時事ニュース


デッドゾーンが現実だったら?
年々、夏の暑苦しさがひどくなり、今年も「忍の一字」という感じの日々ですね。
コロナ禍が一段落ついたかと思いきや、アメリカ&中国という大国が浮足立っているので、日本での生活は、他国よりはたぶん、だいぶマシなのかな?と思って過ごすしかない状況です。

アメリカも第二次トランプ政権がスタートしてから半年を過ぎ、日米関係という大船に乗った積りでいたものが、どんどんおかしな事になってきています。
筆者は、前はトランプ贔屓だったので、第二次も期待していたのですが、さすがにちょっと不安を感じざるを得ず、これはたぶん、似たような方が多いのではないでしょうか。
個人的には、ひょっとしたらアルツハイマーではないのか?という懸念もあり、あるネット記事で「最も危険な暴走老人になる可能性が…」なんていうのを見かけて、かなりイヤーな気分になりました。

そういう怖い印象を持ってしまった一因として、今回お話しするドラマの事があります。ドラマチックな話なのではなく、文字通りドラマなのですが、もしかしたら、この記事の写真を見て既に、分かる人には分かっているかも…

筆者はスティーブン・キングの大ファンなのですが、彼の作品の中でも、特に抜きんでた逸品と言えるものの一つに「デッドゾーン」があります。キング作品の映画化は、ある要素の為に意外に難しく、原作は良いのに映画は駄作、というものが多いのですが、このデッドゾーンは、映画ともども出来の良いものの一つと言えるでしょう。
1983年作、デヴィッド・クローネンバーグ監督、クリストファー・ウォーケン主演です。
せっかくの名作なので、余計なネタバレは控え、皆さん自分で見て読んで、楽しんで頂きたいのですが、やはり今回のテーマを理解して頂く為には、必要なぶんだけは解説せざるを得ません。

一番上の画像は、トランプ氏暗殺未遂事件の瞬間を見事に捉えた、まさに歴史的な報道写真です。私はこの写真を見た瞬間から、デッドゾーンのあるシーンと、この写真がピッタリ重なってしまい、どうしても切り離すことが出来なくなってしまいました。

デッドゾーンのストーリーは、ある若い男性が事故に遭い、5年もの昏睡状態を経て目覚めるところから始まります。5年の間には、婚約者も家族も離散し、自らの生きるよすがを見失ってしまった彼ですが、ある事件をきっかけに、自分が手を触れた相手の未来を、予知する能力を授かった事に気づきます。
その能力は、見たくないものを見てしまう事にも繋がり、人間関係をも壊し、彼を苦しめます。しかし、彼なりに社会に役立ててゆくことで、何とか自分の中で折り合いをつけようと努力します。ところがある日、仕事先で紹介された新進気鋭の政治家と握手した瞬間に、この政治家が、世界を滅亡へと追い込む危険思想を持っていることを見抜いてしまうのです。

そこで彼は、悩んだ結果、ある行動に出ることを決意します。これがラストの悲劇へと繋がるのですが、クリストファー・ウォーケン演じる主人公と、マーティン・シーン演じる、カリスマ政治家のキャラクターともうまくマッチして、哀愁と悲壮感の漂う、心を抉られるようなラストシーンになっています。

私はトランプ氏狙撃のあの写真を見た瞬間、この映画と完全にシーンが重なってしまいました。そこで、何度も再生し直して、構図の似たシーンを探したのですが、構図に関しては、私の頭の中で合成されたものだったようです。
2枚目が野外選挙活動の様子、3~4枚目が悲劇の現場、5枚目は彼が命を懸けて守った未来でした。ストーリーと言い、役柄と言い、うわー、もう、はまりすぎーい!と、叫ばずにはいられませんでした。

マーティン・シーン、けっこう悪役似合いますね。それも単純な悪役ではなく、権力の座にありながら問題もあるという複雑さも出せて、もう凄いですよ。
そしてもちろん、クリストファー・ウォーケンの素晴らしさ!
彼の役者人生の中でも、屈指のはまり役なのではないでしょうか。(勝手にそういう事にしてしまいます。)あの神経質というか、繊細さと芯の強さを兼ね備えた独特の存在感は、他の追随を許しません。

しかしながら…、考えれば考えるほど、デッドゾーンがドラマでよかったわー……
だって、マーティン・シーンだけ居て、クリストファー・ウォーケンが居なかったら、世界はどうなっちゃうんでしょうねえ。
皆さん、是非とも見て下さいね。デヴィッド・クローネンバーグ監督の「デッドゾーン」ですよ。アマゾンプライムで、200円でレンタルしてます。
Date: 2025/08/01
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