ビギナーの風水学講座:目次

もう少し、相生・相克の話


前章で西と七赤金星を例に挙げて、相生・相克と星の性質の話をしました。
このように、本命星にとってもともと相性の良い方位、合わない方位が先天的にありますので、これは常に頭の中に入れておいたほうが、方位を選ぶ際にもよりよい方法を取ることができます。

しかし、相生、相克は、単純に良いか悪いかマルかバツかとは、少し違います。これはもう少し深く九星の性質を学び、それを運命学観点から考えると違う視野が開けてくるのですが、この章はまだ基本です。まず、九星ごとの○×式の吉凶表とは別に、定位(じょうい)という要素があることを覚えて下さい。

基本として相生(そうじょう)の方位は、大きく長く使うほど、良い効果を受けられます。大きな旅行、引越しなどは、なるべくこの方位の中から選んだほうが得策です。そして、いったん吉方位で引越ししたら、あちこち動き回らずにできるだけそこで落ち着いて長く生活することです。
吉方位を取れば取るほど良いと、何度もあちこちに動くものではありません。

一方、相克(そうこく)の方位は、あまり大きく使わない方が無難です。旅行ならなるべく近距離で、短期間に留めておいた方が良いでしょう。引越しの場合でも、賃貸しならばさほど気にする必要はないでしょうが、本格的に家を建てる場合は、慎重にしたほうが良いでしょう。
しかし相剋方位が全て「凶」であるわけではなく、方位によってそれぞれ性質が違います。一般的に言って、四正方位(東西南北)のほうが方位の性質が強く出やすく、四隅方位(東西南北の間)のほうが緩やかです。



困ったケース

ただそうなると、現実には問題が出て来る場合があります。
例えば、房総半島に住んでいる人に南東に引越しなさいと言っても、南東には海しかない、という事態になります。

こういう場合は、定位にこだわらずに回座した九星で判断せざるを得なくなりますが、なるべく回座した九星と使う方位が相生関係であるほうが、定位の性質の出かたもソフトになります。

上の表を見て下さい。本命四緑木星の人が、北西方位を使いたい場合、九紫中宮の盤では北西には一白水星回座、八白中宮盤では九紫火星回座、七赤中宮盤では八白土星が回座しています。
この中でどれを使うかと言いますと、本命三碧木星ですから一白水星と九紫火星が相生で八白土星は相克です。
しかし、一白水星は北西とか相生、九紫火星は北西とは相克ですから、完全な吉方位ではないながら、一白水星のほうが良いので、九紫中宮の時のほうが良いということになります。


三碧と四緑ガンバレ!

もう一つ考えなければならないのは、先天的に吉方の少ない本命星の人があるということです。上で例に挙げましたが、三碧木星と四緑木星がそうです。
三碧木星は北、南、南東、四緑木星は北、南、東が先天的吉方です。

北の九紫火星 南の一白水星

これだけでも、もう他の本命星よりも数が少ないのですが、このうち、北に回った九紫火星、南に回った一白水星は、よく見ると「水と火」の関係です。これを水火対冲と言い、潜在的な相克なので、あまり積極的に使いたくはありません。
もともと北は水の方位、南は火の方位で、どちらもその象意の激烈な方位です。別の見方をすれば、他の本命星の人が使えない激烈な方位を使える、という利点でもあるのですが、水と火という、最も強烈に反発しあう星を重ねて使うことは、なるべく避けた方がよいのです。
他の気学のサイトでは多分吉になっていると思いますが、当サイトでは、吉方であってもかなり点数を辛くしています。

この北と南の関係を、定位対冲(たいちゅう)といいます。他の方位にも対冲はありますが、水火の対冲ほどの強烈な反発ではないので、それほど気にする必要はありません。

こういう訳で、三碧木星の方と四緑木星の方にはお気の毒ですが、木性は非常に吉方が少なくなってしまうのです。ですから、吉方の多いタイプの人は、旅行、引越しなどいつでもできるのですが、このお二方に限っては、一度チャンスを見送ったら、十年近くも使える方位がない、ということがよくあるので、前もって慎重に計画を立てておくことが大切でしょう。

また、このおふた方については、他にも注意点があります。
特に三碧木星の方に言えることは、初年運ですので、なるべく壮年期までに人生の基盤を築いておかないと、中年を過ぎると、活動力が衰えてエネルギーが続かない、という事態にもなりがちだということです。

これが中年運、晩年運の人であればやり直しもきくのですが、初年運の方は成功者も多いかわりに、若いうちに事を起こさないと、鳴かず飛ばずで終わってしまうリスクがあるのです。

もちろん、運勢は一人一人違いますので、三碧木星の人が全部そうだというわけではありません。しかし全般的な傾向として、頭に入れておいて損はないでしょう。

しかし吉方が少ないといっても、悪いことばかりではないようです。
風水暦の点数表を作っていると気づくのですが、五黄土星などのように吉方の多い人は、凶方は極端な凶方になってしまいます。プラス点とマイナス点の差が非常に大きいのです。
一方、三碧木星、四緑木星の方は、吉方が少ないかわりに、凶方もそれほどひどいマイナス点にはならず、わりに平均化されています。風水暦を長期間ご覧いただけば気づくと思いますが、よくしたものだと思います。


鬼門はコ…ワ…イ…

定位盤に関連して最後に、北東について触れておきます。
ご存知だと思いますが、北東は鬼門といい、他の方位とは異なった性質があります。

定位盤では八白土星の方位ですが、北東は八白土星の象意のとおり、起死回生、一進一退、変化変動という意味を持っています。これまで無事にやってきた人がこの方位をむやみに使用すると、変化変動が出ることが多くなります。何事もなかった人に変化が出る場合は、たいてい悪い方に転びます。吉方であってもそうなのです。

使って良いのは、起死回生という言葉が当てはまる人、しかしこれは、並みの生活を送っている人には当てはまりません。
例えば、会社は倒産、自己破産、一家離散で思い余って北東へ死出の旅に出たら、思いがけない展開で運命が変わった、とまあ、小説にしたらウソ臭くてボツになるくらいのドン詰りでなければ当てはまらないケースです。
ごく普通の生活から変化を求める程度では、危なくて使用できない方位なのです。


この北東については、いろいろ面白い話があります。世界地図で見ると、日本から見てアメリカが北東の鬼門方位にあたります。東ではありません。この両国の間に、いろいろとあるのも当然といえば当然でしょう。

参考記事:日本とアメリカの方位関係鬼門が命運を決める



話として見れば面白いものの、国家レベルでは少し怖い面もある話です。とにかく、個人の使用する方位としては、吉方といえども気軽に使える方位ではない、ということを述べておきます。

このように、方位にはそれぞれ性質の違いがありますので、一覧表のマルバツだけで吉凶を決めるようなものではありません。本当の吉方は、そう頻繁にはないものです。
当サイトの風水暦は、この先天的な相性も点数に加味してありますので、場合に応じて適切にご利用下さい。


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