風水学講座:目次

正しい参拝のしかた

説教臭い話が一段落したところで、実際の参拝の仕方の注意点を述べます。
ただし、筆者の考えと性格上の問題で、たぶん一般的な礼儀作法の話からは少し逸脱していると思います。この手の情報は検索すれば幾らでも出てくるので今更という気がする上に、それらの情報は、仏作って魂入れずが余りにも多いと感じるからです。

1、出かける前に〜服装〜

まず、到着してから後悔しないように、出かける前に服装チェックをしましょう。
神社でもお寺でも、普段とは違って居ずまいをただし、神仏にご挨拶しに行くわけですから、あまりだらしない服装はいけません。

初詣、七五三、お宮参り、その他の冠婚葬祭にジーンズで行く人はいませんよね。基本は正装です。お洒落したり着飾るのではなく、相手方に失礼に当たらないように、きちんとした服装で行く、という考え方です。

職業によって普段の服装は違いますから、柔軟でよいのですが、あまりくだけすぎないよう、また昇殿祈祷をされる場合は、正座しても辛くないような服装を心がけましょう。昇殿祈祷の場合は、かなり待つ場合もありますし、祈祷そのものもそんなにちょいちょいと終わらない場合が多いので、締め付けすぎない服装のほうが良いです。
光り物などもあまり好ましくありません。

企業によってドレスコードがあると思いますが、服装自由の場合でも、男性は丸首のシャツはダメ、襟のついたもの、という程度の決まりはあるでしょう。それと同じぐらいで良いと思います。
神社仏閣は休日のお出かけを兼ねて、という場合も多いでしょうから、カジュアルドレッシーぐらいまでは許容範囲だと思いますが、あまりラフな服装は避けましょう。
ジャケットの前を開けて羽折っている場合は、ボタンを止められるものが良いでしょう。
神主さんも巫女さんも、仕事とは言いながら、神仏にお仕えする為に正装をされているのですから、お参りする側もその基本に習うべきです。

2、持ち物、ペット

あまり妙な荷物、邪魔な大きな荷物を持たないように気をつけましょう。無作法です。まして、途中で美味しそうなものを売っていたので買い損ねないようにと、例えば餃子とかピザとか臭いのする食品を買って持ち込むようなことは、厳に慎みましょう。

ペットの犬の散歩を兼ねて、などと動物を連れていくのも避けましょう。
時々、寺社の敷地内で犬に散歩をさせている人を見かけますが、当人がどんな積りであろうと、良いことではありません。
神主さんや社務所の人達は一種の客商売ですから、あまり表立って禁止とは言われない場合もありますが、基本的に動物は立ち入り禁止です。
その神様のお使いとされている動物であれば構いませんが、参拝者が勝手な解釈をすべきではありません。

畜生は穢れというのが基本ですが、伝統的に穢れとされている以外にも、適当な場所で糞をしたり、ご神木におしっこをかけたりしてしまっては困ります。

3、鳥居や山門をくぐる

神社であれば鳥居をくぐった時から既に参拝が始まっています。寺院であれば山門(さんもん)と言います。この時に注意点があります。道の真ん中を歩いてはいけません。必ず、少し横のほうを歩きます。

皆さんは、参道が真っ直ぐに本堂に向き合っているのを、何故だろう?と思ったことはないでしょうか。あれ、正面からツカツカと歩くのはけっこう気が張りますよね。

家相のほうでは、神社仏閣の門の正面に家の玄関が向き合っているのは大凶相、と言います。
本当にそんな家があるのだろうか?と思われるかもしれませんが、鑑定に来られたある方の実家がそうでした。図面を見せてもらいましたが、よくこんな場所にこんな建て方をしたなあ、という感じでした。その家は没落して、空き家になっているそうですが…。

これは、参道の真ん中は神様の通り道だからです。その他大勢の参拝者は、邪魔にならないように横のほうを歩かなければなりません。

また鳥居、山門というのは一種の結界で、ここから神域に入る、ということであり、鳥居、山門をくぐることで外界の穢れを潔める、という役割もあります。
ですから、必ず鳥居をくぐって入り、参道の少し脇のほうを歩きます。
筆者は武道の癖で、何かと向かうと必ず正中線を取る、中心をはずさない、それも、肝心カナメの少し気の張る場面では絶対にそらさない、という習慣が染み付いているので、つい正対してしまいがちで、意識しなければ、と反省します。

4、手水

手水場がある場合はそこでお清めをします。順序は次の通りです。

  1. 柄杓を右手に取り、水をすくう。
  2. 水を左手にかけて洗う。
  3. 左手に持ち替えて、右手を洗う
  4. もう一度右手に持ち替えます。
  5. 左掌に水を受けて口をゆすぎます。
  6. もう一度、左手を洗い、最後に柄杓を立てて水が自分の触れたところを洗い流すようにします。
  7. 柄杓を裏返しに置いて手水を終えます。

ここの注意点は、柄杓には直接口をつけないことです。
また、使い終えた柄杓の柄に水をかけて置くことです。
水場に直接手を入れたり、汚したりしないのは当たり前ですが、たまに何を勘違いしたのか、お金を投げ入れる人があります。不潔ですから絶対にやめましょう。そんなことをしてもお金が増えたりはしません。一人が投げ入れると、他の人も真似をして大変なことになりますから、絶対にやめて下さい。

