もう5回目ぐらいになるが、また「DOGMAN ドッグマン」を見た。 映画でも小説でも音楽でも、初見でとても面白かったのに、どういうわけか、初見で終わりになってしまうケースがある。 それとは逆に、初見ではそれほど強い印象を受けたわけでもないのに、後から何となく思い出して、ジワジワくるのでまた見返したくなる作品もある。
この「DOGMAN ドッグマン」は上記のどちらでもなく、初見のインパクトも強烈ながら、それがずっと衰えずに、しばらく経つとまた見たくなってしまうという、珍しいタイプの映画だった。
世評も高いので、特に解説する必要もないとは思うが、リュック・ベッソン恐るべし。私は彼の作品はそれほど好きなほうではないのだが、このタイトルはこれまで見た中で一番没入した映画だった。考えてみれば、この作品以外にリュック・ベッソン監督作品で好きなタイトルは思い当たらない。そもそも、あまり見ようとも思わないので、大きなことは言えないのだが。
なんだか、褒めてるのかけなしてるのか分からない映画評だが、若い頃の作品は芸術性がトンガリすぎてて合わない気がしてたのが、彼が年取って丸くなり、ちょうど良くなったのかも。
この映画で特筆すべきは、やはり主役のケイレブ・ランドリー-ジョーンズの鬼気迫る演技だろう。普通なら人格破戒されているような状況で、危うく紙一重で善の側に踏みとどまっているような、抑えに抑えたキャラクター構築が、見事に決まっている。
映画全体が、かなり極端な状況設定なのに、押しつけがましさも感じさせないし、終わり方もサラッとしている。 脇役陣の配置もさり気なくよかったし、ドラァグクイーン達の挿入も、エンタメ性を爆増していて大成功。エディット・ピアフの曲をケイレブが歌うシーンだけでも、ほんとに儲けもの!という感じだ。今どきおススメするには少し遅い話題だが、思い出した序でに。
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