風水学講座:目次 方位地図ライブラリ:目次


方位と地図のまとめ・ビギナー篇


今まで海外の方位を間違えていた?!

このサイトではこれまで、メルカトル図法の地図による方位の見方が全く間違っていることを再三述べてきました。
この反応が予想したよりも大きく、いろんなお便りを頂きました。
中でも唖然としたのは、このメルカトル図法で見た方位に従って、アメリカは東、ヨーロッパは西と思って吉方のつもりで旅行したところ、その後悪運が続き、あまりに悪いことが重なるのに疑問を抱いて調べていた…、という方が続出したことです。
この点について、詳しく知りたいという方もいらっしゃるので、ここで再度解説することにしました。

内容が専門的にわたりますので、3章に分けました。少し長いですが、この3章だけで方位に関する要点はほとんどまとめてありますので、他の章をお読みになった方でも、もう一度じっくり読んでごらんになることをお勧めします。
この章はビギナー篇ですので、中級、上級と順番に進んで下さい。

さて、上記のように、方位を間違って見たために凶方位へ行って悪運に見舞われた、という方には、あらかじめ申し上げておきます。

人間には常識もありますし、第六感というものもあります。
種々雑多な情報の中で、何が正しいか、間違っているか取捨選択するのは、あなた自身の責任であり、また眼に見えない徳の力といっていいでしょう。学歴とか社会的地位とは、別の物です。
棚ボタ式の欲でもって人を釣る情報には、それに見合った人がとびつきますし、本物を見分けるのは、自分が本物にならなければなりません。運を開くなんて、そんなに簡単なことではないのです。
関連したことを「幸の素・不幸の素」などでも少し述べていますが、これまでの知識が間違いだということを知ったということは、あなた自身も眼の曇りが晴れて、ワンステップ向上したということです。潔く出直しましょう。


風水、気学の方位とは何か?

このサイトのタイトルである風水学とは、陰陽五行学の一種です。
天地に漲る自然のエレメント(要素)を見極め、その働きと現象を人間の生活に生かす学問です。自然のエレメントとは、大きく分けて陰陽五行(木火土金水のそれぞれ陰と陽)に分類されます。

東洋学の中で、風水学と同じく陰陽五行学から発生したものに「気学」があります。これは中国発祥の風水とは異なり、移動の方位の吉凶を見るものです。

風水学と気学は、本来は別物ですが、陰陽五行学から派生したという点では仲間です。
このサイトでは、その両方を取り扱っていますが、どちらかに傾くわけでもなく、どっちが重要だ、本物だ、という立場は取っておりません。
陰陽五行学を運命学の立場で使えるように、というのが目的で、言うなれば「タオ流」です。
気学では本命星を用いますが、風水では本命卦を使うように、前提となるものが違いますし、方位に関しても、中国本土と島国である日本では、現象が違います。従って、以下で述べる「方位」については、移動の方位に関しては従来の気学、家や土地の記述に関しては、タオ流にアレンジした中国風水と日本家相が混じっている、と解釈して頂いて結構です。
この章では主に、気学で使う方位について述べてゆきます。

気学の方位には、2種類の見方があります。一つは、何年経っても北の方位は永久に北であるように方位は決まっていますが、これを定位(じょうい)と云い、ずっと永久に変わりません。
もう一つは、毎年、毎月、毎日変わる盤(遁甲する盤)で、これは天の星が循環するように、地の星の循環を見極めるものです。この二つの盤(定位盤と遁甲盤)によって気の流れとその働きを見極め、生活に生かしてゆくのが気学です。

地図上の方位とは、前者の「定位=永遠に定まった方位」とほぼ同義語と言ってよいでしょう。

気学で方位を見るにも、ある場所から見て、目的地がどの方位になるか?北なのか北東なのか東なのか?がきちんと分からないと話にならないわけですが、方位そのものに関しては、占いだからといって北が南になってしまうようなことはありません。
方位のことを知るには、まず地図に関する正確な知識が必要です。


地図の役割とは?

地図というのは、地球の形状を平面上に映し取ったものです。
ですが、地球は球体(正確にはやや東西に長い楕円形)であり、これをそのまま平面に映すことは不可能です。そこで、用途に応じていろんな方法が考えられました。

この、地球の形を平面に写し取る方法を投影法といい、考案した人によって、何十種類もの方法があります。方法によって一長一短がありますので、目的によって適当な種類の地図を選ばないと、正しい結果は得られません。
そこで、地図の種類と作図法を少し勉強しなければ、正しい方位を見ることも叶わないわけです。


二種類の地図

地図はその性質によって分けると、大きく二種類に分類されます。

1、正積図法グループ(面積は正しいが、中心から離れるほど形状のひずみが大きくなる図法)
2、正角図法グループ(経線と緯線が直角になるが、距離、面積、方位は大きくひずむ図法)

これはかなり乱暴な分類のしかたで、専門家から見れば異論もあることでしょう。しかし、このサイトでのテーマに添って解説しやすくするため、あえてこの分類法を取りました。他の分類のしかたもあります。

上の説明だけではなかなか実感として分からないと思いますので、別の表現をしてみましょう。もしお手元に地球儀があれば、それを見てみるのが一番です。
ない方は、グーグルアースをダウンロードして使ってみるのも良いでしょう。
グーグルアースダウンロードページ

3Dのグーグルアース

左の画像は3Dのグーグルアースのクリップコピーです。3Dなので、球体を片側から眺めているだけで、いわゆる地図とは違います。
これを日本の関東付近から裏側まで、お団子のように串刺しにしてみます。

日本の裏側はブラジルですが、日本からブラジルまで、八方位の線を引きたいわけです。しかし球体なので、簡単にはいきません。
地表をなぞりながら引いた線は、曲線になる筈です。お手元に地球儀があれば、それをよく眺めてみると、球形を切り開いた、何枚もの舟形のシートを張り合わせてあることがわかります。
この舟形地図は多円錐図法に属しますが、実際にこの図法で投影した地図を形どおりに切り取ってボールに貼れば、地球儀になります。

じつは、この何枚かの舟形の輪郭こそ、方位線に他ならないわけです。何度づつに分割するか、という問題は残りますが、確実なことは、地球儀にはどこを見ても直線がない、ということです。

舟形・多円錐図法

ビギナーのあなたは、難しいことは抜きにして、地球という球体を平面にうつし取るのは一筋縄ではいかないこと、方位を見るには方位地図で見なければ正しい方位は分からない、ということを頭に入れてください。少なくとも、普段目にしているメルカトル地図は、この条件にはあてはまらないことが確実です。

地球儀を使った方位の見方は下のページでも解説していますので、ぜひご一読下さい。
あまりややこしいことをしたくない方は、当サイトの方位地図ライブラリの地図をご使用下さい。

地球儀を使った方位判断

方位と地図のまとめ・中級篇にいく

(2000年頃記述)
2009年11月改訂・3章に分割

雲切ネットTOPサイトマップ  関連項目:風水巷談「高島嘉右衛門伝」八回 | ビギナー講座
現在このサイト内にいる人は 人です♪
Copyright (C) TAO AllRightsReserved.
http://www.kumokiri.net/