風水学講座:目次

五行ゴキゴキストレッチ・その2

水性=腎体質の場合

さて肝心カナメというように、人間の体で最も大切な要素である「水分」が最後になりました。
水に係わる部分というのは、非常に大切なのですが、何故か心臓や脳などが問題にされるのに比べて、やや影が薄いような気がしまう。

もちろん、腎臓などの持病のある人にとっては、非常な大問題なのですが、心臓が止まったら4分以内が勝負で、遅れると再起不能、などという慌て方に比べて、腎関係は透析するにしても時間的には秒や分を争うほどには切迫していないように思っちゃいます。

これは愚考するに、水性というのが人体にあまりに関わりが深いので、いろんな部分でショックを緩和できるような構造になっており、即・全面的にストップという事態に至らないよう、自然とうまく配置されているせいではないだろうか、と思います。

人体に、重要でない臓器はない筈です。昔は不必要どころか邪魔者と考えられていた虫垂にしても、最近は免疫機能のコントロールをする役割があることが分かってきました。親知らずにしても、抜くか抜かざるか、未だに歯科医の間でも決着がついていないようです。

人体の中でも自然界でも、最も重要な存在である水性ですが、ご存知のように東洋学では低きに集まる、浄化作用、交わる、生じる・・・などの意味があります。「坎」であるから凹んだ場所、穴をさし、人体では膀胱、生殖器などに当てはまります。

少し話はそれるのですが、筆者は時々、仏教に関する質問を受ける時があります。経典で最も有名なのは「般若心経」で般若心経の要点は「一切皆空」なのですが、皆これが、分かったような分かってないような・・・いやほとんど分かっていないようです。そんな時、筆者はよく「水」を引き合いに出して「空」の話をします。

水は化け学で言えばエッチツーオーだけれど、それだけでは水の性質は分からない。「ウィキペディア」で「水」を引いてみると、これがけっこう良くできているので、参考までに見て下さい。ただし・・・↓


※「ウィキペディア:水と哲学
東洋においても、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成るという五行説が唱えられている。」
↑これはありがちな間違いで、「万物は木・火・土・金・水の5種類の働きの影響を受けるという、五行説が唱えられている。」のほうが適当と思われます。



仏教での空
筆者がポイントを置くのは、水固有の性質です。水は温度によって著しく形態が変化します。0度以下なら固体だし、100度までは液体だし、沸点以上だと水蒸気になります。液体の水に頭ぶつけても血は出ないけれど、固体の氷に頭をぶつけたら簡単に死ねます。液体でも噴射速度をマッハ3にすれば、ウォーターカッターという科学の刃になります。
水蒸気は空気のように形がないけれど、熱や圧力を加えるととんでもない破壊力を発揮します。(噴射力で勢いをつけるのは木性の働きで、熱蒸気は対極のように見える火と水の接点です)
それもこれも、水というものが、自分固有の形状というものを持たず、相手の状況に合わせて姿を変えるからできる芸当なのです。しかし、実体がないかというと確かにあります。
「空」(くう)がさまざまなところで説かれるのは、私達人間の存在も空であり、世の中に存在する全てのものが「空」であり、これを悟ると、ものの存在の本当の姿が見えてくるからだと言われます。そうなると、まるで魔法のように姿を変えることもできるし、存在を消すこともできるし、寿命の心配をすることもなく、すべてが自由で思いのままになり、浮世の苦労なんて雲散霧消するのだよ・・・だから「空」を悟りなさいよ・・・というのが「空」の解説の骨子なのですが、これがあまりに簡単で難しい。短くて長い。
こう書いている筆者にしても、まだ成仏はしていないので、空の悟りにはほど遠いのですが、耳学問ですかねえ・・・
まあ、仏教の悟りを今追及しなくても、けっこう、五行の水性の性質を考えてみると、何となく見えてくるものがないでしょうか・・・

ご承知の通り、ほとんどの生命体は70〜80%が水分で構成されていますが、その水分たるや実にいい加減なもので、動けば汗になって逃げてゆくし、水やジュースやスープを飲めば、すぐにおしっこに行きたくなる。
怖い目にあえば冷や汗が出るし、悲しければ涙が出るし、寝てるだけでもどんどん水分が蒸発して逃げてゆきます。

かといって、水分がほんの少し多いとむくんだり、浄化作用がうまくいかないと尿毒症になったり、血管がほんの少し詰まっただけで、ぶっ倒れて半身不随になったりします。
水がないと生きていけないというのに、沢山ありすぎて洪水になると、溺れて死んでしまいます。

