風水学講座:目次

十干、十二支を読む



東洋思想のルーツ・易経

運命学、易学に限らず、東洋思想は全て、二元論と陰陽五行を元として成り立っています。
ここでいう東洋思想とは、儒学から派生した朱子学を中心としています。陰陽五行とは、俗に言う「えと」のことですが、ここから導き出される法則は、単純なように見えても、社会と人間に対する深い洞察を導き出す思想的根幹となっており、いくら深読みしてもこれで良い、ということはあり得ません。その原典となるのが四書五経、中でも易経です。
まず、日常使うこの「えと」という言葉の意味を知り、東洋思想を深く理解するきっかけとしてみましょう。

「えと」という言葉は、俗に二つの使い方をしています。
一つは、十干と十二支を一緒にして「えと」と言います。
もう一つは、十干を陰陽二種に分類する場合の「えと」です。
「え」とは「兄」(姉)、「と」とは「妹」(弟)のことです。
「え」が陽で、「と」が陰です。「兄妹]で「えと」です。目上、男性原理が陽で、目下、女性原理を陰とみなす考え方が、根本にあります。

十二支はあくまでも十二支で、「えと=陰陽」に分類するには「蔵干」を見なければなりませんので、これはまた別のテーマです。十二支だけを「えと」というのは間違いです。


読み方はだいじょうぶ?

まずこの「えと」の意味を把握し、自由に使いこなすための基本として、字の読み方を確実に覚えて下さい。
急にガクンとレベルが落ちてバカバカしいようですが、筆者が「風水師になりたい」という数人の二十代にテストしてみたら、全滅でした。
風水の勉強をする前に、風水の標準語である「えと」がソラで言えなければ、お話になりませんので、ちょっとした読みちがい、言い違いをしないよう、確実に覚えて下さい。

十干からいきます。
「もく・か・ど・ごん・すい」「もっかどごんすい」と言ってみて下さい。次に、木・火・土・金・水という字を思い浮かべながら、もう一度言ってみてください。

次に、これをそれぞれ、「えと」に分類します。「兄妹 陰陽」に分ける訳です。


十干の相性関係

ただ覚えただけでは意味がありませんので、どれとどれが吉か凶か、相生・相克関係を覚えましょう。左の図で円型が相性の良い関係、星型が悪い関係です。どちらも、今覚えたとおりに、「もっかどごんすい」の順番です。
これは相生五行、相克五行と呼ばれる図ですが、実はこの配列は、この説がまとめられた時代によって異なります。いちおう、相生、相克が同じ配列のものが、一番覚え易いのでよく使われます。次に、十干それぞれには意味があります。
これは日柱(生まれた日の干支)にあてはめてみると、性格などは案外良く当たりますので役に立ちます。特に相生で、かつ陰陽の関係になっていますと相性が良く、運命的にプラスになるようです。
これは人間関係にもいえますし、その時期に発達するということでもあります。

十干の相性関係とその意味については、ここではごく簡単に紹介します。十干のもともとの意味を人間にあてはめるとなかなか面白いので、別項に譲ります。

甲……陽の木で、山の巨木、用材
乙……陰の木で、草花
丙……陽の火で、照り輝く太陽
丁……陰の火で、囲炉裏や焚き火の火
戊……陽の土で、山の土、堤防など乾燥した土
己……陰の土で、田園の湿った土
庚……陽の金で、鉱物、刀剣、斧、鋸など鋼鉄
辛……陰の金で、珠玉、宝石、砂金
壬……陽の水で、大河、海洋の水
癸……陰の水で、雨露の水

次に十二支を確実に覚えて下さい。
(ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い)

これは旧暦で言う毎月の十二支のことです。(『えと』と言わないようにして下さい)12月から始まります。
12月が子(ね)で、1月が丑です。
「空亡の不思議」コーナーでも記載しましたが、もう一回繰り返します。
12月…子、1月…丑、2月…寅、3月…卯、4月…辰、5月…巳、
6月…午、7月…未、8月…申、9月…酉、10月…戌、11月…亥

ここまで馬鹿馬鹿しいと思って読み飛ばした人、次の字を読んでみて下さい。ちゃんと読めたら、次へ進んで結構です。

第一問……未
第二問……戊戌
第三問……己巳
第四問……甲申

いかがですか。「なるほど、間違いやすい字だな」と思った人は、おおむね読めたことでしょうが、この字を間違えてしまっては決定的な判断ミスを招きます。
ちゃんと「1、ひつじ、2、つちのえいぬ、3、つちのとみ、4、きのえさる」と読めましたか?
急いでいて面倒でも、第一問を「み」と読んだら、もう後は何がなんだか分からなくなります。筆者の周りでは、午(うま)を「うし」と読んだタワケ者がいます。
縦棒が突き出ているのといないのでは、ツノがあるかないかの違いではなく、運命がまるっきり違うのです。

第三問については、たぶん学校で習ったことと思いますが、もう一度復習しましょう。
紛らわしい字が三種ありますね。

己……コ、キ、おのれ、つちのと
已……イ、すで
巳……し、み

確か、短歌で教わりました。「こきの声、おのれつちのと下につき、いすでは半ば、しみは皆つく」
「コ」の左側の部分がどこでストップするかを、こうして覚えたものです。蛇足ですが、覚えておくと知ったかぶりが出来ます。

十二支というのは覚えやすくするために動物に当てはめただけのもので、本来は動物とは縁もゆかりもありません。もともと象形文字のようなもので、十干も十二支も両方とも、季節によって成長したり地中にひそんだりする、植物の状態を表したものです。
十干の方がが主であり、十二支はつけたしです。
字源も「干」は「幹」から、「支」は「枝」からきています。文字どおりに判断の中心とするのは「干」です。

次に十干、十二支の字源を挙げます。

十干とその字源

十二支とその字源

六十干支というのは、この十干と十二支が順繰りに並んだ組み合わせです。単なる記号として覚えずに、こうして整理しておくと、表を見るにもぐっと楽になり、思わぬ間違いを犯すこともなくなります。
それに、今現在の干支が分からなくとも、何日か前の干支が分かれば、この順で順繰りにたどって割り出すことができますね。

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