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宝石の性質を考える・その2


前章で、宝石にまつわるエピソードの幾つかを紹介しました。
宝石の性質を考える・その2


宝石の性質

ここでは、宝石に金銀などの貴金属も含めて考えてゆきます。
宝石、貴石の性質を決める要素にはいろいろありますが、一番影響が大きいのは、その石が採取された土地の性質とか、因縁のようなものです。

金銀プラチナは工業製品に使用されますが、宝石との違いは、溶解加工して形が変えられるし、再利用できる、ということです。従って、よほどの特徴のある工芸品でない限り、中古であろうがどこで採れようが、あまり因縁めいた話は聞きません。

その点、宝石・貴石は原石を削ることしか出来ないので、採掘した土地の性質をそのまま凝縮したものと考えられます。宝石は大地のパワーをそのまま宿しています。ということは、土地にまつわる因縁は良いものばかりではないので、あまり無闇に身につけるものでもない、という考え方もできます。固い性質の石になればなるほど性質も強いので、いろんな逸話がまつわるつくことが多いものです。


何故、人は宝石・貴金属に惹かれるのか?

人が宝石・貴金属にこだわるのは、何故でしょう?
それは人間の存在そのものが、死と隣り合わせの脆いものだからではないでしょうか。人生何十年なんて短いものですし、いつなんどき、事故や病気でこの世を去ることにならないとも限りません。
人間の歴史とは、その多くが死との戦いでした。現世を超越した仙人のような、とよく言いますが、仙道五術の究極の目的は「不老不死」です。なんだか、一番生臭い動機を持っていた人が、その欲望を追求した挙句、欲望を超越して仙人になってしまったのではないか、という、面白い逆転現象です。

人間のこういうあくなき欲望の結果、永遠にその輝きを失うことのない純金、地球上の最も硬い物質であるダイヤモンドは、知らず知らずのうちに人間を魅了し、時には犯罪にも関わるほどの欲望をかきたてることになってゆきます。

前章の宝石にまつわる四つのエピソードは、何となく頭に浮かんだものを取り上げてみたのですが、そのうち二つがダイヤモンドです。しかしそのどちらも、何故か不幸な展開になってしまっているのも、面白いことです。他の話も、あまりスッキリしたハッピーエンドというわけでもありません。
そこで、好き嫌いや欲望からいったん離れて、客観的な目で主な宝石の種類と性質を見てみましょう。

まず、誕生石の由来ですが、これは十二支の守り本尊と同様、全く気にすることはないでしょう。その起源には占星術などいろんな理由付けがなされていますが、誰もが納得のいくような話は見つけられません。
強いて言えば、聖書の中に、十二種類の宝石を使って城壁の土台や武具を飾る話があるようですが、これも十二使途、十二部族、十二ヶ月、と数が都合よくあう、という話のようです。仏典の中にも観世音菩薩が種々の宝石を身につける記述がありますので、様々な美しい色をした石で身を飾りたくなるのは、洋の東西を問わない話のようです。
常識で考えれば分かる通り、誕生石というのは、宝石商の販売戦略の都合で作られたものに過ぎませんし、決まったのも比較的新しいので、あまり説得力のあるエピソードなどは見当たりません。
もし宝石店でプレゼントの誕生石を尋ね、それが安い宝石だった場合、もっと高いものを希望したら、喜んでそちらを薦めてくれると思いますし、ここでも全く気にせずに話を進めます。
ここでは、色別に分類してゆきます。


ルビー(赤)

赤は情熱の色です。赤い服を身につけると、それだけで体温が少し上がると言いますが、宝石でも同じです。特にルビーの鮮烈な赤は、生命力をアップし、特に恋愛関係においては積極的な行動へと導きます。その反面、あまり積極性のない人は石に負けてしまって身にそぐわず、合わない傾向もあるようです。
初めてのデートで女性が大きなルビーを身につけていたら、ちょっと怖いかも。目立つので、あまり大きなものでなく、ポイントとしてうまく使ったほうが良いでしょう。


エメラルド(緑)

緑系の石は、癒し効果がありますので、身につけると心身ともに落ち着き、人間関係も気持ちよくスムーズに運べるでしょう。バランス感覚がよくなるので、会合などで調整役の人には良い働きをします。
しかしデートの場合には、落ち着た友好的な雰囲気になってしまいますので、情熱的に突き進むことは期待できなくなるきらいがあります。あまり乗り気でない時に、うまくなだめすかして、友人としてのお付き合いにとどまるには良いかもしれませんが…。