私達の肉体は、精緻かつ実にいい加減なもので、外界との境目はあるようで無きに等しい。何十年かすればどうせ死んでしまって、火葬場で灰になって土に返る。なんかそう考えると、じつにアッケラカンとして爽快になっちゃいます。(私だけか?)
だってそうですよ。少々造作に違いはあっても、肉体が自然からの借り物である点と、そう遠くない将来には土に返るという点だけは、どんな人にも平等に訪れるんです。そうなると、差が出るのは、何を考え、何をするか、という点だけです。

これって、水の性質に似てませんか?固有のものが有るようで、実は決まった形は無い。しかし、無いようで有る。武器にもなるし、癒しにもなる。何らかのエネルギーを借りて何らかの方向性を与えられると、優れた働きをするし、猛威を振るう時もあるし、ジッと動かないままで腐る可能性もあるのです。

妙な説法になってしまいましたが、こないだプールに入っていて、水を両手でかき分けながら、ふと不思議な気分になったことがあります。
水って一体ナンでしょう?こうやって両手で触っていると、独特の粘性を持った確実な物質なのに、時々まるで無のように、あって当たり前に思えるし。しかし今、何らかの弾みで、このプールの中のコップ一杯分を肺に吸い込めば、たぶん死ぬでしょう。
だけど、肺に吸い込まないようにうまく息止めて、全身を水底に潜り込ませて、体の隅から隅まで水という物体に包まれて体をくねくねさせながら進むのは面白いし…などと深遠なことを考えながら潜水でドルフィンキック打っていたら、ウォーキングしていたオジサンの股の間に頭を突っ込んでしまい、すっごく変な顔をされてしまいましたが…(その場所、もともとウォーキングコースだったのです…)

という、バカっ話はこのくらいにして、水性で一番嫌うのは「滞る、停滞する、留まる」ことです。水は「流れる」のが仕事なので、一箇所にジーッと留まっていたら、不浄のものになるのですね。
この辺りも不思議です。金性だったら「凝固、収斂」が特有の性質なので、固まってジッとしているのが仕事ですが、水はジッとしていてはいけないのですね。
ちなみに、「金銭、現金」も水性なのですが、お金が一番嫌うのも執着、滞ること、です。金銭はサッと綺麗に手放すこと、流通させることで、お金としての真価を発揮するのですね。タンス預金で何千万溜め込んでもタダの紙屑です。えてして、こういうタンス預金の老人に限って、身寄りも楽しみもなく、没後はタンス預金は誰にも気づかれずに、可燃粗大ゴミとして燃やされるか、公営ゴミ捨て場行きでしょうか。
燃やされて灰になっても、ゴミ捨て場で埋められても、どっちも土性になるのかあ…水性と土性は相性悪いから、お金は怒ってるだろうなあ…(- -; )

また話がそれた・・・・・・つーわけで、人体の水分も、滞らないようにしましょうってことで、ストレッチ、ストレッチ。水性のストレッチは、そのものズバリ、排泄がスムーズにいき、滞らないように、その出口をやさしーくほぐしてあげることです。つまり、股関節のストレッチ

ところが、水性が一癖あるのと同様、股関節周りのストレッチというのはそう簡単にはいきません。股関節というと、すぐに開脚を思い浮かべてしまうと思いますが、最近、この開脚ストレッチはダンススタジオでも意外に少なくなりました。
股関節というのは、非常に多くの筋や腱や様々なものがついているので、そのどれかが硬いと、なかなか開脚はできません。180度開脚を目指している人は多いようですが、バレエストレッチの本でも、90度を基準として書いてあるものが多いようです。
もっとも、開脚度の見かたは、素人の見かたは間違っている場合が多く、本当は股関節と大腿骨の角度を正確に観察すると、素人が120度と思っているものが、本当は90度だったりします。

ストレッチの一番本格派はたぶんクラシックバレエだと思いますが、近年は、このバレエでさえも、ストレッチにはあまり重点を置かない先生も出てきたとのことです。その理由はというと、各部の筋肉をきちんと意識できない初心者が、やたらに伸ばしたり引っ張ったりしても、百害あって一利なしだそうです。
これは、仰ることはよく分かります。余りに違うことをしている人が多いので、間違ったストレッチは体を痛めるだけで、一つも良いことはない、というのが実態に即しているのでしょう。


