ビギナーの風水学講座:目次

気学とは何か?


◆移動の方位と太極

気学は、移動の方位の吉凶を見るものですが、単に移動と言ってもいろんな概念があります。ここで言う移動とは、単なる旅行とか場所を移すということではありません。
運命学において、移動が運勢に影響を与えると考えるのは、「太極」(たいきょく)という考え方から来ています。
太極とは、ごく分かりやすい言葉でいうと「中心」と言ってもいいのですが、もう少し広範囲に、全ての根源でありそこから全てのものが生まれる、生命やあらゆるものの源、と言ってもよいでしょう。

この太極が移動することによって、周囲にも変化が生じ、その変化がいろんなものに影響を与える、という考え方が元になって、移転の方位の吉凶判断が生まれました。
例えば、あなた自身で言えば、自分自身とその足場となる生活環境が、太極です。

あなたがもし、見知らぬ土地に引っ越ししますと、この足場や生活環境も一緒に移動し、変化します。そしてあなた自身もだんだん新しい環境に順応し、暮らし方も変化するでしょうし、しだいに体質も変わってゆきます。しかし、それが落ち着くまでには一定の期間がかかります。
体や物が移動しても、それが生活に根付き、あなた自身も周囲の環境に馴染むまでには、一定期間を要します。この移動期間中は足場がはっきりしない危うい状態ですので、普段よりも気をつけて、なるべく早く落ち着いて生活できるように心がけます。

一時的な移動なら、その場の用事だけ済ませてさっさと帰ってくれば良いので、短期間の移動では、太極は少し刺激を受けることはあっても、太極が本格的に移動することはありません。
しかし、引越ししたり長期滞在となりますと、生活環境を整えたり、現地の気候風土や暮らし方が自分とあうかどうか、うまく馴染めるかが心配になります。
短期間の移動=旅行、本格的な移動=引越しと考えると、対処のしかたも違います。
これが、気学における旅行と引越しの違いです。

しかしもし、短期間にあっちに行ったりこっちに行ったりと、落ち着かない状態を繰り返していますと、太極が不安定になり、だんだんと力を失ってきてしまいます。人間で言えば、根無し草のような状態になります。
反対に、あまり長く同じところに居て同じことを繰り返していますと、停滞感を生じ、マンネリ化して力を発揮できなくなったりします。状態が悪いと根腐れ状態になったり、十分な活動力を発揮することが出来なくなります。
その人の体質や向き不向き、移動によってどのような影響を受けるか、その移動はその人にとってプラスかマイナスか、それを見分けるのが、気学だと言ってよいでしょう。


◆運命学的な観点

しかし、移動というのは、その人が動きたい状態になっているか、今は動かさないほうが良いのか、移動するのに向いた時期と方位、移動先での環境の良し悪しなど、いろんな要素があります。画一的に、今年は西方位が吉だとか凶だとかいうものではありません。
これらを総合して最終判断をしなければなりません。

今述べた、その人が今動いても良い状態かどうかを見るのが命理であり運勢です。移動の時期や方位を決めるのが気学なら、行った先での環境の適不適を観るのが家相であり陽宅風水と言えば、分かりやすいでしょうか。

気学はそれだけで独立したものではなく、運気や家相も含めて考えてこそ生きてくるものです。また、いわゆる祐気取り的な旅行と引越しでは、その影響のしかたも使い方も違います。

気学でもある程度は、運気を見て移動に向いた時期かどうかを見ることも出来ます。しかし、気学での判断がごく短期間のサイクルで万人が同じパターンになるのに対し、きちんとした命理ではもっと正確に、個人の一生の運勢の流れを見定めることが出来ます。
初心者はまず気学から入って、同時に気学の元となる十干・十二支や陰陽五行の基礎にふれ、だんだんとそれを陽宅風水や命理に応用できるように、発展させてゆくのが良いでしょう。

ここで注意したいのはくれぐれも、気学でどっちの方位が○だ×だ、という覚え方をしないことです。
気学はあくまでも運命学の一部であり、もっと高みに到達する為の入り口であることを、忘れないようにしましょう。でないと、今から述べる気学の落とし穴にはまってしまいます。


◆気学の特徴

気学の特徴は、陽宅風水や命理よりもずっと簡単で、かつ具体的なメリットがある(ように見える)ことです。
簡単な吉方判断だけで、移動によって運勢をよくすることができる、というコンセプトは、初心者にはかなり飛びつきやすいものです。

気学は運命学の中ではかなり…たぶん一番易しい、と言っていいぐらい、簡単です。簡単と言っても程度問題ですが、四柱推命、紫微斗数、奇門遁甲などに比べると、難易度で言うと、大人と子供ぐらいの違いがあります。易のように、偶然性と思想哲学をどう絡ませるか、という問題もありません。

気学の特徴は、人相、手相のように、経験値を積む必要がなく、一定の方法を取れば、誰でも同じ結果が出ることです。
覚えるのに、他の運命学のように何年もかかることはなく、早い人は、ネットで出回っている吉凶表だけで、すぐに使えてしまう場合さえあります。もちろん、それが本当に気学を使えているか、というと、いろいろ異論は出ますが、少なくとも一般的な九星の○×表だけは同じです。

それだけに、単純化されすぎてしまい、○×だけ見て方位の性質を考えることなく動いてしまったり、吉方位へ何度でも動けば動くほど良い、というような誤解をして、年に何度も引越しする方さえあります。
実際はきちんと学ぶと、気学もそれほど単純なものではなく、そんなに簡単に運命が変わる筈もありません。それらのことを踏まえて、せっかく学ぶならば、せめて本質を踏み外さないようにしたいものです。何でも腹の底から理解して行うのと、浅い理解で目先の利益を追求するのとでは、長い間にはかなりの開きが出ます。
そういう心構えで、気学の手順を見てゆきましょう。

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