占いの各種の要素の中で、最も興味深いものの一つに、空亡があります。
一昔前に騒がれた天中殺も、この空亡のことですし、最近では大殺界とかいろいろ手を変え品を変えて、占いの世界を賑わせています。これらは皆、四柱推命(子平=しへい)の中で使われる、空亡(くうぼう)のことなのです。
あなたは自分の空亡をご存じですか?知らない方は、ぜひ後で調べて下さい。その前に、少しこの章を読んで基礎知識を身につけて下さい。
空亡とはいったい何なのでしょう?何故問題になるのでしょうか。
字を見ますと、「空しく亡ぶ」とあります。……その名のとおり、ある象意の働きを空しくします。数字でいえばゼロに当たります。これは良いことに関しても、悪いことに関してもそうです。決して悪いという意味ではありませんので、早合点しないようにして下さい。
空亡とは変化変動、反転の作用を持ちます。この、反転、変化、空しくするということが、人生で非常に不可思議な現象をもたらすのです。
天中殺ブームの時にはこれを唱えた占い師が徹底的に恐れ、脅す方向に出たのでセンセーショナルを巻き起こしました。現在でもあちこちで尾を引いていて、世間に大きな誤解があります。空亡(=天中殺)とは反転の星なのですから、良いことが空しくなるのは困りますが、悪いことを空しくする場合もあるということを知っておいて下さい。
それでは、どんな意味があるのでしょうか。
1、自分の命式(四柱推命などでその人の生年月日を元に割り出した、陰陽五行の配列のこと。年月日時と四柱ある)の中に、空亡のある人とない人では、その現れ方が少し違います。命式中に空亡を持つ人には、空亡は特に強く作用します。
■空亡は自分の命式の日柱から割り出します。年柱や月柱・時柱からは割り出しません。
2、空亡の時期には、何となく落ち着きがなくなり、職場、環境など替えたくなります。また、変化に敏感になるので、体調を壊しやすくなったり精神的にも不安定になりやすいものです。
人によっても影響は異なりますが、自分から思い切った行動に出た場合は、いちおう安定していた状況を変えてしまうので、それなりにリスクを伴います。
一方、それまで極端に運気の悪かった人が、突然職場を解雇されたりしたケースでは、これをきっかけに不思議に機運がめぐってくることがあります。
■この、<自分から動くか否か>が問題で、「今は運気が最低なので、空亡の時期に北東方位を使って運気をガラリと転換したい」と仰る方がしばしばありますが、これは考えものです。空亡というのは、ある意味で天の配置に属することなので、人間が自分の都合で計算して使用するものではありません。早まらないで下さい。
3、不思議なことに、空亡の相手とは非常に縁が出来やすく、自分でも妙に惹かれることが多いのです。
これは自分の命式中に空亡のある人ほど、その傾向が強くなります。世間の夫婦でも、何らかの形で空亡が作用している関係は非常に多いのです。空亡の関係にも何種類かあり、これは重要ですので、よく覚えてください。
片空亡(かたくうぼう)
普通、こう言う風に片空亡という言い方はせず、ただ空亡といえばこのことですが、このサイトでは、空亡関係を厳密に判断するため、この一方的な空亡の関係を、片空亡と呼ぶことにします。このタイプは、世間でもっとも多く見られる関係です。
例えば、あなたの空亡が「寅卯」だとすると、寅年、卯年、寅月(2月)、卯月(3月)は空亡の時期で、寅年、卯年生まれの人はあなたにとって空亡の相手です。
空亡の年月は現実的な事を起こすには相応しい時期ではなく、空亡の相手は、現実的な利害関係を結ぶには相応しい相手ではありません。空亡とは天と地の関係が、ある意味で変則的な配置になっているので、人間社会の現実的な利害と言う場面では、どうもスムーズに運ばない嫌いがあります。
