互いに打ち解けることができるでしょう。


七赤金星の母

いろんな才能に恵まれ、どこに居ても強い存在感をかもし出すので、その長所も欠点も顕著に目立ち、知らずに周りに多大な影響を与えてしまう人です。幾つになっても好奇心の固まりで、じっとしていられないので、波乱に富んだ生涯を送る人も多く、平凡な主婦で終わることは少ないでしょう。能動的で、知らずに他にいろんな働きかけをして、自由に自分を表現していく人なので、束縛が強いと予想外に弱ってしまい、そのストレスが結果的には破壊的な行動につながってしまう場合があります。持って生まれた自由奔放さと豊かな感受性が、家庭内のトラブル解決に一役買う場面も見られますが、その強烈な個性についてゆけない子供の場合は、一線を引いて着かず離れずという付き合い方にしたほうが良いかもしれません。

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六白金星の父

もともと六白金星は父親という星周りなので、威厳があっていかにも父親然としたタイプが多くなります。正義感が強く、目下の面倒見の良い人で、愛想を振り撒くことはしない硬骨漢です。そのぶん、自然な愛情表現は得意ではなく、面白みに欠けるのは物足りないところかもしれません。その反動もあってか、自分がちゃんと愛されているという確証を得られないと、ひどくがっかりしてしまうという特徴があります。一番大切な事は、プライドを傷つけたり軽視してはならないということで、ここが分からずに雑な接し方をしてしまうと、ひどく感情的にもつれてしまう場合があります。テレ屋なので自分を正直にさらけ出すことは苦手ですが、責任感の強い人なので、常に気持ちを推し量って、丁寧に接していけば、必ず応えてくれるでしょう。


六白金星の母

バイタリティがあり、頭も良いですが、女性で居る事や母親の役回りに馴染むには、意外にスムーズにいかないケースがあります。男性と同じく非常にプライドが高く、表面でも内面でも、折れたり頭を下げることが苦手なので、子供の教育や躾に関しても、意外に難しい面があります。理想が高く完全主義で几帳面で、更にセンスも良くて人に厳しいので、ルーズな子にとっては怖い母親に映ってしまうかもしれません。たとえ母親のほうが間違っていても、それを認めるには人よりも遥かに努力が必要なことを、分かってあげねばなりません。目上や夫など、上下関係には忠実で、自分も持ち上げられるのに弱く、頼まれると嫌と言えないたちなので、そういう癖を飲み込めば、案外付き合いやすいでしょう。

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五黄土星の父

両極端に分かれ、非常に頑固でアクの強い押し出しの立派なタイプと、無口で控え目で地味なタイプに分かれます。しかしどちらにしても、自分の意志と存在をしっかりと守る人であることには変わりありません。もし困ったことがある時など、信頼して正直に打ち明ければ、意外なほど寛大になって、親身に受け止めてくれるでしょう。この場合、必ず父親の立場が上であることをはっきりさせ、プライドと情け深さをくすぐることがコツです。善悪両面にとてつもないパワーを持つ人ですが、欲がどの方向に向かうか、知的教養のレベルによって、それが大きく変わってくるのは、この星周りの人を見る上での、ポイントと言えるでしょう。


五黄土星の母

男性の五黄のようにとてつもないアクの強さを感じさせる人は少なく、几帳面で堅実な生き方をする人が多くなります。しかし、タフなパワーもあり、同情心も篤く、いざという時には人の世話を買って出ることも厭わない親分肌の心意気があるのは、男性と同じです。女性にしてはやや愛嬌に乏しく、内面のプライドの高さが捨てられないので、他人にその良さが分かるには、比較的長い時間がかかるでしょう。その反動もあって、子供に対しては強い愛情を注ぎ、しばしばその度が過ぎて、かえって子供としっくりいかない場合が出てきます。多少、堅苦しい感じはあっても信頼に足る母親ですが、喜怒哀楽も激しいので、何かあっても正面衝突を避けて付き合うという、要領の良さも必要でしょう。

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四緑木星の父

一見したところ、人当たりの良いソフトな雰囲気と愛想の良さで、育ちの良さと上品さを感じさせるタイプです。能力的にも一芸に打ち込む人が多く、家庭をまとめる手腕もなかなかのものでしょう。ただし、人当たりの良さが、裏返すと、肝心な時に優柔不断な迷いの多い態度に繋がったり、或いは見た目を飾って、派手な行動に駆り立てる場合があります。世渡りがうまく、周囲が何となく辻褄をあわせてくれる為に、本当の艱難辛苦を乗り越える力がつかない傾向があるのも、欠点といえるかもしれません。家庭内にあっても、ワンマンぶりを発揮するかと思うと、本当に肝心な時には目移りして迷いが多かったり、という場合があることも、知っておいたほうが良いでしょう。


四緑木星の母

細やかな気配りと明るさで、とても気持ちの良い雰囲気を作りだせるタイプです。それは人の気持を察するのが早い、という面から来ていますが、逆に本当の自分の感情や価値観を押し込めてしまう結果にもなり、それが外面は良いが内面は悪い、という性格を作り出し原因ともなってしまいます。根は意外なほど頑固で、表面的には譲っても、実際は変わらないことが多いものです。母性本能に富んでいて包容力はあるのですが、やや取り越し苦労が多く、いろんな情報に振り回される傾向があるのは否めません。こういう母親に対しては、子供はあまり理屈でやりこめたりせずに、気配りと愛情を暖かく素直に受け止めると良いでしょう。