サファイア(青)

青以外のサファイアもあるようですが、ここではブルーとして話を進めます。青系の石は冷静な判断力や知性を表しますので、研究者や教育者や指導者に向いています。しかし、うっすらとしたブルーと明るくくっきりしたブルーでは、かなり性質が違います。薄くくすんだブルーは発展性に欠けるので、あまり若い人には向きません。落ち着きのある中高年の人にあいます。
しっかりした指導力を発揮したい場合は、アクアマリンやラピスラズリなどの強目のブルーのほうが良いでしょう。概して、青系の石は邪心を払うかわりに欲望も沈めてしまうので、物質よりも精神面が優先される傾向が出てきます。


サンゴ、ローズクォーツ(ピンク)

ピンク系の石は優しい性質を持っているので、この色の石を身につけると、性格が従順で人間関係が良くなります。サンゴ、ピンクオパールなどの不透明系の石とローズクォーツなどの透明系の石で、少し違いがあります。
不透明系のピンクは肉体の緊張を和らげる働きがあるので、中高年の体の硬くなった人にはリラックス効果が働きます。透明系のピンクは、どちらかと言うと精神面に働きます。何かで心の傷を負った時、精神的ストレスが溜まっている時に身につけると良いでしょう。


真珠(乳白色)

ご存知のように、鉱石ではなく貝類の産物で、その性質やなぜ出来るのかもよく分かってはいません。本真珠は汗や酸に弱いので、手入れも大変ですし、硬度も弱く、あまり加工も出来ません。それなのに、真珠がこれだけ人に愛され、万能とされているのには、それなりの理由があるのでしょう。ご存知のように、不祝儀の際にはキラキラした宝石は身につけないのが礼儀ですが、真珠だけは控え目ならば許されています。
真珠には癒し効果、保護効果、愛情、邪気払い、縁結びなど、どちらかというと柔らかい感じのイメージがあり、穏やかで繊細な感じの人の長所をいっそう引き立てます。ダイヤが「剛」の雄ならば、真珠は「柔」の雄とでも言うところでしょう。
あまりそういう状況は好ましいことではありませんが、もし宝石比べになってしまう場合は、ダイヤ同士だとガチンコ勝負になってしまいますが、真珠ならばダイヤと並べても、引けも取らなければ喧嘩にもなりません。たぶん、厳密な意味では、宝石とは異質のものだからでしょう。


ダイヤモンド

色は無く無色透明とされますが、色付きのダイヤもあるようです。ご存知の通り、最も硬い物質で、ダイヤはダイヤによってしか削れませんし、工業製品にも多く使用されています。
運命学的な意味を持ったアクセサリーとして見ると、ダイヤはかなり難しい部類に入ります。金剛石と言われるとおり、頂上を意味しますので、このことは取りも直さず、後は下降線を辿るだけ、ということです。頂上にあって目立つが故に、いろんな思惑や嫉妬、迫害を一身に集めることになってしまいます。抽象的な話のように見えますが、漠然とした話ではなく、かなり早く現実になると思ったほうが良いでしょう。優れたカット技術を施されたダイヤは、思わぬ瞬間に目を射ることがあり、これは品質としては良いものには違いないのですが、人間にとっては、必ずしも良いことではありません。
これは筆者の考えの範囲でしかないのですが、人の目を惹くのはあくまでも当人の魅力をもって考えるべきで、ダイヤの鋭い光で人の目を射るのは、それはダイヤの力でしかありません。
例えば、パーティの席で、楽しそうに談笑しながら、相手の顔ではなく胸元のダイヤが気になってチラチラ目が行く、と考えただけで下品な感じがします。たぶん、ブランドイメージを好む人にも似たような傾向があるのかもしれませんが、そういう世界はそういう世界のことです。(あくまでもブランドの品質ではなく、ブランドのイメージの話です)
ダイヤも小さいものならばさほどの問題はありませんが、買うにしても中高年の頂上を過ぎてからで十分です。あまり若い人が身に着けるものではありませんので、位負けしないだけの自信のある人に限ります。


ゴールド

金は派手にキラキラ光る割には、ダイヤのほうにキラリと射る光ではなく、周りを包み込む輝きなので当たりが柔らかく、万人向けです。他の色との相性も意外に良いので、使いやすい色で、どちらかというと、癒しというよりは活力を与える働きがあるので、風水のほうでもラッキーアイテムのような扱いをされています。特に欠点はありませんが、時と場合によって、使う分量には配慮が必要でしょう。
ゴールドにも何種類か色味の違いがありますが、通常のイエローゴールド以外では、プラチナ、ホワイトゴールドはダイヤモンド寄りの意味があります。どうしてもダイヤやパールとの相性は、ホワイト系のほうがしっくり来るようです。近年出てきたローズゴールドは、ピンク寄りの石性質があり、これはなかなか人肌と馴染みの良いものですが、加工が難しいのが難のようです。