しかし、現実的に直接の実りがなくとも、知識、精神的な支えという意味では、他の相手にはない大きな教えをもたらしてくれることが多いものです。その為に、世間では空亡の相手に取り囲まれて暮らしている人が非常に多く見受けられます。ただしそれはいわば形而上的なプラス面であって、形而下の場面ではどうも発展性が見られないことが多いものです。
学問や哲学などの、知識・精神面では良い相性ですが、一緒に組んで商売でも始めようか、という相手には相応しくありません。社内でも参謀役ならば良いでしょうが、お互いに手足となって働いたり、共同経営者にするには向きません。
相空亡(あいくうぼう)
自分の仲の良い人の空亡を調べてみましょう。この相空亡が非常に多い筈です。
相空亡とは、例えば自分の空亡が「寅卯空亡」であれば、その人も同じ「寅卯空亡」という、同じ空亡を持つ関係です。
こういう相手とは何となくウマがあう、話が弾む、一緒にいて違和感がない、という関係です。人間的には気が合い、とても良い相性です。しかし弱点としては、波長がよく似ている為、上昇する時には一緒に上昇するが、落ち込む時には一緒に落ち込みやすいという欠点があります。空亡期に体調を壊しやすいという点だけを見ても、同じ時期に一緒に風邪を引いて寝込んでしまう、という場面が見られるかもしれません。
いちおう吉の相性ですが、空亡だけではなく、他の要素も併せて見なければなりません。
互換空亡(ごかんくうぼう)
非常に、不思議で奇妙な星の巡り会わせです。
例えば、あなたの空亡が「寅卯」で、相手の空亡は「戌亥」だったとします。ところがあなたは戌年(または亥年)の生まれ、一方、相手は寅年(または卯年)の生まれというケースです。どちらも、自分にの空亡の年に相手が生まれている、お互いに相手が空亡の人だという関係です。この互換空亡は、研究者によってかなり意見が分かれ、大吉とする人と大凶とする人に分かれます。筆者自身のこれまでの経緯を考えても、ここは非常なキーポイントです。
何をもって吉とするか、何を持って凶とするか、という、運命学の根幹とも言える問題ですので、ここでは結論づけるのは止めておきますが、少なくとも、一般人の幸福と考える要素=お金があって健康で愛情に恵まれて・・・という生活の、埒外の問題であることは確実です。しかし筆者は、一般庶民の考える幸福の基準だけで世の中が成り立っているとすると、運命学など、非常につまらないものであると思います。これは大きな課題ですので、あえてここで結論づけるのは控えておきましょう。
この互換空亡はめったにない相性で、おおむね空亡が一つでなく二つ、三つと重なってある場合が多いようです。命式中に空亡が重なり、更に知り合った時期も空亡であれば、そこには本当に運命を変えるような秘密が隠されていることでしょう。しかし前述のように、人生でこのようなドラマチックな出会いを持つ人は、安全無事に平和に一生を終えるという価値観だけでは、終わらない人なのではないでしょうか。
一般論として覚えておいて下さい
いかがですか。自分の空亡の時期、相手は分かりましたか。これであなたは人生に対する備えのうち、かなり重要なポイントを押さえたことになります。くれぐれも早まった行動に走らないようにしましょう。
「空亡の不思議・空亡一覧表」・2006年4月18日・訂正加筆
2008年8月・バラエティコーナーから風水学基礎講座コーナーへ
「空亡の不思議・その1」としてデザイン変更して移転。その2、その3を追加
2009年11月、空亡早見表を1901年〜2018年まで拡張。その他少し表示を変えました。
この文章は1998年ごろ書き下ろし、1999年公開。その後上記の通り訂正加筆しました。作者の完全オリジナルで、他の書籍、サイトとの関係は全くなく、www.kumokiri.netドメインの中でのみ使用可能です。他サイトでの使用は一切許可していませんので、類似サイトにご注意下さい。無断転載、コピーを禁じます。
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