次に、くだんの知り合いのお部屋を、私なりに勝手に配置換えシミュレートしてみました。写真で主な家具は把握していますが、本棚の大きさ、部屋の広さが正確に分からないので、机をこの配置にできるかは不明ですが、まず理想的と思われるプランA。
何はともあれ、仕事のしやすさを第一にして、机を中央に置いてみます。偶然なのかなんなのか、私の書斎と似た形の部屋なので、このプランが私に考えられる最良のものです。窓が東向きということなので顔が南向きになりますが、こういう場合はどちら向きという方位を気にするよりも、採光と部屋の構造が優先です。ドア側の壁に顔を向けても構わないのですが、そうなると本棚を置ける壁面積が少なくなるだろう、とその程度の理由です。
私が今の向きにしているのは、本棚スペースの問題もありますが、窓のすぐ斜め前に神社があるので、土地神様に背を向けない、という理由です。偶然、神社の傍に住んでいるわけではなく、自分で理由があって選んだ場所です。
ドアと窓の位置、クロゼットの位置も全く同じです。違いはほんの少々、私の部屋のほうが広そうなのと(違っても一畳程度?)、室内に柱が飛び出していること、窓が私の部屋は掃き出し窓なのに対し、こちらは腰高窓です。それと、こちらはフローリングで、私の部屋はカーペット敷きです。でもなかなか良さそうな条件ではないですか。
変更プラン1 | 変更プラン2 |
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問題その1:机を真ん中に置いた場合、こちらは片袖机で小さい為、座った時の体感がアンバランスで落ち着きません。私も前は片袖机でしたが、片袖机と両袖机の使い心地はけっこう違います。特に部屋の真ん中に置いた時はもろにきます。
なので、左側に適当なラック、チェストの類を置いて補います。机となるべく高さが近いものが良いでしょう。本が大量に散らばるタイプのようなので、どっちにせよ必要になると思います。
たぶん、この机は背面を見せることを想定して作ってはいないと思うので、少しみっともないかもしれませんが、それは大きな問題ではないので、無理やり真ん中に置きます。
問題その2:椅子はいちおう努力目標として、アームレストのあるタイプを置いてみます。真ん中に置くとなると、やはりアームレストがないと疲れます。机は形と大きさがあっていれば、高級感を求める必要はないと思いますが、椅子は慌てて安いものを買ってもしょうがありません。もろに仕事の効率に影響しますし、足腰の健康にも関わってきますので、よく検討しましょう。
たぶん、あんまり机に座って仕事してないのかもしれませんが、この机を使わないなら使わないで、座卓をもっと使いやすくすべきではないでしょうか。
後は、インテリアと物の整理という問題が残っていますが、物の整理は当人に任せて、インテリアを考え直します。
問題その3:カーテンは思い切って替えます。私の部屋と同じカーテンをつけていますが、グリーンが一番落ち着くのと、仕事の性質上、外の陽光は決して仕事のプラスにはならないので、あまり光を通さないカーテンに変えます。
図では、カーテンを床までの長いものにしています。これは考え方次第なのですが、カーテンを閉めた場合、腰高窓用のカーテンよりも、床まで長いほうが、部屋がスッキリと広く見えます。
なんだか変じゃないか?と思う場合は、窓の大きさに合わせても全然不都合ありませんが、私は窓に合わせる必要はないと考えます。どこからも文句は来ませんから、感じの良いほうにすれば良いと思います。
問題その4:今まで卓上ライトは使わず天井照明で仕事をしていたそうですが、これはちょっと予想外でした。照明は大切です。仕事の時は間接照明にして、照明を手元に集中します。部屋が暗いと目が悪くなる、というのは、私はあんまり信用していません。まして今はほとんどPCで書き物をするので、天井照明だと部屋がベタッと平面的になってしまい、陰翳が無くなります。私は縫い物や家事をする時以外は天井照明は使わず、幾つかの間接照明を組み合わせて使います。
カーテンを暗色にしたぶん、カーペットは少し明るい感じにしてみました。今まではグリーンのカーペットに白っぽいカーテンだったので、逆になります。だいぶ部屋の雰囲気も変わると思います。これがプラン1です。
もし本棚の大きさの関係で机を真ん中に置けない場合、或いはこの部屋を寝室兼用で使うなどの場合は、仕方がないのでプラン2として、壁際に机を置きます。
この場合、右に窓、左にドアが来て、背中も少し空くので、体の左側をガードするように、やはり先ほどのラックか小さなサイドボードのようなものを置きます。机の高さと同じか、ほんの少しだけ高いほうが良いでしょう。