一般的に、婚約指輪にはダイヤモンドなどをあしらった派手目に光る指輪が使われ、結婚指輪にはあまり自己主張しないバンドリングが使われますが、婚約と結婚の意味及び状態を考えてみると、なかなか面白くも理に適った使われ方をしていると言えるでしょう。


水晶(透明)

最後に、パワーストーンの中で最も有名で多く使用されている水晶ですが、ここでは透明な水晶に限って述べます。色付きのローズクォーツやアメシストなどはその色寄りの性質を持ちます。
水晶でよく思い浮かべるのは、魔女が大きな水晶玉を使って何やら予言や透視をしている光景です。本当は、あれも特に水晶でなければならないという理由もなく、水盤でもいい筈ですし、使う人がそれぞれの使いやすいものを好きなように使って精神集中すればよい訳です。
実際、筆者の知っている本物の霊能者で水晶玉を使っている人は寡聞にして知りませんが、日本でも古来、勾玉が三種の神器に入っていますし、水晶玉などをご神体にして祭祀の対象にしているところはあります。占いに使うのは、たぶん水晶玉が最も絵になりやすいからでしょう。実際上、高価な水晶玉があれば何かが出来る、というものではなく、占いをする人は何らかの直感を捉える為に自分なりのノウハウを持っているので、何に対して霊的パワーを見出すかは人それぞれであって良い筈です。
ただ、水晶というのは、クォーツ時計に使われていることでも分かる通り、独特な性質を持っており、貴石の中でもいろんなものとの親和性が高いので、天然のものにはまだ解明されていない性質があるかもしれません。

物質としてはガラスの親玉と考えればOKで、水晶イコール、ガラスの最も良質で純度の高いものでしかなく、ごく一般的な鉱物です。身につけるパワーストーンとしては、自己主張も害もなく、それこそ透明な物体なので、好きに使えば良いと思います。
日本では既に算出されなくなって久しく、買うにしてもどこで採れたかも分からないので、あまり個性のある天然水晶は、それなりに算出した土地のパワーといわくを持っていると考えたほうが良いでしょう。目に見えないものを気にする人は、注意が必要です。
ガラス、クリスタルと言うと日用品で、水晶と言うと急に特別なものになってしまいますが、物質としては二酸化ケイ素の純度の違いでしかないので、余り特別視せず、気楽に楽しめば良いと思います。ネックレスやブレスレットなどは糸だけがやたらに目立つので、水晶の魅力を生かしているとは思えませんが、透明であるが故の魅力は捨てがたいので、あまり特別視せずに使って良いと思います。


以上、駆け足で何種類かの宝石、貴石、貴金属について述べましたが、要は色味と硬度と使い方です。ただ、身に着けたり身の回りに置くものとしては、硬度が高いぶん、服などよりも色の及ぼす影響が意外なほど強いので、色と硬度について述べました。


☆筆者は子供の頃からある年齢までずっと、黒ダイヤというのを持っていました。かなり珍しいもので、祖父が明治期に満州から持ち帰ったものだそうです。ダイヤと言っても、結局は石炭の一番硬いものですが、おもちゃ箱の中で長い期間ガラガラさせて、他のものが使い物にならないほど傷だらけになっても、台の金がグニャグニャになってもビクともせずにキラキラ光っていたので、子供心にすごいな、と思っていました。しかし、これを持っていた祖母があまり幸福とは言えなかったことと、余りの黒さでずっと好きになれなかったので、ある時、思い切って捨ててしまいました。
自分では真っ赤なルビーとか透明感のあるものが好きな上に、いろいろと余分なアクセサリーをくっつけるのが好きでないので、好みでない真っ黒な石を持て余してしまったのですが、あの石を捨てたのも、一つの節目だったのかも知れません。
石に何か役割とか運命が関わっているとしたら…そう、あの石を捨てたのは、私がfoolの旅に出る頃でした。そう考えるとちょっとだけ不思議な感じもしますが、やはり運命を決めるのは自分自身だと思います。しかし石で運命が変わるというのも、話としては面白いので、大いに楽しみたいと思います。


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