5、お参りをする

拝殿の前でお参りをしますが、拝殿の前でモタモタしないように、賽銭は準備しておきます。
まず賽銭を入れてから軽く鈴を鳴らします。子供が面白がって派手に鳴らしたりしないよう、ほどほどにします。

この鈴を鳴らすのも、お清めです。
風水で言うと、鳥居をくぐることで「気」を清めるので、これは木性でしょうか。
次に手水場では水で清めました。
そして鈴の金属性の音で邪気を断ち切るという、三度清めることになります。手や口の穢れを洗い流すには水が一番ですが、全体の邪気を払うのは、空気を切り裂く鈴の音が強力です。
金性というのは最も邪気払いの力が強いので、古代からよく、剣そのものが神社のご神体になっています。鈴はその応用みたいなものですね。

木火土金水でも地水火風空でも構いませんが、自然界の構成要素のうち、複数の方法でお清めをした後に、初めて参拝が出来るわけです。このように、清浄潔斎を重視することを考えても、お参りに行くのにあまり余計なものを持たないほうが良いことは、お分かりでしょう。

ちなみに、火でも清めることは出来ますが、近年は消防の関係であまりやたらに火を燃やすことは出来ないので、火を使うのは年末のお焚き上げや小正月のどんど焼きぐらいでしょう。
筆者が子供の頃は、太宰府天満宮で「鬼すべ」の神事には必ず行っていましたが、あれだけの規模の火祭りになると、なかなか迫力があります。

6、二礼二拍手一礼(神社の場合)

神社の場合

  1. 二度、拝礼をします。
  2. パン、パンとかしわ手を二度打ちます。
  3. 手をあわせてお祈りをします。
  4. 一礼して、お参りを終えます。

かしわ手の打ち方は、次のようにします。

お寺の場合

  1. 拝礼をします。
  2. 手をあわせてお祈りをします。(特に手のひらをずらすなどは必要ありません)
  3. 一礼して、お参りを終えます。

お寺で間違えてかしわ手を打たないように注意して下さい。お寺さんのほうでもモノを知らない無作法な人だなと思いますし、よく作法を知らない人が間違えて真似してしまうと、更にいけません。

かしわ手の打ちかたにはいろんな意味がこめられていますし、神社によっても多少の違いがあります。しかし、あんまり細かいことにこだわってもしょうがないので、基本を抑えておけば良いでしょう。

また、礼拝でも「礼」は浅めに頭を下げる、「拝」は深く体を折るなどの別がありますが、賽銭箱の前で大仰な礼拝をするのもナンですから、気持ちがこもっていれば礼でよいと思います。昇殿祈祷を経験すれば、進行のほうで指示がありますし、周囲に慣れた人が居ますから、自然と分かります。昇殿祈祷は寺社によってそれぞれやり方がありますので、だいたい進行の人に従っていれば問題ありません。受けてみようと思う方は、恐れずに受付で聞いてみてください。
昇殿祈祷を受けたい方は、なるべく混んでいない時期…行楽シーズンや冠婚葬祭の多い時期を避けて平日に行くのがコツです。

筆者はむしろ、余りモノを知らない人が、お寺でかしわ手を打ってしまってもそんなに目くじら立てる必要はない、むしろお参りに来たという行為を買ってあげるべき、とも思っています。
礼儀作法が気になるならば、もっと宗教教育をすれば良いのです。学校は日の丸や君が代の大嫌いな日教組が居るので無理でしょうから、日曜学校ではないですが、子供が足を向けたくなるような楽しい講習会でも開いて、うまく教えればよいのです。家庭で教育しなければ、とは言っても、どだい親が教わっていないのですから、若い人には知りようがありません。
今はyoutubeで「神社、柏手、参拝」などで検索すれば本職が指導している動画が出てきますから、それで勉強するのも良いでしょう。

しかし、あくまでも筆者の考えなのですが、お寺でかしわ手を打ってしまうほどモノを知らない、礼儀作法がなっていないことよりも、初詣とか、神様に願いを叶えてもらいたい時にしか神社仏閣に足を運ばない、生活の中に神仏が存在しない、ということのほうが問題ではないだろうか、という気がします。
今のところはとりあえず、礼儀作法がなっていない、と思われてはせっかく参拝に行く当人が気の毒なので、きちんと覚えて下さい。

神社では:二礼、ニ拍手、お祈り、一礼
お寺では:一礼、お祈り、一礼

このお祈りをするというのが、意外に分かったようで分からないのですが、それは次で詳しく述べます。
ちなみに筆者は、いわゆるお願いやお祈りはしません。だいたい「南無観世音菩薩」を口の中で小さく7回唱えます。他の参拝客の邪魔にならない場合には、陀羅尼とか普賢呪を唱えたり、経本を取り出してお経を上げることもあります。
もちろん、かしわ手以外は、お寺でも神社でも同じようにします。
あくまでも筆者の考えとやり方なので、神職やお坊さんには叱られるかもしれませんが、学んだ業界が違うので、致し方ありません。面白いと思っていただける方は参考にして下さい。

その3、「祈り」のはなし

「2014年11月記述」

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