高すぎると、片袖机のため、左に圧迫感が出てきます。左に本棚をピッタリつけるのも、圧迫感が出て感心しません。
どうでしょうか。偶然というか、筆者と似た感じの部屋で、この部屋はもともと、割りに使いやすい部屋なので、工夫すればもっと効率のよい仕事部屋になる筈です。
あと二つ、全く対照的な文筆業者の書斎を紹介します。
写真をご紹介すれば一番分かりやすいのですが、写真拝借は何かと問題があるので、ソフトで作成しました。
ある現代作家の仕事場 | ある教育者・哲学者の書斎 |
左は、「書斎」で検索するとすぐに出てくる、現代作家の書斎です。男のスタイリッシュな書斎作り、と名づけた特集などでよく目にする書斎なので、すぐに分かるでしょう。
これだけ有名な(?)書斎をこんな絵にしてしまうのは申し訳なかったのですが、何せ真っ白の家具とか壁紙、床材の選択肢がなかった為、すごく変な絵になってしまいました。でも甚だ僭越ながら、現物の写真を見てあまり綺麗だとは思わなかったので、そんなに惜しくは感じません。だいたいはこんなレイアウトです。
全て真っ白。ガラステーブル。家を新築する時に夢の書斎を実現しました、という感じで、白に統一する為に大金をはたいたそうです。アーロンチェアだけは買った時にこれしかなかったのか、真っ黒です。たぶんこのタイプを発売していた時期だとブルーがあった筈ですが、ちょっとこの黒は部屋に合わない感じ。
まあ当人の弁は筋は通っていて、書斎というのは夢の空間、趣味を凝縮した部屋というイメージだが、ここは仕事であり、遊びの部屋ではないので、ということです。書斎ではなくスタジオ、アトリエ、打ち合わせや取材にも使える仕事場、という感じにしたそうです。
確かにスタジオとかアトリエいうのがピッタリです。オフィスと言っていいかも。
ワンポイントの色使いの家具も原色のポップな感じで、私の感性ではあまりシゲシゲと見ているのは辛かったのですが、何となくこういう部屋もあるよ、という紹介に留まります。
人の感性はそれぞれなので、自分の仕事のしやすいようにするのが一番です。「透明感」というコンセプトの部屋だそうで、この方の書くものとこの部屋の好みはシンクロしているのかもしれません。
しかし、正直言ってこの部屋を見て思ったのは、白で統一した部屋に本を並べるのは、非常にゴチャゴチャして目障りだな、ということです。使いもしないエンサイクロぺディアや全集ものだけを並べるならいいかもしれませんが、日本語の本の背表紙というのは、色や文字面がてんでんバラバラで、白の家具とは全くあわないと思います。アルファベットの背表紙ばっかりなら、そうでもないかもしれませんが。
黒や濃い茶色の本棚は、本の背表紙のゴチャゴチャ感を吸収して落ち着いた感じになります。本棚に茶色が主流なのは、やはり理由のあることなのでしょう。
右は教育者、哲学者、文学者として、吉田内閣で文部大臣まで務められた方の書斎です。記念館にそのまま復元してありましたので、配置だけを真似てみました。
こんなチャチな絵を作ってしまって、余りに恐れ多いのでお名前は伏せますが、本物はもっともっと年季の入った感じで、一見雑然としていながらも、小物から本の一冊一冊に至るまで、愛着を持って長年使われた形跡が伺われます。
この部屋を見ていると、教養とは、センスとは何か?ということを、何となく考え直したくなります。
この書斎は、家具の統一感などは全くなく、十畳の和室に、ありあわせの家具を手の届くところに並べ、その上に本を積み上げてあるわけです。しかしなんだか、家具を統一して揃えるなどということが、妙に小賢しくてセコく思えてくるようです。庶民的と言えば庶民的ではありますが、庶民には遠く手の届かないものを内包した空間です。
家具の配置も、そう広くもない部屋の真ん中にこれだけのモノを並べているのに、基本は外していません。背中は壁ですし、目の前は押入れをぶちぬいた本棚です。使いやすい配置は共通なのですね。
少なくとも、左右の例とも背中がガラ空きでもなく、目の前に壁が迫ってはいない、と、その点は共通なようです。
あと、一般人の書斎(というより書斎コーナー)は、ほとんどが目の前が窓か壁か、背中がガラ空きか、或いはその両方か、のようです。文筆業者ではないのでそんなに不自由は感じないのかもしれませんが、長時間そこで仕事をするとなると、かなり問題でしょう。
しかしたまに、これ狭いけどなかなか良い配置だな、と思う例があるので、次回にご紹介してゆきます。
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