そこで、この章の最後に、間違ったことをしないよう、股関節ストレッチのポイントだけ述べておきます。折るポイントと、伸ばすポイントですね。
別に急いで開脚できなくてもいいので、「ストレッチ、いいんだって」と無理して変なところを曲げて逆効果にならないように、これだけは覚えて下さい。実際には、ジムでもどこでも、トレーナーにきちんとポイントを教わるほうが安全ですです。
筆者の経験では、正しいストレッチのポイントを教えてくれたのは、やはりクラシックバレエの先生でした。分かってみると、今まで何やってたんだろう?って感じです。やはり、スポーツクラブのほうがいいようです。
ダンススタジオは踊るのが目的なので、普通よりもきついストレッチをする割りに、懇切丁寧にストレッチのやり方までは教えてはくれません。ストレッチは自己責任です。ダンスって、別に体にいいことするのが目的じゃないですからね…

間違った前屈

まず、よくやるのが「立ったままで、手が地面に付く?」の前屈です。
う、う〜〜ん、ヨイショ、ヨイショ・・・とこんな感じの人がチラホラ・・・
実はこの写真は、ストレッチ器具を売る為のサイトのものなので、このようにヘンに腰を曲げた形になっていますが、ストレッチを知らない方は、この体勢が多いですよね。

曲げる位置を意識することが、ストレッチでは重要です。「前屈」は、坐骨と大腿骨の間で体を二つ折りにするので、腰を曲げるのではなく、下のほうの絵の赤線の位置=足の付け根で折ります。
これを座った状態の前屈ですると、下図の姿勢になります。この姿勢はバレエストレッチなのですが、腰を曲げないように注意していても、実際はかなり他の部分に引っ張られて腰椎の過伸展になりやすい状態です。一般の人は無理して真似することはありません。

あまり前屈することができない人は、まず図1のように、膝の裏を延ばし足を投げ出して座ってみましょう。背中を真っ直ぐに立てて座るということが、意外にきついことが分かります。
どこが固いかというと、ハムストリングス(腿の裏側)が硬くてつっかい棒のようになっているので、今度は2でハムストリングス=腿の後ろ側を緩めます。次に、膝の裏と腿の裏側を、片足づつ交互に伸ばします。
膝の裏を伸ばした状態では、この図まではなかなか足が上がらないと思いますが、もっと角度が浅くても、しっかりと足を伸ばしきることです。踵から踏み込むような感じで、足の裏側を伸ばします。どのポーズも、あっさり放さずに、その姿勢をづつ60秒程度続けます。筆者の経験では、息を吐きながら同じ姿勢を続けていると、どんどん楽になってきますが、短い時間では効果は薄いようです。この姿勢は、背中が全部床についているので、折るポイントを意識するのに有効です。

1・足を伸ばす 2・片足づつ抱える 3・片足づつ伸ばす


次に内転筋を緩めます。このように、両足裏を合わせ、膝を両側に開きます。上体を前傾させてゆくのですが、ここが問題です。まず、下図1の前屈姿勢に注目して下さい。1の赤線は延びている箇所です。2の腰から背中にかけての線は曲げてはいけない箇所です。3は股関節の位置で、このラインで体を二つ折りにするのが、正しい前屈です。なので、間違った前屈の写真よりも、かなり下の位置で折っています。
この位置が本来深く曲がる位置なので、背中や腰をギュウギュウ曲げるのは、一番危険で間違ったストレッチです。

2で足の裏を合わせた状態で、状態を前に倒してゆきますが、正しいやりかただと、そんなに前にはいかない筈です。前に倒すというよりも、ナナメ前方に上体を真っ直ぐに引っ張られるような意識のほうが良いでしょう。決して、無理して腰を曲げないことです。きちんと坐骨を立て、股関節から折ります。腰を曲げずに背中と腰を一直線にしたまま、前に倒れていくようにします。腰を曲げないように意識できれば、頭をぶらんと垂らして、頭の重みで上体が前に行くようにしても構いません。
開脚の後は、必ず足をクロスして調整します。

1、正しい前屈 2・足の裏を合わせて前屈 3・開脚して前屈 4・クロスして調整

とにかく、前屈、開脚は他人と比べてしまうと、正しい姿勢が取れず、無理をして逆効果になってしまいやすいので、よくよく注意して折るポイントを間違えないこと、無理をしないことがとても大切です。3の開脚でほとんど前に倒れない人の場合は、無理に前に倒そうとせず、両手で後ろの床を押してあげるぐらいで十分。
ストレッチに関しては個人差が大きいですし、自分で自分のチェックはなかなかできないので、地域の教室などを探して、姿勢をチェックしてみることが大切です。自分や他人や、写真などを見ても、どこが伸びているか縮んでいるか、骨はどの位置でどういう状態になっているかを見抜くことができれば、もうかなりの上級者です。
股関節のストレッチは、万人向けですので、頑張って挑戦してみて欲しいのですが、独習ではなく一度きちんとしたトレーナーに見て貰うことをお勧めします。

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(2006年頃記述)

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