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三碧木星の父

よくも悪くも、一本調子で猪突猛進型の、サッパリした気性の人が多いでしょう。活動的でやり手で、独立心も強いので、何をしても押しの一手で貫きますが、それだけに、家族に対しても正直で裏表のない態度を期待しがちで、躾も方針がはっきりしていて厳しいでしょう。こういう面を受け入れられれば良いのですが、同じように融通のきかない家族からは、口うるさい干渉過多の親と思われ、真正面から衝突してしまう結果にもなりかねません。また時として、他人の生活と自分の生活を比べて、羨む態度を見せてしまうのも、注意すべき点です。世間の灰色の面や人間の複雑さも受け止め、大きな視野と柔軟性を持って、家族に接していくことが大切でしょう。


三碧木星の母

活動的で、人の世話でも何でも、骨惜しみをせずに出かけていく、開けっぴろげな性格が長所です。子供にとっても、いつまでも若々しく、友達感覚で接することのできる気楽な母親ですが、子供に聞かせて良い話とセーブすべき限界に、やや歯止めがきかなくなりがちなのは、注意すべき点です。また、社交的でエネルギッシュな性格に、子供への期待と見栄が加わってしまうと、出世コースへと一目散に、夫や子供のお尻を叩いてしまうことにもなりかねません。また金銭感覚がはっきりし過ぎて、ドライな感じさえ受けてしまう場合があります。無邪気さと悪気のなさが取柄なので、三碧木星の母に対しては、あまり細かいことを言わずに、子供のほうが大きな気持ちになって見守ってあげる事も、必要かもしれません。

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二黒土星の父

誠実で努力家で、家庭人としても面倒見の良い親でしょう。派手に雷を落としたりすることは少なく、慎重にものごとを検討してから対処するほうです。比較的、身内意識が強く、情にも流されやすいので、そういう面をうまく突けば付き合いやすいでしょう。しかし、根が頑固で融通のきかない面があり、表立って正面衝突にはなりにくいぶん、いったん意見の食い違いがあると、それが火種となって、長くくすぶる可能性が高くなります。見た目よりも独立心が強く、人に弱味を見せまいとする傾向があり、それが努力家であることにもつながります。しかしそれは、子供にも自分と同じ努力を強要する結果にもなりかねません。大局的な視野に欠けるので、意見が合わない時にはあまり波風を立てないよう、お互いに思いやりをもって付き合うようにすると良いでしょう。


二黒土星の母

二黒土星の「抱擁、育む」という象意の通り、包容力があって真面目です。バイタリティに溢れ、とても頼もしい感じの母親でしょう。ただし、往々にしてそういう面が、子供に対しても努力の要求ラインが高く、怠けることを許さない、とても厳しく激しい親にさせてしまう場合があります。外で何かトラブルがあったりすると、原因を徹底的に追求して、なりふり構わずエキサイトして、とにかく事態を収拾するまで落ち着かない、ということが多くなるのも、このタイプです。また非常に人の好き嫌いがはっきりしていて、相手によって態度が極端に違ってしまう場合があります。専業主婦でいる事には満足できない人が多いので、外に出て活躍することを望んだ場合は、派手さや社交性も含め、自分なりに活動することを認めてあげなければなりません。

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一白水星の父

子供の頃から何かと家庭が複雑な人が多いので、よくも悪くも、それが自分の親子関係にも尾を引くことが多くなります。温かみのあるゆったりした感じの、母性本能に富んだ女性に弱いでしょう。子供を持っても、自分が甘えたいほうなので、親らしい会話があまり得意ではなく、その為、子供が何となく家庭に不満を持ってしまいがちです。情報処理能力が高く、自分なりの能力や個性も持っているので、いろんなことに鑑識眼があり、子供にルーズな面があると我慢ならない傾向があります。目先のことに囚われず、広く深い視野と洞察力を持つことが大切になります。


一白水星の母

骨身を惜しまない働き者で、あまり表面的に自分の我を張ることもないので、結婚は早いでしょう。典型的な良妻賢母型で、生活設計もしっかりしており、常に冷静沈着なので、安心して家庭を任せられるタイプです。夫や子供の操縦もうまく、経済観念もしっかりしており、社交的で近所づきあいも上手です。しかし、しっかりしている事が、逆に子供にとっては物足りなかったり、遊びが少なくて窮屈で面白味に欠ける、という傾向になってしまうかもしれません。あまりものにこだわらないサッパリした感じで、子供に対してもベタベタした感じではないので、それを生かして、友達のように一緒に遊ぶというような関係を築いてゆくと良いでしょう。

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こう見て見てくると、親の子供への接し方にも、各人の持って生まれた本質が、色濃く作用していることが分かると思います。となると、「みんなこうしてるのに」「あの時にああして欲しかったのに」というのも、当人にとっては切なる願いでも、相手にとってはさほど意味のない、自分の性格に従った結果だったのかもしれません。
性格というのは、ある意味で「業」のようなものなので、そこから逃げることは出来ません。そこには善悪もないし、どうしなければならない、ということはないのです。
何故うまくいかないのかを考えるにも、各人の性格とか特徴を考えて、そこに偏った狭い固定観念がないかを思い起こしてみるのも、一つの方法ではないでしょうか。本文を、人と親子関係を理解する一助にして頂ければ幸いです。


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